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PROGRAM/放送作品
ピストルと少年
愛に飢えた少年が刑事を人質に取って姉捜しの旅に──『ポネット』のジャック・ドワイヨン監督の隠れた名作
少年が警官を30分間人質に取った事件から発想を得たジャック・ドワイヨン監督が自ら脚本を執筆。愛に飢えた少年とその姉と刑事による心の触れ合いを瑞々しく描き、ベルリン国際映画祭の国際評論家連盟賞を受賞。
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COLUMN/コラム2020.02.04
ヴィン・ディーゼルが当たり役を演じた壮大なスペース・サーガ。『リディック』
究極のアンチヒーロー、リディックとは? ‘00年2月に全米公開され、予想外のスマッシュヒットとなったSFアクション『ピッチブラック』。当時スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』(’98)において、体は厳ついが心は優しいカパーゾ二等兵役で注目されたばかりのヴィン・ディーゼルを中心に、ラダ・ミッチェルやコール・ハウザー、キース・デイヴィッドなど、いわゆる中堅どころの地味なキャストを揃えた低予算B級映画で、内容的にも『エイリアン』シリーズの二番煎じに過ぎないような作品だったが、しかし劇場公開後もDVDソフトが好調なセールスを示すなどカルト的な人気を博した。その最大の理由が、獰猛なエイリアンを素手で殴り倒す宇宙のお尋ね者リディック(ヴィン・ディーゼル)のインパクト強烈なキャラである。 スキンヘッドにバルクマッチョな肉体がトレードマークの屈強な男リディック。まだへその緒が付いた赤ん坊の頃に捨てられ、人生の大半を銀河系の様々な監獄惑星で過ごしてきたという天涯孤独の犯罪者だ。いつもゴーグル型のサングラスを着用しているのは、夜目が利くように改造した眼球を日差しから守るため。タバコ20箱と引き換えに刑務所の医師に手術を受けたと語っているが、実際のところ本当なのかは誰にも分からない。冷酷非情で残忍な宇宙屈指の悪党と呼ばれており、他人を寄せ付けない威圧的な雰囲気を漂わせているものの、しかしそれは弱肉強食の大宇宙を生き抜くための処世術でもある。自分以外の人間を信用せず、あえて他者に情けをかけたりしないのは、実のところ裏切られて傷つくことを恐れているからだ。 まさしく人間味あふれる究極のアンチヒーロー。シニカルでクールな冷血漢を気取ったリディックが、宇宙船の故障によって砂漠の広がる未知の惑星へと不時着し、どこまでも真っ直ぐで正義感の強い女性パイロット(ラダ・ミッチェル)に心動かされることで、惑星の暗闇に潜むモンスターの群れから他の生存者たちを守るため戦うことになる…というのが『ピッチブラック』の本質的な面白さだった。演じるヴィン・ディーゼルにとっても思い入れの強い役柄だったらしく、撮影中から既に続編の構想を練っていたのだとか。その後、『ワイルドスピード』(’01)と『トリプルX』(’02)でヴィンが一躍大ブレイクしたことから、製作元ユニバーサルは改めてリディックを単独の主人公に据えた続編を企画。それがこの『リディック』(’05)というわけだ。 強大な宿敵ネクロモンガー現る! 物語は前作から5年後。聖職者イマム(キース・デイヴィッド)と少年に化けた少女ジャックを未知の惑星から救出したリディックは、お尋ね者である自分の存在が彼らの迷惑にならぬよう、雪に閉ざされた極寒のUV星系第6惑星に身を潜めていた。ところが、そこへトゥームズ(ニック・チンランド)率いる賞金稼ぎチームがやって来る。しかも、その依頼主は他でもないイマムだった。友人に裏切られた思いのリディックは、真相を確かめるべくイマムの暮らすヘリオン第1惑星へと向かう。そこで彼は、イマムに紹介されたエレメンタル族の預言者エアリオン(ジュディ・デンチ)から、宇宙の侵略者ネクロモンガー帝国の軍団がヘリオンへと迫っていることを知らされる。 本編中での解説が断片的で分かりづらいため、ここで基本的な設定をまとめてみよう。ネクロモンガーとはネクロイズムの神を信仰する邪悪な民族で、もともとは惑星アシュラムの都市ネクロポリスを基盤にしていたのだが、やがて巨大宇宙空母バシリカを先頭に宇宙大艦隊を編成し、約束の地アンダー・ヴァースを目指して大移動を続けている。そして、多様な民族が多様な宗教を信仰しながら共存共栄する世界を否定し、全ての民族が一つの絶対的な宗教のもとに支配される全体主義的な世界を志向する彼らは、行く先々の惑星を次々と侵略して住民に改宗を迫り、歯向かう者は容赦なく抹殺してきたのだ。 この恐るべきネクロモンガー帝国の専制君主が6代目ロード・マーシャル(コルム・フィオール)。ただひとり、アンダー・ヴァースへ行ったことのある彼は、生と死の両方を兼ね備えた新たな生命体として戻ってきた。そのため、霊体と実体を使い分けた高速移動が可能で、超人的な攻撃能力を持ち合わせている。そんなロード・マーシャルの右腕が軍指揮官ヴァーコ(カール・アーバン)。主君に絶対服従を誓う忠実な家臣だが、野心家のヴァース夫人(タンディ・ニュートン)は夫の地位に満足しておらず、現ロード・マーシャルを亡き者にして夫を後釜に据えようと画策する。また、異教徒を改宗させるための説教師的な役割を果たす側近ピュリファイア(ライナス・ローチ)も、ある重大な秘密を周囲に隠していた。実のところ、侵略者ネクロモンガーも決して一枚岩ではないのである。 