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COLUMN/コラム2025.12.12
『アビス』再考 — 技術と『アバター』に接続するキャメロン的哲学を探る
◆デジタル表現の起点と、その功績 1989年に公開された『アビス』は、映画技術史における革命として評価を得ている。『ジュラシック・パーク』(1993)や『トイ・ストーリー』(1995)がデジタル技術の飛躍点として語り継がれているいっぽう、そのベースをつくったのは『アビス』と断じて相違ない。なかでも液体形状を自在に変えることのできる“ウォーター・テンタクル”のショットは、当時としては信じがたいほど高度なCG表現であり、ILMが実写とデジタルをいかに融合させるかという課題に本格的に挑んだ瞬間でもあった。この表現は後の『ターミネーター2』(1991)のT-1000へと進化し、やがてハリウッドのビジュアル文化を根底から変えていく。 しかし技術革新はCGだけにとどまらない。作品制作のために建造された巨大水槽は、俳優たちを事実上、水中生活させるほど徹底しており、監督ジェームズ・キャメロンの掲げた「現場におけるリアルの追求」が極限の形で現れている。俳優たちはヘルメット越しに呼吸しながら、視界が制限され、光が散乱し、暗闇が支配する水中での演技を強いられた。その結果として生まれた映像は、セット撮影では得られない重層的なテクスチャを備えている。深海の圧迫感や浮遊粒子の微細な揺らぎは、VFXだけではとうてい補うことのできない、身体性のあるプラクティカルな臨場感をもたらしたのだ。 さらに特筆すべきは、キャメロンが技術のための技術ではなく、物語に奉仕する技術という姿勢を徹底させている点だ。高圧環境に酸素残量の減少、狭い潜水艇や暗闇、そして未知との遭遇といったシチュエーションは、いずれも緊張そのものが観客の感覚に直結する仕掛けとして設計されている。科学技術の描写も精密だが、キャラクターたちが置かれた極限状況を観客が“体験”できるように設計されているのだ。 こうして見ると『アビス』は2020年代の今日でも驚くほど古びていない。キャメロンが2022年に発表した『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』における最新の水中でのモーションキャプチャー技術は、『アビス』が築いた“水の映画作り”という礎石の延長線上にある。キャメロンにとって水はテーマ以上に、創作上不可欠な試練の舞台であり、物事の限界を拡大していくための実験場でもある。 そして何よりも本作は、映画技術がアナログからデジタルへと移行する過渡期に立ち会い、その流れを方向づけた作品である。キャメロンが後に生み出す『タイタニック』(1997)や『アバター』(2009)の圧倒的リアリティと普遍的なラブロマンスは、まさに本作によって開けた深海の扉から始まったのだ。 ◆深海が映し出す人間ドラマとテーマ 前述したように『アビス』は技術革新の映画として語られるが、その本質はあくまで人間ドラマにある。深海という閉鎖空間は、キャラクターの内面を物理的に圧縮し、矛盾・葛藤・恐怖をむき出しにする装置として機能している。こうした極限状況のドラマ運用はキャメロンの十八番だが、本作はその最初期にしてひときわ完成度が高い。一見すると軍事スリラーやSFとして構築されているが、物語の軸には「人間は恐怖の中でどう変容し、どう繋がり直すのか」という普遍的なテーマが置かれている。 特にバド(エド・ハリス)とリンジー(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)の関係性は、本作が他のSF作品と差別化される最大の要素だ。離婚間近で互いの信頼が揺らぐ中、二人は深海という極限環境で再び向き合わされる。相手に酸素を託す、冷水の中で心肺機能が停止した体を必死に蘇生する。これらの場面はサスペンス以上に、感情の再接続として機能している。深海の暗闇に反射するヘルメットライトが二人の表情を照らし出すたびに、互いへの感情がわずかに動き出す。その丁寧な積み上げは『タイタニック』や『アバター』に通じる、身体的な愛の描写の原型だ。 いっぽうで、物語の外側には冷戦末期の国際情勢が影を落としている。潜水艇内にある核弾頭をめぐる緊張、軍人たちの誤認と暴走、見えない敵への疑心は、いずれも1980年代後半の社会不安そのものだ。未知の知性体(NTI)へ向けられる恐怖と敵意は、人類が他者を理解する前に攻撃してしまう心理を象徴している。キャメロンはこの構図を単なる政治寓話とせず、未知を恐れることで自ら破滅へ向かうという人類の宿痾として描いている。これは後の『アバター』で全面化するテーマでもある。 深海という舞台そのものも非常に象徴的だ。光の届かない領域は潜在意識の暗部のように、キャラクターたちの恐れと欲望を増幅させる。圧力や孤立、静寂や時間感覚の喪失。こうした深海特有の要素がドラマを多層化し、観客に心理の深層を可視化させる。バドが深海へ単身降りていくクライマックスは、まさに自分自身の深淵と向き合う儀式的な瞬間だ。 『アビス』が今見ても強い共感性と緊張を持つのは、海洋SFという以上に、人間の物語として設計されているからだろう。深海の暗闇に浮かび上がる人間の感情のきらめき。それこそが本作の永続的な魅力なのだ。 ◆『アバター』経由後のキャメロン的哲学の核心 シリーズ最新作『アバター:ファイアー・アンド・アッシュ』の公開となった現在、『アビス』を観直すことには特別な意味がある。それはキャメロンの作家的関心がどのように発達し、どのように連続し、どこへ到達しつつあるのかを、最も鮮明に示してくれる基点が本作だからだ。