ハードボイルド小説の代名詞、レイモンド・チャンドラー原作の傑作ミステリーの映画化作品。主人公のフィリップ・マーロウを演じるのは、ロバート・ミッチャム。マーロウと言えば、ボギーことハンフリー・ボガートが有名ですが、この作品でミッチャムが作り出したマーロウ像はそのちょっとくたびれた感が、映画のけだるい、ミステリアスな雰囲気にマッチして魅力的です。でも、ハードボイルド映画には欠かせないファム・ファタール(悪女=運命の女)役のシャーロット・ランプリングの魅力がこの映画が大ヒットした最大の理由かもしれません。彼女の、殺人光線のような妖しい眼差しにはたぶん、どんな男性もあらがえないでしょう。彼女に秒殺されて、転落していく、ひどい目に合う哀れな男性キャストたちに同情しきりです。だまされるのもしょうがないと思わせる女性の魅力。久しぶりに見ましたが、こんな女優さんは他には思い当たらない。また、彼女が着ているファッションがとてもステキなんです。1940年代のヴィンテージなんですが、クラシカルなんだけど、華があってセクシーで。こんな洋服は自分では着られないけど、憧れます。この映画では、こういったファッションや美術セットがとても凝っていて1940年代の空気を見事に再現していますが、大物プロデューサー「アルマゲドン]や「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジェリー・ブラッカイマーが若き日に手がけていたことも今回クレジットで知りました。チョット彼の株があがりました。

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