そして、いよいよヘリオン第1惑星へネクロモンガーの大軍が出現し、一夜にして占領されてしまう。妻子を逃がそうと抵抗したイマムは殺害され、大勢の住民が捕らえられて強制的に改宗させられる。辛うじて脱出することに成功したリディックは、わざとトゥームズの賞金稼ぎ一味に捕まり、灼熱の監獄惑星クリマトリアへ収監されることに。実はここに、かつてジャックという少年を名乗り、今はすっかりタフな若い女性へと成長したキーラ(アレクサ・ダヴァロス)が囚われの身となっていたのだ。昼間の気温は700度、夜間はマイナス300度にまで下がるクリマトリア。その地下刑務所をキーラと共に脱走し、ネクロモンガー帝国に戦いを挑もうとするリディックだったが…? 伝統とハイテクを融合した独特の世界観が魅力 特定の空間を舞台にしたモンスター・パニック的なB級SFアクションだった前作から一転し、まるで『スター・ウォーズ』シリーズを彷彿とさせる壮大なスペース・サーガへと大きく路線変更した本作。同じデヴィッド・トゥーヒー監督の演出とは思えないくらい、その映像的な印象はガラリと様変わりしている。シリーズ物によくありがちな、前作を踏襲しただけで終わるという失敗を避けたかったと監督は語っているが、なるほど、そういう意味ではかなり成功していると言えよう。また、1作目を見ていなくてもだいたい設定を把握できる脚本も親切だ。 中でも素晴らしいのは、絢爛豪華な美術セットや衣装のデザインである。ネクロモンガー帝国の建築物はバロック様式を採用し、軍隊の鎧兜には十字軍のイメージを投影したという。ゴシック様式だとあまりにもありきたりだから…というのが理由だそうだが、しかし先述したようなネクロモンガーの設定から考えても、バロックと十字軍という組み合わせは極めて妥当な選択だ。一方、ヘリオン第1惑星の都市ニュー・メッカはイスラム様式で統一。部分的にはアールデコの要素も取り入れられている。このような、中世の伝統と未来のハイテクを融合した独特の世界観は、なんとなくデヴィッド・リンチ監督の『砂の惑星』(’84)やピーター・イェーツ監督の『銀河伝説クルール』(’83)を彷彿とさせて面白い。 また、CGやグリーンバックにばかり頼ることなく、実物大セットとミニチュア・セットを使い分けながら作り上げられた王道的なVFXも好感が持てる。これはとても重要なポイント。どれだけ巧妙に仕上げられたCGでも、やっぱり本物の質感には敵わない。特に、本作が製作された’05年当時の技術を考えれば、まことに賢明な判断だと言えよう。ニュー・メッカの大通りを猛ダッシュするリディックに、ネクロモンガーの宇宙船が突っ込んでくるシーンも、実はCGでなくミニチュア合成だったりする。この時、ひっくり返った宇宙船に人物像のレリーフが彫られているのだが、これよく見るとデヴィッド・トゥーヒー監督の肖像(笑)。まさかのカメオ出演(?)である。 ちなみに、ネクロモンガーの軍隊に青い光を放つゴーグルマスクを被った奇妙な人々が混じっているが、監督自身の説明によると、あれは生命体を感知するレンザーという能力者で、負傷した元敵兵を手術で改造したヒューマノイドなのだとか。また、リディックの記憶を読み解こうとするクアジ・デッドなる不気味な連中は、いわばネクロモンガーの苦行僧みたいなもので、一切の食を拒むことで精神を統一し、テレパシーを使って人間の心や記憶を読むことが出来る。ただ、脳だけが発達して肉体が衰退したため、動いたり喋ったりできないことから、聖杯に溜められた水を通して会話するのだそうだ。この辺りも、劇中ではいまひとつ説明が足りないので、参考にしながら見て頂きたい。 で、やっぱり最大の見どころは我らがアンチヒーロー、リディックである。前作よりもさらに詳しく人物背景が描き込まれ、独特の考え方や価値観なども明確になることで、より人間的な魅力が増していると言えよう。その辺りは、一見したところ怖そうだけどよく見ると優しい目をしている、ヴィン・ディーゼル自身の魅力とも相通ずるものがある。本作に続いてシリーズ第3弾『リディック:ギャラクシー・バトル』(’13)も作られ、現在は4作目『Furya』(仮タイトル)の企画も進行中と伝えられているが、彼にとって『ワイスピ』シリーズのドミニクや『トリプルX』シリーズのザンダーと並ぶ当たり役であることは間違いない。■ 『リディック』©2004 Universal Studios All Rights Reserved.
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PROGRAM/放送作品
チャイルド・プレイ(2019)
[R15+]恐怖の殺人人形チャッキーがAI機能を備えて再生!往年の大ヒット作を現代的な設定でリブート
『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』の製作陣が80年代大ヒットホラーをリブート。人形が殺人鬼へと変貌する設定として、AIという現代的な要素に変更。マーク・ハミルが殺人人形チャッキーの声を怪演。
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NEWS/ニュース2019.08.07
関根勤さん、声優・宮内敦士さん、とり・みきさん登壇!『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ザ・シネマ新録吹き替え版の制作・放送記念!イベント上映のレポート&インタビュー到着!