深海の知性体と人類の邂逅という構図は、異種族同士の交流を描く『アバター』世界の原型であり、環境的存在と人類との調停というキャメロンの思想は、すでに本作で明確な形となってあらわれている。 まず注目するべきは、キャメロンの一貫した「環境との対話」というテーマだ。『アビス』に登場する未知の知性体(NTI)は、人類を敵視する存在ではなく、自然の代弁者として描かれる。彼らが作中で示す驚異的な力は、破壊ではなく警告であり、地上の核兵器に象徴される人類の自己破壊性を、鏡のように映し出す役割を担っている。これは『アバター』シリーズにおけるエイワの概念、つまり自然と生命の調和を象徴する統合的な意識の前身とも言える。 またキャメロン作品には常に「下降」のモチーフがある。『ターミネーター』の未来戦争の残骸、『エイリアン2』の巣窟、『タイタニック』の沈没船、そして『アバター』における精神的な深層への潜行など、どれも主人公が不可知な試練へと降りていくシチュエーションだ。『アビス』でバドが深海へ単身降りていくシーンは、キャメロンのこの美学が初めて正面から描かれた瞬間といえる。降下は死の象徴であると同時に再生の出発点であり、主人公が“自分を越える”ための通過儀礼でもある。バドは物理的な死を覚悟しながらも、他者への信頼と愛ゆえに深海へ進む。この構図は、キャメロンが後の作品でも繰り返す“自己犠牲による進化”という主題の中心に位置する。 物語構造にもキャメロン的特徴は色濃い。対立から協力へ、恐怖から理解へ、そして孤立から再接続へ。この流れは『ターミネーター2』から『タイタニック』、そして『アバター』と続くキャメロンの語りの根幹である。『アビス』はその最初の実験場でありながら、すでに驚くほど成熟した形でこの物語構造を達成している。特に、クライマックスで示される「人類への警告と赦し」という構図は、キャメロン作品の中でも最もストレートな希望表現であり、これが作品独自の余韻を生んでいる。 そして何より本作を再評価することは、キャメロンが描こうとする「人類の未来像」を理解するうえで不可欠だ。監督が不断に追い求めるのは、人間中心主義を越えた存在のあり方であり、その視座は深海の底からパンドラの世界へと連続している。水や光、未知との対話、環境との調停etc。これらはすべてキャメロン作品を貫くキーワードであり、そのすべてが『アビス』に集約されている。 こうして振り返ると『アビス』は、キャメロン映画世界の最初の震源地であり、後の巨大スケールの作品群を理解するうえで必読なテキストと言える。『アバター』を起点とするキャメロンの表現世界を解読するための鍵は、実は本作の、深海の底に沈んでいるのだ。■ 『アビス』(C) 1989 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2025.12.04
孤独な現代人へのメッセージも込められた古典的名作の見事なアップデート『LIFE!/ライフ』
原作小説を大胆に翻案した’47年版 1939年に雑誌「ザ・ニューヨーカー」に掲載された作家ジェームズ・サーバーの小説「ウォルター・ミティの秘密の生活」。平凡な日常生活を淡々と送る平凡で冴えない男性ウォルター・ミティが、毎週恒例である妻の美容院と買い物に付き合って出かけたところ、その道すがら自らの英雄的な活躍を妄想した5つの白日夢を見る。ある時は猛烈な嵐に立ち向かう海軍飛行艇のパイロット、ある時は困難な手術を華麗にこなす天才的な外科医、そしてある時は命がけの秘密工作に挑む英国軍兵士。そこから浮かび上がるのは、地味で控えめで温厚なため周囲から過小評価され、かといって大胆な行動を取るような勇気も度胸もなく、白日夢という束の間の現実逃避に救いを見出すしかない凡人の姿である。 恐らく、世の中に彼のような夢想家は決して少なくないはず。むしろ、誰しも心の中に「小さなウォルター・ミティ」を抱えているのではないだろうか。そんな普遍的ストーリーが多くの読者の共感を呼んだのか、たったの2ページ半にしか過ぎない短編小説「ウォルター・ミティの秘密の生活」は大変な評判となり、これまでに2度もハリウッドで映画化されている。それが当時の日本人からも熱愛された喜劇王ダニー・ケイの主演作『虹を掴む男』(’47)と、ベン・スティラーが監督と主演を兼ねた本作『LIFE!/ライフ』(’13)である。 まずは最初の映画化である『虹を掴む男』について振り返ってみよう。ダニー・ケイ扮するウォルター・ミティは、ニューヨークの出版社に勤務するしがないサラリーマン。パルプ小説雑誌の編集部で真面目に働くウォルターだが、しかし過干渉で口うるさい母親には小言ばかり言われ、自己中な社長には自分の企画やアイディアを片っ端から盗まれ、我儘な婚約者とその母親には都合よくこき使われ、幼馴染のガキ大将にはいまだ小バカにされている。日頃からウォルターの尊厳を土足で踏みつけておきながら、しかしその自覚が全くない周囲の人々。なぜなら、気が弱くてお人好しなウォルターが怒りもしなければ反論もせず、それどころか自分を卑下して相手に従ってしまうため、むしろ彼らは無能で頼りないウォルターを自分たちが助けてやっている、親切にしてあげていると勘違いしているのだ。 いつも周囲から軽んじられ不満を溜めたウォルター。そんな彼にとって唯一のストレス解消が「白日夢」である。ある時は大海原の激流に立ち向かう勇敢な船長、ある時は患者の病気だけでなく医療機器の不具合まで直してしまう天才外科医、ある時は詐欺師どもをコテンパンにやっつける西部の天才ギャンブラーなど、まるで自分が編集しているパルプ雑誌の小説に出てくるような無敵のヒーローになってブロンド美女を救う様子を夢想するウォルター。