ルイ・ペルゴーの小説「ボタン戦争」を原作にした1961年のフランス映画。インターネットもケータイもTVゲームもなかった頃のケンカを描く、子供抗争映画の名作。演技経験ゼロの子供たちが元気いっぱいに暴れまわる、フランス版「あばれはっちゃく」とも言える作品です。見ているうちに、自然と自分の子供時代に戻って、いつの間にか彼らの一員になっています。また、劇中の子供たちはフランス憲法を理解し、全てにおいて平等の精神で描かれているところも注目です。

「フニャチン」「〇〇はケツの穴」といった大人になって決して口にしなくなったことを叫び、全員まっ裸で戦ったり、秘密基地を作ったり、男子たるもの子供の頃、絶対にやりたかった、やっていたことを満載に描いた映画です。さらに映画の中では、両津勘吉バリに子供たちだけで商売をはじめ、軍資金をつくって必要な備品を揃える始末(逞しすぎ!)。そして色々見つかって、当然、親たちにめっちゃ怒られます(笑)。40歳以上の男子は是非見てほしい1本。見た後は、思わず竹馬の友に連絡したくなりますよ!

余談ですが、本作は1995年に『草原とボタン』のタイトルでリメイク。さらに、劇中で「来るんじゃなかった」が口癖の小さな男の子を演じたアントワーヌ・ラルチーグは、愛くるしい笑顔で本作公開後に人気者となり、彼が主演の映画『わんぱく旋風』が作られました。

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