関根勤さん、声優・宮内敦士さん、とり・みきさん登壇!「(吹)マッドマックス 怒りのデス・ロード[ザ・シネマ新録版]」の制作・放送にあわせ、イベント上映を実施! 吹き替え放送にこだわりのある洋画専門CSチャンネル「ザ・シネマ」は、 『(吹)マッドマックス 怒りのデス・ロード[ザ・シネマ新録版] 』(8月12日(月・休)、24日(土)に放送)の制作・放送を記念して8月4日にイベント上映を敢行。本作の上映とトークイベントを第1部・第2部で約200名の方にお楽しみいただきました。第1部では通常上映を実施し、トークイベントにはオーダーメイドのバトルスーツに身を包んだ大の「マッドマックス」ファンであるタレントの関根勤さん、吹き替えに造詣が深い漫画家のとり・みきさんが登壇し、マクラウドの白石さんに司会を担当いただきました。第2部では絶叫上映を実施。タンバリンやクラッカーが鳴り響いた上映終了直後、熱気あふれる会場内に突如、ザ・シネマ新録吹き替え版で主役のマックス役の吹き替えを担当した声優・宮内敦士さんが「俺の名前はマックス」という劇中の名セリフとともにサプライズ登場。会場からは「V8!」コールが鳴り響き、大きな歓声に包まれました。 8/4(日)本作のイベント上映後にご来場の方にインタビュー!熱い感想コメントをいただきました!(8/9更新) < 関根勤さん・宮内さんインタビュー! >■自前のバトルスーツで登場した関根勤さんコメント!「僕はマックスが好きなんですよ 」 「マッドマックス」の最新作を見た時はビックリしましたね。お金もかかっているし、スケールアップもしている。主演のトム・ハーディもカッコ良かったですね。ジョージ・ミラー監督がこの映画を撮った時は70歳近くだったんですよね。それくらいの年齢の人が作る映画じゃないですよ。他の監督だったら、途中で犬を救ったり、少年を救ったりするようなシーンを入れてしまいがちですが、この監督はそれをしない。アクションだけで押し通しますからね。自分が監督をするという立場になって観てください。本当に大変です。そして主役としてキャスティングされたと思ってください。本当に過酷です。それを2時間で見事にパッケージングしている。これは芸術ですね。僕はマックスが好きなんですよ。今日の衣装のバトルスーツも3年前にこの映画を観たときに作ったものです。僕はブルース・リーや「ダーティハリー」の映画が好きなんで、このシリーズにもいっぺんにハマってしまいました。「マッドマックス」っていう名前もかっこいいですよね。■マックス吹き替え担当の宮内敦士さんコメント!「これぞ「マッドマックス」の世界観だということを目指しました」 「ザ・シネマ新録吹き替え版」の放送がはじまってから、役者仲間からも、役者じゃない知り合いからも良かったよという声を多くいただいて、良かったなと。僕に限らず、他の吹き替えを担当した役者さんたちも喜んでいると思います。「マッドマックス」というのはひとつの時代を作った作品で、僕も子どもの頃から観ている大好きな作品です。絶叫上映に実際に間近で触れるのは初めてなんですが、ファンの皆さんのこの世界観に没入していくパワーは本当にすごいなと思いました。今回の新録吹き替え版は、劇場版とはまた違う、これぞ「マッドマックス」の世界観だということを目指しました。トム・ハーディは、僕よりも年下なんですが、役者としても一流。いつも勉強しなきゃいけないなと気付かされることも多いですし、彼の吹き替えはとてもやりがいがあります。この中に入ることができて本当に光栄です。みんなが力を入れて吹き替えをしました。ぜひ見逃さないように。放送は録画も出来ますので、何回も見返していただけたらと思います。------------------------------------------------------------------------------------------------------<イベント上映レポート>■イベント上映の第1部通常上映のトークイベント! この日、関根さんが着用してきた衣装は、オーダーメイドのバトルスーツ。「僕は『マッドマックス』の大ファンだったんですよ」と語る関根さんは、「3年ほど前に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観て、どうしたらいいか分からないくらい興奮して。そうしたらライダースーツを作っているお店に『マッドマックス』バージョンがあると聞いて。すぐに行きました」と説明。かかった費用は、上下で38万円とのことですが、「フルオーダーで、一番いい革で作りました。まず採寸して、一カ月くらいで厚地の木綿で型ができるんです。それを着ながら、細かく『ここをどうしますか?』という風に全部調整して作るんで。僕にとっては適正価格。普通のライダージャケットでも20万とか25万は平気でしますからね」という関根さん。気になるご家族の反応については「何も言いません。妻はずっと軽い病気だと思っているんで」とコメントし、周囲を笑わせました。 マクラウドの白石さんも興奮を隠せないようで、「『マッドマックス』界隈では、関根さんがバトルスーツを作ったというのは2016年のビッグニュースだったんですよ。『関根さんはこっちの人だった!』と語ると、関根さんも「そうですよ! 79年からどっぷりですからね」と笑顔を見せます。「この衣装を着てイベントに出たかったので本当に良かったです」と続けました。 劇場公開時は字幕版で鑑賞したという関根さんですが、今回のザ・シネマ新録吹き替え版は「マックスの声が渋くて。トム・ハーディ本人の声と違和感がなかった。カッコ良かったですね」と感じたそう。