そんなある日、通勤列車の中で白日夢に出てくる美女と瓜二つの女性ロザリンド(ヴァージニア・メイヨ)と出くわした彼は、やがて行方不明になったオランダ王室の秘宝を巡る陰謀事件へと巻き込まれ、愛するロザリンドを救うため暗殺者の執拗な追跡をかわしながら、秘宝の隠し場所を記した黒い手帳を探して大冒険を繰り広げていく。 ヒーロー願望を抱えた地味で目立たない夢想家の凡人という主人公ウォルターの基本設定を踏襲しつつ、原作とは似ても似つかないストーリーに仕上がった『虹を掴む男』。アクションありサスペンスありロマンスあり、さらにはミュージカルにファンタジーにドタバタ・コメディもありという大盤振る舞い。この大胆すぎる脚色は製作を手掛けた大物プロデューサー、サミュエル・ゴールドウィンの意向を汲んだものだったとされる。怒り心頭の原作者サーバーからは猛抗議を食らったそうだが、しかしテクニカラーの鮮やかな色彩で描かれる愉快で賑やかな大冒険は、これぞまさしく古き良きハリウッド・エンターテインメントの醍醐味。臆病者で気の弱いウォルターが、奇想天外な事件に巻き込まれて右往左往する中で意外にも英雄的な力を発揮し、数々の困難を乗り越えることで自信をつけていくという負け犬の成長譚を通して、勇気をもって一歩踏み出せば誰だってヒーローになれる!という前向きなメッセージを込めた筋書きも実に後味が良い。名作と呼ばれるに相応しい映画と言えよう。 21世紀の現代版は原作小説よりもその映画版に近い? そんなウォルター・ミティの物語を再び映画化すべく動き出したのが、『虹を掴む男』のプロデューサーだったサミュエル・ゴールドウィンの息子サミュエル・ゴールドウィン・ジュニア。企画自体は’94年頃からあったらしく、当初はウォルター役にジム・キャリー、監督はロン・ハワードという顔合せだったという。しかしプロデューサー陣の満足するような脚本がなかなか出来ず、業界用語で開発地獄(Development Hell)と呼ばれる長期間の難産状態に陥ってしまった。 ようやくスティーヴン・コンラッドの書いた脚本でゴーサインの出たのが’10年のこと。企画立ち上げから実に15年以上が経っていた。その間に映画会社重役からプロデューサーに転身したゴールドウィン・ジュニアの息子ジョン・ゴールドウィン(つまりサミュエル・ゴールドウィンの孫)が製作陣に加わり、オーウェン・ウィルソンやマイク・マイヤーズ、サシャ・バロン・コーエンなどがウォルター役の候補に挙がっては消え、スティーヴン・スピルバーグやチャック・ラッセル、マーク・ウォーターズなどが監督候補として企画に関わったが、しかし最終的にベン・スティラーが主演と監督を兼ねることで落ち着く。こうして作られたのが本作『LIFE!/ライフ』だったのである。 ◆『LIFE!/ライフ』撮影中のベン・スティラー(中央) 今回の主人公ウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、世界的に有名な老舗フォトグラフ誌「ライフ」の写真管理責任者。仕事に関しては真面目で有能な完璧主義のプロフェッショナルだが、その一方で性格は几帳面かつ保守的で冒険や変化を好まず、それゆえ職場でも地味で目立たない存在だ。1ヶ月前に入社したシングル・マザー女性シェリル(クリスティン・ウィグ)に淡い恋心を抱いているが、しかし一緒の職場に居ながら話しかける勇気さえない。毎日同じことを繰り返す平凡で退屈な人生。かつてはモヒカン刈りでスケボーが大好きな腕白少年だったが、早くに父親と死別したことから母親(シャーリー・マクレーン)を支えるため働き続け、そのため外の世界を見に行くような余裕すら持てなかった。なので、シェリルと接点を持ちたいと考えて入会した出会い系サイトでも、プロフィールに書けるようなエピソードは全くなし。そんなウォルターにとって唯一の現実逃避は、勇敢なヒーローとなって大活躍する自分の姿を思い描くこと。空想の中だけでは理想の自分になれるのだ。 そんな折に「ライフ」誌の休刊が発表され、オンラインへの移行に伴って大掛かりな人員整理が行われることとなる。事業再編のため外部から送り込まれた新たなボス、テッド(アダム・スコット)は、「ライフ」誌の果たしてきた役割もその文化的な価値も全く理解していない杓子定規なビジネスマン。誰がクビを切られてもおかしくない。社員一同が戦々恐々とする中で進められる最終号の準備。その表紙を飾る写真を担当するのは、「ライフ」誌の看板フォトジャーナリストである冒険家ショーン・オコンネル(ショーン・ペン)である。ウォルターのもとにはショーンから大量の写真ネガと、ウォルターの長年の堅実な働きぶりに対する感謝の手紙、そしてささやかな贈り物として革財布が届けられるのだが、しかし最終号の表紙に使うよう指示された25番のネガだけがどこにも見当たらなかった。 いったい肝心の25番はどこにあるのか?テッドからは真っ先に表紙写真を見せるように催促されているウォルター。とにかく、ショーンと連絡を取ってネガの行方を突き止めなくてはならないが、しかし写真撮影のため世界中を飛び回っている彼の居場所を掴むのは至難の業。想いを寄せるシェリルから外の世界へ一歩踏み出すよう背中を押されたウォルターは、僅かな手がかりをもとにショーンを追いかけてグリーンランドからアイスランド、アフガニスタンへと渡り、ヘリから北海へジャンプしてサメと格闘したり、火山の大噴火から決死の脱出を試みたりと、ちょっとあり得ないような大冒険を繰り広げていくことになる。 『虹を掴む男』と同じく、ジェームズ・サーバーの原作とは大きく異なる内容となったベン・スティラーの『LIFE!/ライフ』。