さらに「吹き替え版を観て、字幕では分からなかったところが分かりました。イモータン・ジョーの長男が子どもみたいなしゃべりなんですよね。それがビックリして。英語だとそのニュアンスが伝わらないんですよ。だからこういうしゃべり方なんだなと思いました」という関根さんに、とりさんも「今回はザ・シネマ用に、劇場版とは違うバージョンの吹き替え版を撮り直したんですけど、劇場版の吹き替えの長男はあまり幼児っぽくなっていないんですよね」と解説。さらに白石さんが「劇場版ではプロレスラーの真壁刀義さんが吹き替えをされていたんですが、こちらは幼児っぽいというよりは粗野な感じというニュアンスだった。今回は意図的にキャラクターを強調したということがありますよね」と指摘します。「すばらしかったですね」 また、白石さんも「僭越ながら、今回、ザ・シネマの新録吹き替え版が新しく作られると話を聞いたときに、勝手に『ここの部分の吹き替え・字幕は違和感がありましたよ』リストを作って。ザ・シネマさんに勝手に送りつけたんです。それが反映されたかどうかは分かりませんが。でも台本を読んでみると、原語に忠実であろうと気を遣っていたなと感じました」と振り返りました。 とりさんは「ザ・シネマさんが放送用に別バージョンをつくること意義深いことだと思っています。これからもその機会が増えるように皆さんも応援していただけたらと思います」そして関根さんも「『マッドマックス 怒りのデスロード』は何回みても同じ感動をいたしまして、ぼくは6回ほど見たのですが、まだこんな所があったんだと思えるので、何回も見ていただいてプラス年に1回はみていただきたいなと。その年の年齢年齢で感じるものが違うと思うのですよ。熟成されてきた自分の人生でこういうことをジョージさん(ジョージ・ミラー監督)は言いたかったんだとわかってくると思います。ぜひ、長く愛していただきたいと思います 」と締めた。------------------------------------------------------------------------------------------------------■イベント上映、第2部絶叫上映の トークイベント! そして第2部は絶叫上映を実施。上映終了直後、熱気あふれる会場内に突如、ザ・シネマ新録吹き替え版の主役マックスの吹き替え担当した宮内敦士さんが「俺の名前はマックス」という劇中の名セリフとともにサプライズ登場。会場からは「V8!」コールが鳴り響き、大きな歓声に包まれました。この日の衣装は白石さんが四年ほど前に制作したものだとのことで、「白石さんより本格的な衣装をお借りしました。皆さん(のテンション)に追いつけるように頑張ります」とあいさつ。 これまでもトム・ハーディの吹き替えを幾度となく行ってきた宮内さん。「作品によってコロコロ変わるカメレオン俳優。影もあるし、存在感もある。なりきり方というか、いれこみ方が違う。それでいてすごくナチュラルな、いい役者だなと思うので。そのなりきり感を声だけで表現できるのかなとは思っていました」と語ると、さらに「台本と画面と見比べてみて、なぜこんな芝居をしているのか、という分析から入るんですが、裏に何かあるんじゃないかと思ってしまう。だからひとつだけの芝居でなく、いろんなものを用意していないと彼の芝居の吹き替えは出来ない。だから収録の時は、いろんなものを用意したつもりですけど、もう少しできたんじゃないかなと思う部分もあります。彼はそういう役者ですね」としみじみ。 その言葉を受けてとりさんは「吹き替え声優は必ずしも声が似ている必要はないのですが、宮内さんは非常に声が似ている。そしてお芝居もきちんと理解されているんだと思う」と称賛。さらに「下手するとトム・ハーディより宮内さんの声の方が低いんじゃないかと思う時もあった。普通、外国の俳優に日本人が声をあてる時って、なかなかそこまで低くなることはない」と続けると、会場からは大きな拍手が。それに対して「若い時は出来なかった役。声がかれてきて。ガラガラいうようになってきて出来るようになった。雰囲気が合ってきたのかもしれない。この年になって出来る役であり、役者さんなのかもしれませんね。とはいえ彼は僕より10歳くらい年下なんですけどね」と笑う宮内さんでした。 今回の日本語吹き替え版の演出は、数々の洋画の日本語吹き替え版のほか、スタジオジブリ作品などのアニメ作品なども手がける音響監督の木村絵里子さんが担当しています。「ご縁から言うと、20年くらい前に吹き替えの仕事を始めた時に『ハリーポッター』で、ちょっとした役をいただいたんです。でもそれが全然出来なくて。『持ち帰ってください』と言われて帰されたんです。それで日をあらためて収録に行ったんですが、それでも悩んで。自分では変わっていないなと思ったんですけど、オッケーをいただきました。僕は半べそをかきながら、もう縁もないかなと思ったんですが、それからもちょこちょこと使っていただいて。僕のいいところを拾っていただけた。そういうご縁があるんです」と語る宮内さんは、「演出力は役者の上をいっていますからね。ひとつのシーンでも、こうじゃないかと言われると、ハッと気付かされることが多くて。そこから何テイクもやって現場で作り直していく。やはり自分を預けることができる演出家さんだなと、今回、改めて感じましたね」と付け加えました。 そんな宮内さんに『マッドマックス』への思いを尋ねると、「僕は物心ついた時から『マッドマックス』で育ちました。小学生くらいの頃に、ファーストの世界観を見た時に、本当に驚いたんです。だからそんなシリーズに声をあてて、その中に入ることができるなんて夢にも思いませんでしたね」と晴れやかな顔。そして最後に「『マッドマックス』の続きもあるという話もありますが、その時にまたトム・ハーディの声を吹き替えられたらと思います」と決意を語ると、会場からの喝采を集めました。 イベント上映:8月4日実施。運営協力:V8japan様/マクラウド様(「マッドマックス・コンベンション2019」11月開催)多大なるご協力いただき誠にありがとうございました!------------------------------------------------------------------------------------------------------ ■番組情報 『(吹)マッドマックス 怒りのデス・ロード[ザ・シネマ新録版]』 ザ・シネマ新録吹き替え版の一部動画を公開中! 放送日:8月12日(月・休) 06:30 ~/ 23:00~/8月24日(土)12:30~/23:00~[R15+] 暴力と狂気に支配された終末世界──30年ぶりとなる「マッドマックス」シリーズ最新作特設サイトはコチラ※随時、更新中!お見逃しなく!番組情報 ■Twitter感想キャンペーン実施中! 熱い感想おまちしております!8/25まで実施!当選者にはTwitterのDMでご連絡いたします。
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PROGRAM/放送作品
サマー・オブ・84
[R15+]懐かしの1980年代へのオマージュ満載!連続殺人事件に挑む少年たちの運命を描く青春ホラー
気鋭の監督3人によるカナダの映像制作ユニットが、1980年代の青春映画やホラー映画の数々にオマージュを捧げた作品。ノスタルジックなジュブナイルものから急展開する壮絶なクライマックスに息を呑む。
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COLUMN/コラム2019.07.14
過ぎ去り行く開拓時代、大西部の田舎町に情け容赦ない正義の銃声がこだまする
イギリス出身の映画監督マイケル・ウィナーの本格的なハリウッド進出作である。オリヴァー・リードやチャールズ・ブロンソンとのコンビで次々とヒットを放ち、中でもブロンソンが主演したヴィジランテ映画の金字塔『狼よさらば』(’74)の大ヒットで名を上げたウィナー。キャノン・フィルムと組んだ’80年代以降の失速ぶりが目立ってしまったせいか、なにかにつけ「B級映画監督」のレッテルを貼られがちな人だが、しかしある時期までのマイケル・ウィナーは紛れもない鬼才だった。 ロンドンの裕福な家庭の一人っ子として何不自由なく育ったお坊ちゃん(ギャンブル中毒の母親には悩まされたようだが)。14歳にして新聞に芸能ゴシップの連載コラムを持つという早熟な少年で、映画ジャーナリストを経て短編映画を監督するようになる。転機となったのは、クリフ・リチャードやマーティ・ワイルドと並ぶアイドル・ロック歌手ビリー・フューリーが主演したロック・ミュージカル『Play It Cool』(’62・日本未公開)。これが初めて商業的成功を収めたことから、当時まだ26歳だったウィナーは、英国映画界の新世代監督として売れっ子になる。そして、英米合作の戦争映画『脱走山脈』(’69)がアメリカでもヒット。ユナイテッド・アーティスツから声がかかったウィナーが、満を持してのハリウッド進出第一弾として選んだプロジェクトが、自身にとって初の西部劇『追跡者』(’71)だったのである。 舞台は19世紀末のニューメキシコ州。サバスという町から牛を運んだカウボーイたちが、その帰り道に途中の町バノックで酒に酔って暴れ、拳銃の流れ弾を受けた老人が死亡する。それからしばらく後、サバスの保安官ジャレド・マドックス(バート・ランカスター)が、犯人の一人コーマンの死体を持参してサバスへ到着。地元の保安官コットン・ライアン(ロバート・ライアン)に、残りの6人の引き渡しを求めるが、しかしライアンはそれを「不可能」だとして断る。 というのも、6人のうち1人はサバスの名士ヴィンセント・ブロンソン(リー・J・コッブ)。残りの5人は彼の子分たちだ。鉄道も石炭もない町サバスの住人たちは、ブロンソンが経営する牧場に依存して生活している。つまり、彼は町の実質的な支配者。ここではブロンソンこそが法律であり、保安官ライアンとて彼には手を出せないのだ。 しかし、「法を欺くものは絶対に許さない」が信念のマドックスは引き下がらない。当初、ブロンソンは慰謝料を支払うことで解決しようとするが、しかし清廉潔白なマドックスは取引に応じる相手ではなかった。「ならばマドックスを殺してしまおう」と考える血気盛んなカウボーイたち。だが、苦労して手に入れた土地や財産を失いたくないブロンソンは平和的な妥協策を模索し、かつては名うてのガンマンだったライアンもマドックスが彼らの敵う相手ではないと忠告する。 とはいえ、マドックスの執拗な追及に苛立つカウボーイたち。追い詰められた彼らは、無謀にもマドックスとの決闘に挑み、一人また一人と銃弾に倒れていく。夫を見逃して欲しいと嘆願するかつての恋人ローラ(シェリー・ノース)、迷惑だから町を出て行けと迫る住民たち。しかし、妥協することも罪を見逃すことも良しとしないマドックスは、彼らの要求を頑として受け付けず、ただひたすらに職務を全うしていく…。 主人公マドックスの体現するものとは? 『チャトズ・ランド』(’72)のチャトのごとく己の信念を決して曲げず、『メカニック』(’72)のビショップのごとくプロとしての美学を徹底して貫き、『狼よさらば』のポール・カージーのごとく執念深いマドックスは、紛うことなきマイケル・ウィナー映画のヒーローだ。