むしろ、アクションやサスペンスをふんだんに盛り込んだ娯楽性の高さや、主人公ウォルターが実際に平凡な日常を飛び出して奇想天外な冒険を繰り広げ、その数奇な体験を通して逞しい人間へと成長するという展開は、どちらかというと『虹を掴む男』のストーリーに近いと言えよう。ウォルターの職場が出版社というのも同じ。そういう意味で、本作は短編小説「ウォルター・ミティの秘密の生活」の2度目の映画化というより、『虹を掴む男』のリメイクと呼ぶ方が相応しいかもしれない。 全体を通して21世紀の世相を巧いこと取り込んだ脚本だと思うが、中でも特に良かったのがウォルターの勤務先を「ライフ」誌という実在の雑誌編集部に設定したことであろう。インターネットの普及に伴う出版不況によって、’07年に惜しまれつつ休刊した老舗のフォトグラフ雑誌「ライフ」。そこで屋根の下の力持ちとも言うべき写真管理を任され、たとえ目立つことのない地味な仕事であっても、コツコツと真面目に職務をこなしてきたウォルター。これは、臆病で控えめで自己肯定感の低い平凡な男性が、自分の殻を打ち破って自尊心を取り戻す物語であると同時に、テクノロジーの目覚ましい発達によって何もかもが合理化され、急速に変化する社会で上手く立ち回った人間ばかりが得をする現代にあって、ウォルターのように不器用でも目立たない存在でも、勤勉で慎ましくて思いやりのある誠実な人間こそが真のヒーローと呼べるのではないか?と見る者に問いかける。つまり、この社会を構成する我々ひとりひとりが既にヒーローなのだ。それを象徴するのが、最終号の表紙を飾るショーンの撮った写真。このように同時代の世相を通して人間の有り様を考察する視点の面白さと奥深さこそが、本作と『虹を掴む男』の最も大きな違いと言えよう。 加えて、劇中で何度も登場する「ライフ」誌のスローガンにも要注目。「世界を見よう、危険でも立ち向かおう、壁の裏側をのぞこう、もっと近づこう、お互いを知ろう、そして感じよう、それが人生(ライフ)の目的だから」。これは、今までの人生で一度も遠くへ行ったことがなかった、冒険をしたことがなかった、他者と深くつながったことのなかった主人公ウォルターへのメッセージであると同時に、インターネットの発達によって人間同士の関係性が希薄になった21世紀の現代に生きる人々全てへ向けたメッセージでもある。そうやって考えると、90年近く前に書かれた小説、80年以上前に作られたその映画版をベースにしつつ、見事なくらいに現代性を纏った作品と言えるだろう。実に良く出来た古典のアップデートである。 もちろん、最先端のCG技術をフル稼働して描かれるウォルターの奇想天外な白日夢も大きな見どころ。アナログゆえ映像表現に限界のあった『虹を掴む男』の空想シーンと違って、デジタルを駆使した本作のそれには限界が全くない。文字通り何でもアリの異世界アドベンチャーが縦横無尽に展開する。また、映画の冒頭は無機質で整然としたモノトーンの映像で統一され、カメラもほとんど動くことがないのだが、しかしウォルターが外の世界へ踏み出すと同時にカメラも大胆に動き始め、色彩も次第に豊かとなっていく。この主人公の心理的な変化に合わせた演出スタイルの使い分けも面白く、その細部まで計算されたベン・スティラー監督の洗練された映像技法にも感心する。劇場公開時には批評家から高く評価され、興行的にも大成功を収めた本作だが、しかしアカデミー賞など賞レースで殆ど無視されてしまったのは惜しまれる。■ 『LIFE!/ライフ』© 2013 Twentieth Century Fox Film Corporation and TSG Entertainment Finance LLC. All rights reserved.
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NEWS/ニュース2025.12.01
【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP《シリーズ一挙&人気作イッキ見SP 20人のスター ~ ハリウッドからアジアまで》
【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP:4つのテーマで選ぶ20人のスター 2005年12月1日に誕生した洋画専門チャンネルザ・シネマは、洋画ファンの熱い思いに支えられ開局20周年を迎えました。日頃のご愛顧に感謝して、2025年11月から2026年3月まで、「20」をキーワードにしたスペシャル編成や感謝プレゼント企画など様々な“開局20周年企画”をお届けしてまいります! 12/27(土)~1/4(日)の年末年始SPでは、《シリーズ一挙&人気作イッキ見SP》《『ワイルド・スピード』シリーズ一挙SP》《レトロ・ハリウッドSP》《西部劇SP》の4つのテーマで、“20人のスター”を切り口にお届けします! 《シリーズ一挙&人気作イッキ見SP 20人のスター ~ ハリウッドからアジアまで》 ①ジェラルド・バトラー 『カンダハル 突破せよ』© 2022 COLLEAH PRODUCTIONS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED. 12/27(土)『カンダハル 突破せよ』字幕:12月27日(土) 12:25 - 14:35 吹替:12月31日(水) 16:45 - 19:00https://www.thecinema.jp/program/07091 12/27(土)『エンド・オブ・ホワイトハウス』シリーズ3作14:35『エンド・オブ・ホワイトハウス』16:50『エンド・オブ・キングダム』18:45『エンド・オブ・ステイツ』https://www.thecinema.jp/tag/627 ②ニコラス・ケイジ 『ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記』©Disney Enterprises, Inc. All rights reserved. 