彼の行動原理はただ一つ、法執行官としての責任を最後まで果たすこと。カウボーイたちにはそれぞれ、逮捕されては困るような生活の事情がある。そもそも、彼らは故意に老人を殺したわけではなく、マドックスが来るまでその事実すら知らなかった。情状酌量の余地もあるように思えるが、しかし頑固一徹なマドックスには通用しない。なぜなら、それは裁判官や弁護士が考えるべきことで、保安官の役割ではないからだ。 そこまで彼が己の職務と法律順守にこだわる背景には、たとえ僅かな違法行為でも見逃してしまえば、社会の秩序がそこから崩壊してしまうという危機感がある。確かに、カウボーイたちは根っからの悪人ではない。それは彼らのボスであるブロンソンも同様で、少なくとも町の人々にとっては良き独裁者だ。しかし、保安官として罪を犯した者を捕らえるのはマドックスにとって当然であり、そこに個人のしがらみや感情が介在してはいけない。ましてや、うちの旦那だけは見逃してとか、よその町で起きた犯罪なんてうちには関係ないとか、法律よりも町の利益の方が重要だなどという理屈は、彼に言わせれば言語道断であろう。 一見したところ、融通の利かない非情な男に見えるマドックスだが、しかし法律における正義とは本来そうあるべきもののようにも思える。特に、「今だけ・金だけ・自分だけ」などと揶揄され、忖度や捏造や改竄が平然とまかり通る昨今の某国では、彼のような人物こそが必要とされている気がしてならない。 と同時に、本作は時代の岐路に立たされた者たちのドラマでもある。マドックスがホテルの宿帳に記した日付によると、本作の時代設定は1887年。無法者たちが荒野を駆け抜け、開拓民が自分たちのルールで未開の地を切り拓いた時代も、もはや過去のものとなりつつあった頃だ。着実に近づいてくる近代化の足音。その象徴が、国家の定めた法の番人マドックスだと言えよう。 そして、かつてネイティブ・アメリカンを殺戮して土地を奪い、その戦いの過程で大切な家族を失ったブロンソンも、名うてのガンマンとして勇名を轟かせたライアンも、その事実を否応なしに受け止めている。暴力のまかり通る野蛮な時代は、もうそろそろおしまいだと。いや、むしろあんな時代はもう沢山だとすら考えている。しかし、フロンティア精神への憧憬が抜けきらないカウボーイたちは、まるで時代の変化に抗うかのごとくマドックスに挑み、そして無残にも命を散らしていくのだ。 必ずしも好人物とは呼べないアンチヒーロー的な主人公、あえて観客の神経を逆撫でする無慈悲なバイオレンス、そして世の中を斜めから見つめたシニカルな世界観。その後の『スコルピオ』(‘73)や『シンジケート』(’73)などを彷彿とさせる、いかにも当時のマイケル・ウィナーらしい作品だ。常連組ジェラルド・ウィルソンの手掛けた脚本の出来栄えも素晴らしい。撮影監督のロバート・ペインターも、ウィナー監督とは『脱走山脈』以来の付き合い。やはり、気心の知れた仲間とのコラボレーションは大切だ。徹底してリアリティを追求したウィナー監督は、劇中に出てくる小道具にも本物のアンティークを使用。石油ランプひとつを取っても、同時代に使われた実物を、わざわざイギリスからスタッフに運ばせたという。 鬼才マイケル・ウィナーのもとに集ったクセモノ俳優たち しかし、なによりも賞賛すべきは、バート・ランカスターにロバート・ライアン、リー・J・コッブという、ハリウッドでもクセモノ中のクセモノと呼ぶべきベテラン西部劇俳優たちを起用し、彼らから最高レベルの演技を引き出したことであろう。なんといったって、オリヴァー・リードにチャールズ・ブロンソン、オーソン・ウェルズ、マーロン・ブランドといった、気難しくて扱いづらいことで有名な大物スターたちを、ことごとく手懐ける(?)ことに成功したウィナー監督。ランカスターとは撮影中に何度も衝突し、胸ぐらを掴まれ「殺してやる」とまで脅されたらしいが、結果的には彼の当たり役のひとつに数えられるほどの名演がフィルムに刻まれ、2年後の『スコルピオ』でも再びタッグを組むこととなった。その秘訣をウィナー監督は、「そもそも私は根っからのファンで、彼らのことを怖れたりしなかったから」と語っている。 脇役の顔ぶれも見事なくらい充実している。アルバート・サルミにロバート・デュヴァル、ジョゼフ・ワイズマン、J・D・キャノン、ラルフ・ウェイト、ジョン・マクギヴァーなどなど、映画ファンならば思わず唸ってしまうような名優ばかりだ。これが映画デビューだったリチャード・ジョーダンは、同年の『追撃のバラード』(’71)でもランカスターと再共演し、ウィナー監督の西部劇第2弾『チャトズ・ランド』にも出演。当時は下賤なレッドネックの若者といった風情だったが、いつしか都会的でスマートな悪役を得意とするようになる。ブロンソンの息子ジェイソン役のジョン・ベックは、『ローラーボール』(’75)や『真夜中の向こう側』(’77)など、一時期は二枚目タフガイ俳優として活躍した。 そして、マドックスの元恋人ローラを演じるシェリー・ノースである。もともと第二のマリリン・モンローとして、20世紀フォックスが売り出したグラマー女優だったが、脇に回るようになってから俄然本領を発揮するようになった。中でも彼女を重宝したのがドン・シーゲル監督。『刑事マディガン』(’68)の場末のクラブ歌手を筆頭に、『突破口!』(’73)の胡散臭い女性カメラマン、『ラスト・シューティスト』(’76)のジョン・ウェインの元恋人など、酸いも甘いもかみ分けた年増の姐御を演じさせたら天下一品だった。 本作でも、かつて若い頃は相当な美人だったであろう、しかし今ではすっかり生活に疲れ果てた女性として、なんとも味わい深い雰囲気を醸し出す。20年ぶりに再会したマドックスに、忘れかけていた情愛の念を掻き立てられるものの、かといって臆病者で卑怯者だけど憎めない夫を見捨てることも躊躇われる。クライマックスのどうしようもないやるせなさは、彼女の存在があってこそ際立っていると言えよう。これぞ傍役の鏡である。
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PROGRAM/放送作品
ベルリン・天使の詩
天使が舞い降りた古都ベルリン。ヴィム・ヴェンダース監督がめくるめく壮麗な映像美で綴るファンタジー
天使と人間の女性の愛を描き、日本でも大ヒットしたヴィム・ヴェンダースのファンタジー。まだ“壁”が存在していたベルリンを舞台に、天使の視点をモノクロ、人間の視点をカラーで表現した映像美にも魅了される。
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NEWS/ニュース2019.04.26
2019年夏!ザ・シネマがTV初『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の新録吹き替え版を制作・放送!吹き替え版声優が決定!
■こだわりの吹き替え版の放送に力を入れているザ・シネマが、『(吹)LIFE!/ライフ[ザ・シネマ新録版]』に続き、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の新録吹き替え版の制作・放送! 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』© Warner Bros. Feature Productions Pty Limited, Village Roadshow Films North America Inc., and Ratpac-Dune En ザ・シネマでは、過去に民放TVの洋画番組を見て育った洋画のファンの方に向けた「この俳優にはこの声優」というこだわりの吹き替え版の放送に力を入れています。2011年の『ブレードランナー ファイナル・カット [日本語版]』、2017年の「エイリアン」シリーズ第5作『(吹)プロメテウス[ザ・シネマ新録版] 』、2019年の『(吹)LIFE!/ライフ[ザ・シネマ新録版]』。そして四度目に、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の吹き替え版を制作し、 [ザ・シネマ新録版]として放送します。本作は、「マッドマックス」シリーズ最新作でありアカデミー賞で6部門を受賞した人気作。放送日などはおって、発表いたします。 ご期待ください!!!!!!!!!!!! ■ [ザ・シネマ新録版]の吹き替え版の声優決定!■主役のマックス(トム・ハーディ)は宮内敦士さん! トム・ハーディやジェラルド・バトラーの吹き替えを数多く担当。JJ版『スター・トレック』シリーズのDr.マッコイも持ち役。『欲望のバージニア』、『チャイルド44 森に消えた子供たち』、『ダンケルク』 ほか。 ■宮内敦士さんプロフィール1969年7月8日生まれ。埼玉県出身。O型。特技・乗馬。吹き替え担当俳優・カールアーバン/トム・ハーディ/マーク・ファレロ等。海外ドラマ『イサン』パク・テス/ 『ブラックリスト』ドナルド・レスラー/ 『THIS IS US 36歳これから』ジャック・ピアソン/映画『アベンジャーズ』ハルク/ 『猿の惑星:新世紀』マルコム/アニメ『新テニスの王子様』三船入道/ 『ワンピース』ニジ/舞台『信長』 『暴れん坊将軍』 /ドラマ出演『義経』 『坂の上の雲』 『八重の桜』 /映画出演「魔界転生』 ■敵役のイモータン・ジョー(ヒュー・キース=バーン)は安原義人さん! ミッキー・ローク、メル・ギブソン、ゲイリー・オールドマンら幾多のハリウッドスターの声を受け持ってきた大ベテラン。『マッドマックス』、『マッドマックス2』、『マッドマックス/サンダードーム』 ほか。 ■安原義人さんプロフィール1949年兵庫県生まれ。1969年テアトル・エコーに入団した後、舞台に多数出演。主な出演作に『表裏源内蛙合戦』、『ら抜きの殺意』、『おかしな二人』などがある。ほどなく海外ドラマやアニメのアフレコにも出演し始め、主な作品としてはゲイリー・オールドマン『レオン』 、 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 、ケヴィン・ベーコン『アポロ13』 、リチャード・ギア『プリティ・ブライド』などがある。その他ロビン・ウィリアムズやミッキー・ロークなどもあり、メル・ギブソンの「マッド・マックス」シリーズでは、1982年の日本テレビ版の後、2015年のBlu-ray版で1~3を新録した。最近ではドラマシリーズ『ベター・コール・ソウル』のソウル役(ボブ・オデンカーク)、また主なアニメ出演作として『キャッツ・アイ』(内海俊夫)や『パーマン』(バードマン)『るろうに剣心』(蒼紫)などがある。 ■ヒロインのフュリオサ(シャーリーズ・セロン)は本田貴子さん! シャーリーズ・セロンをはじめ、ハル・ベリー、ヒラリー・スワンク、ミラ・ジョヴォヴィッチの代表作に数多く出演。『(吹)プロメテウス[ザ・シネマ新録版]』、『アトミック・ブロンド』、『タリーと私の秘密の時間』 ほか。 ■本田貴子さんプロフィール8月14日生まれ。東京都出身。