12/27(土)『ナショナル・トレジャー』 字幕:2025年12月27日(土) 21:00 - 23:30吹替:2026年01月02日(金) 09:05 - 11:30字幕:2026年01月02日(金) 21:00 - 23:35https://www.thecinema.jp/program/01162 12/27(土)『ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記』字幕:2025年12月27日(土) 23:30 - 深夜 01:50吹替:2026年01月02日(金) 11:30 - 13:50字幕:2026年01月02日(金) 23:35 - 深夜 02:00https://www.thecinema.jp/program/01163 12/29(月)『ザ・ロック』吹替:2025年12月29日(月) 12:20 - 14:50字幕:2025年12月29日(月) 21:00 - 23:30https://www.thecinema.jp/program/01678 12/30(火)『コン・エアー』字幕:2025年12月30日(火) 12:10 - 14:20https://www.thecinema.jp/program/01860 ③アンディ・ラウ 『暗戦 デッドエンド【ニュー2Kリマスター版】』© 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved. 12/27(土)『暗戦 デッドエンド【ニュー2Kリマスター版】』字幕:2025年12月27日(土) 深夜 01:50 - 03:40 https://www.thecinema.jp/program/07036 ④ブルース・ウィリス 『RED/レッド』© 2010 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. 12/28(日)『RED/レッド』吹替:2025年12月28日(日) 10:55 - 13:00字幕:2025年12月28日(日) 21:00 - 23:05https://www.thecinema.jp/program/06418 12/28(日)『REDリターンズ』吹替:2025年12月28日(日) 13:00 - 15:05字幕:2025年12月28日(日) 23:05 - 深夜 01:10https://www.thecinema.jp/program/06441 ⑤リーアム・ニーソン 『バッド・デイ・ドライブ』© 2022 STUDIOCANAL SAS – TF1 FILMS PRODUCTION SAS, ALL RIGHTS RESERVED. 12/28(日)『バッド・デイ・ドライブ』字幕:2025年12月28日(日) 15:05 - 16:50https://www.thecinema.jp/program/07120 12/28(日)『マークスマン』字幕:2025年12月28日(日) 16:50 - 18:50https://www.thecinema.jp/program/07127 ⑥ジェイソン・ステイサム 『オペレーション・フォーチュン』© 2023 MIRAMAX DISTRIBUTION SERVICES, LLC. ALL RIGHTS RESERVED. ALL MOTION PICTURE ARTWORK © 2023 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED 12/28(日)『オペレーション・フォーチュン』字幕:2025年12月28日(日) 18:50 - 21:00吹替:2026年01月02日(金) 13:50 - 16:00https://www.thecinema.jp/program/07141 ⑦ドウェイン・ジョンソン 『スコーピオン・キング』© 2002 KALIMA Productions GmbH & Co. KG. All Rights Reserved. 12/29(月)『スコーピオン・キング』字幕:2025年12月29日(月) 23:30 - 深夜 01:10https://www.thecinema.jp/program/01022 ⑧レア・セドゥ 『潜水艦クルスクの生存者たち』© 2018 EUROPACORP 12/30(火)『潜水艦クルスクの生存者たち』字幕:2025年12月30日(火) 16:50 - 19:00https://www.thecinema.jp/program/07105 ⑨マ・ドンソク 『犯罪都市(2017)』(C)2017 KIWI MEDIA GROUP & VANTAGE E&M. ALL RIGHTS RESERVED 12/30(火)『犯罪都市』シリーズ4作21:00『犯罪都市(2017)』23:20『犯罪都市 THE ROUNDUP』25:25『犯罪都市 NO WAY OUT』27:25『犯罪都市 PUNISHMENT』https://www.thecinema.jp/tag/687 1/2(金)『悪人伝』字幕:2026年01月02日(金) 深夜 04:00 - 06:00https://www.thecinema.jp/program/07004 ⑩スカーレット・ヨハンソン 『LUCY/ルーシー』© 2014 EUROPACORP-TF1 FILMS PRODUCTION - GRIVE PRODUCTIONS. All Rights Reserved. 