主な吹き替え担当女優:シャーリーズ・セロン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ハル・ベリー、ヒラリー・スワンク主な出演作:『オーシャンズ8』(デビー・オーシャン)/「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(エオウィン)/「バイオハザード」シリーズ(アリス)/「X-MEN」シリーズ(オロロ・マンロー/ストーム)/『ブラインドスポット タトゥーの女』(ジェーン・ドウ)/『S.W.A.T.』(ジェシカ・コルテス)/『ゲーム・オブ・スローンズ』 (サーセイ・ラニスター)/『LUCIFER/ルシファー』(シャーロット) ■番組情報『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 [R15+] 暴力と狂気に支配された終末世界──「マッドマックス」シリーズ最新作 <解説>シリーズの創始者ジョージ・ミラー監督が、キャラクターから改造車まですべての要素をマッドに具現化し、アカデミー賞で6部門を受賞。女戦士フュリオサにスキンヘッドで扮するシャーリーズ・セロンも圧巻。 2015年 / オーストラリア / 120分 / アクション ・ SF 番組を視聴するにはこちら
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PROGRAM/放送作品
殺人の疑惑
15年前の少年誘拐殺人事件の真犯人は自分の父親だった?韓国三大未解決事件の真相に迫る衝撃サスペンス
韓国で実際に起きた三大未解決事件の一つをモチーフに、父親を誘拐殺人事件の犯人と疑う女性の苦悩を描くサスペンス。善良な父親の知られざる一面が明らかになるにつれ変化していく印象をキム・ガプスが怪演。
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COLUMN/コラム2019.02.22
アニメと実写を融合させた愉快なブラックなファンタジー・コメディ!!
今回の映画は『モンキーボーン』、これはほとんど忘れられている映画ですけど、僕は今でも大傑作だと思っています。監督はヘンリー・セリック。この人はティム・バートンの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の監督として有名なストップモーション・アニメーターです。表情やポーズが違う人形を1コマずつ撮影していく大変なアートです。そのセリックが初めて手掛けた実写長編映画がこの『モンキーボーン』です。 主人公はブレンダン・フレイザー扮する漫画家。彼の作品『モンキーボーン』がT Vでアニメ化されるんですけど、彼自身は事故で昏睡状態になってしまいます。病院で眠っている彼の意識は自分の無意識下に堕ちて、生と死の間にある“ダークタウン”という街にたどり着きます。彼は自分が描いた漫画のキャラクター、モンキーボーンに出会います。するとモンキーボーンが主人公の体を乗っ取って、主人公の可愛い婚約者ブリジット・フォンダと結婚しようとします。で、主人公はなんとかダークタウンから脱出して、モンキーボーンの野望を阻止しようとする、というコメディです。面白そうでしょ? この映画でまずすごいのは、ダークタウンの世界観なんですよ。ヘンリー・セリックのものすごいイマジネーションが爆発してます。ダークタウンに住んでいるキャラクターは皆、神話上の人たちばかりです。ミノタウロスがいたりとか、サテュロスがいたりとか。ヒプノスという名前で夢の神様として出てくるんですけど、あれは明らかにサテュロス。パン神とも言われている神話上の存在ですね。一つ目のサイクロップスもいます。そういった神話上の者たちが、しかもピカソの絵のようなキュビズムで描かれているという、このへんがヘンリー・セリック独特の、なんだかわけがわからない悪夢のような世界になっていて、本当に素晴らしいんです。 それに心理学的なテーマが面白いですね。モンキーボーンというキャラは欲望むき出しのスケベ猿で、その名前はスラングでペニスのことなんです。主人公は婚約者に手も出さない大人しい男なんですが、彼の心の奥に抑圧した欲望をキャラにしたら漫画が人気になるんだけど、そのキャラに作者が乗っ取られてしまうので、作者自身も野生を発揮して戦わざるを得なくなるという、深い話です。映画の冒頭で主人公が漫画を描いているシーンのクロースアップの手はヘンリー・セリック自身の手なんです。だから、監督自身も主人公に反映されているわけです。 そしてクライマックスのチェイス。これが実に悪趣味で、今観てもめちゃくちゃ面白い。 あと、ダークタウンに猫娘がいて、最近はハーヴェイ・ワインスタインにレイプされたことを告白して話題になったローズ・マッゴーワンが演じてるんですが、これが古今東西のあらゆる猫娘のなかでダントツに可愛いのも注目です!『モンキーボーン』、ぜひご覧ください!■ (談/町山智浩) MORE★INFO. 当初はコミック・ブック「Dark Town」(ストーリー:カジャ・ブラックリー、イラスト:バネッサ・チョン)の映画化として始まったが、原作のダークなイメージに近い当初のキャスティングはステュ役にニコラス・ケイジ、デス役はクリストファー・ウォーケンが考えられていた。 映画ではジョン・タートゥーロが演じたモンキーボーンの声は当初ベン・スティラーの予定だったが、彼が『ミステリー・メン』(99年)への出演が決まって断念された。 監督によればタイトル・シークエンスは左手で書いたのだという。 © 2001 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.