12/31(水)『LUCY/ルーシー』字幕:2025年12月31日(水) 13:05 - 14:45字幕:2025年12月31日(水) 21:00 - 22:45https://www.thecinema.jp/program/04136 ⑪エミリー・ブラント 『ボーダーライン(2015)』©2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. 12/31(水)『ボーダーライン(2015)』字幕:2025年12月31日(水) 深夜 01:25 - 03:45https://www.thecinema.jp/program/05490 1/1(木)『オール・ユー・ニード・イズ・キル』字幕:2026年01月01日(木) 14:35 - 16:40https://www.thecinema.jp/program/04478 ⑫トム・クルーズ 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』© 2014 Warner Bros. Entertainment Inc., WV Films IV LLC and Ratpac-Dune Entertainment LLC 1/1(木)『オール・ユー・ニード・イズ・キル』字幕:2026年01月01日(木) 14:35 - 16:40https://www.thecinema.jp/program/04478 ⑬ジョニー・デップ 『パブリック・エネミーズ』© 2009 Universal Studios. All Rights Reserved. 1/1(木)『パブリック・エネミーズ』字幕:2026年01月01日(木) 深夜 03:25 - 06:00 https://www.thecinema.jp/program/01772 ⑭マイケル・ジャクソン 『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』© 2009 The Michael Jackson Company, LLC. All Rights Reserved. 1/2(金)『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』字幕:2026年01月02日(金) 深夜 02:00 - 04:00https://www.thecinema.jp/program/04493 ⑮ジャッキー・チェン 『シャンハイ・ヌーン』© 2000 Buena Vista Pictures Distribution and Spyglass Entertainment Group, LP. 1/3(土)『シャンハイ・ヌーン』字幕:2026年01月03日(土) 11:35 - 13:45 https://www.thecinema.jp/program/00740 1/3(土)『シャンハイ・ナイト』字幕:2026年01月03日(土) 13:45 - 16:00 https://www.thecinema.jp/program/00739 ⑯ドニー・イェン 『シャクラ』© 2023 Wishart Interactive Entertainment Co., Ltd. All Rights Reserved 1/3(土)『シャクラ』字幕:2026年01月03日(土) 21:00 - 23:20https://www.thecinema.jp/program/07155 ⑰ワン・イーボー 『無名』Copyright 2023 (C) Bona Film Group Company Limited All Rights Reserved 1/3(土)『無名』字幕:2026年01月03日(土) 23:20 - 深夜 01:45 https://www.thecinema.jp/program/07076 ⑱キルステン・ダンスト 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』©2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved. 1/4(日)『シビル・ウォー アメリカ最後の日』字幕:2026年01月04日(日) 16:15 - 18:20https://www.thecinema.jp/program/07110 ⑲ミラ・ジョヴォヴィッチ 『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』©2011 Constantin Film Produktion GmbH, NEF Productions, S.A.S. and New Legacy Film Ltd. All rights reserved. 1/4(日)『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』字幕:2026年01月04日(日) 23:30 - 深夜 01:30https://www.thecinema.jp/program/02941 ⑳イドリス・エルバ『アラビアンナイト 三千年の願い』 『アラビアンナイト 三千年の願い』© 2022 KENNEDY MILLER MITCHELL TTYOL PTY LTD. 1/4(日)『アラビアンナイト 三千年の願い』字幕:2026年01月04日(日) 深夜 01:30 - 03:30https://www.thecinema.jp/program/07131 【ザ・シネマ開局20周年】 ⇩特設ページはこちら⇩https://www.thecinema.jp/special/3920th/ 【年末年始】【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP:4つのテーマで選ぶ20人のスター 12/27(土)~1/4(日) 作品一覧:https://www.thecinema.jp/tag/727 ↓各特設ページはこちら↓ 《シリーズ一挙&人気作イッキ見SP20人のスター ~ ハリウッドからアジアまで》※本ページ 《レトロ・ハリウッドSP若かった20人のスター》https://www.thecinema.jp/article/1453 《『ワイルド・スピード』シリーズ一挙SPワイスピ20人のスター》https://www.thecinema.jp/article/1452 《西部劇SP 西部劇20人のスター ~ ヒーローから職人まで》https://www.thecinema.jp/article/1454 映画ファン必見の情報をお届け!ザ・シネマ公式メールマガジン、20周年を記念して12/1より配信開始! ⇩ご登録はこちら⇩https://www.thecinema.jp/mail/
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NEWS/ニュース2025.12.01
【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP《『ワイルド・スピード』シリーズ一挙SP ワイスピ20人のスター》
【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP:4つのテーマで選ぶ20人のスター 2005年12月1日に誕生した洋画専門チャンネルザ・シネマは、洋画ファンの熱い思いに支えられ開局20周年を迎えました。日頃のご愛顧に感謝して、2025年11月から2026年3月まで、「20」をキーワードにしたスペシャル編成や感謝プレゼント企画など様々な“開局20周年企画”をお届けしてまいります! 12/27(土)~1/4(日)の年末年始SPでは、《シリーズ一挙&人気作イッキ見SP》《『ワイルド・スピード』シリーズ一挙SP》《レトロ・ハリウッドSP》《西部劇SP》の4つのテーマで、“20人のスター”を切り口にお届けします! 《『ワイルド・スピード』シリーズ一挙SP ワイスピ20人のスター》 12/29(月)~1/4(日)11作一挙放送※放送情報詳細はスター紹介後に記載 ① ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット) 『ワイルド・スピード【4Kレストア版】』© 2001 Universal Studios. All Rights Reserved. ② ポール・ウォーカー(ブライアン・オコナー) 『ワイルド・スピード【4Kレストア版】』© 2001 Universal Studios. All Rights Reserved. ③ ミシェル・ロドリゲス(レティ・オルティス) 『ワイルド・スピード MAX』© 2009 Universal Studios. All Rights Reserved. ④ ジョーダナ・ブリュースター(ミア・トレット) 『ワイルド・スピード MAX』© 2009 Universal Studios. All Rights Reserved. ⑤ タイリース・ギブソン(ローマン・ピアース) 『ワイルド・スピードX2【4Kレストア版】』© 2003 Universal Studios. All Rights Reserved. ⑥ エヴァ・メンデス(モニカ・フェンテス) 『ワイルド・スピードX2【4Kレストア版】』© 2003 Universal Studios. All Rights Reserved. ⑦ クリス・“リュダクリス”・ブリッジス(テズ・パーカー) 『ワイルド・スピードX2【4Kレストア版】』© 2003 Universal Studios. All Rights Reserved. ⑧ ルーカス・ブラック(ショーン・ボズウェル) 『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT【4Kレストア版】』 © 2006 Universal Pictures. All Rights Reserved. ⑨ サン・カン(ハン) 『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT【4Kレストア版】』 © 2006 Universal Pictures. All Rights Reserved. ⑩ ドウェイン・ジョンソン(ルーク・ホブス) 『ワイルド・スピード EURO MISSION』© 2013 Universal Studios. All Rights Reserved. ⑪ ガル・ガドット(ジゼル・ヤシャール) 『ワイルド・スピード MAX』© 2009 Universal Studios. All Rights Reserved. ⑫ ルーク・エヴァンズ(オーウェン・ショウ) 『ワイルド・スピード EURO MISSION』© 2013 Universal Studios. All Rights Reserved. ⑬ ジェイソン・ステイサム(デッカード・ショウ) 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』© 2023 Universal Studios. All Rights Reserved. ⑭ カート・ラッセル(ミスター・ノーバディ) 『ワイルド・スピード SKY MISSION』© 2015 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. ⑮ シャーリーズ・セロン(サイファー) 『ワイルド・スピード ICE BREAK』© 2017 Universal City Studios Productions LLLP. All Rights Reserved. ⑯ スコット・イーストウッド(リトル・ノーバディ) 『ワイルド・スピード ICE BREAK』© 2017 Universal City Studios Productions LLLP. All Rights Reserved. ⑰ ヘレン・ミレン(マグダレーン・ショウ) 『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』© 2020 Universal City Studios Productions LLLP. ALL RIGHTS RESERVED. ⑱ ジョン・シナ(ジェイコブ・トレット) 『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』© 2020 Universal City Studios Productions LLLP. ALL RIGHTS RESERVED. ⑲ ブリー・ラーソン(テス) 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』© 2023 Universal Studios. All Rights Reserved. ⑳ ジェイソン・モモア『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』© 2023 Universal Studios. All Rights Reserved. ワイルド・スピード 【4Kレストア版】12月29日(月)14:50~16:50 ワイルド・スピードX2 【4Kレストア版】12月30日(火)14:50~16:50 ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT 【4Kレストア版】12月31日(水)14:45~16:45 ワイルド・スピード MAX1月1日(木)16:40~18:40 ワイルド・スピード MEGA MAX1月1日(木)18:40~21:00 ワイルド・スピード EURO MISSION1月2日(金)16:00~18:25 ワイルド・スピード SKY MISSION1月2日(金)18:25~21:00 ワイルド・スピード ICE BREAK1月3日(土)16:00~18:30 ワイルド・スピード/スーパーコンボ ※スピンオフ1月3日(土)18:30~21:00 ワイルド・スピード/ジェットブレイク1月4日(日)18:20~21:00 ワイルド・スピード/ファイヤーブースト1月4日(日)21:00~23:30 【ザ・シネマ開局20周年】 ⇩特設ページはこちら⇩https://www.thecinema.jp/special/3920th/ 【年末年始】【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP:4つのテーマで選ぶ20人のスター 12/27(土)~1/4(日) 作品一覧:https://www.thecinema.jp/tag/727 ↓各特設ページはこちら↓ 《シリーズ一挙&人気作イッキ見SP20人のスター ~ ハリウッドからアジアまで》https://www.thecinema.jp/article/1451 《レトロ・ハリウッドSP若かった20人のスター》https://www.thecinema.jp/article/1453 《『ワイルド・スピード』シリーズ一挙SPワイスピ20人のスター》※本ページ 《西部劇SP 西部劇20人のスター ~ ヒーローから職人まで》https://www.thecinema.jp/article/1454 映画ファン必見の情報をお届け!ザ・シネマ公式メールマガジン、20周年を記念して12/1より配信開始! ⇩ご登録はこちら⇩https://www.thecinema.jp/mail/
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NEWS/ニュース2025.12.01
【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP《レトロ・ハリウッドSP 若かった20人のスター》
【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP:4つのテーマで選ぶ20人のスター 2005年12月1日に誕生した洋画専門チャンネルザ・シネマは、洋画ファンの熱い思いに支えられ開局20周年を迎えました。日頃のご愛顧に感謝して、2025年11月から2026年3月まで、「20」をキーワードにしたスペシャル編成や感謝プレゼント企画など様々な“開局20周年企画”をお届けしてまいります! 12/27(土)~1/4(日)の年末年始SPでは、《シリーズ一挙&人気作イッキ見SP》《『ワイルド・スピード』シリーズ一挙SP》《レトロ・ハリウッドSP》《西部劇SP》の4つのテーマで、“20人のスター”を切り口にお届けします! 《レトロ・ハリウッドSP 若かった20人のスター》 ① アル・パチーノ 『スカーフェイス』© 1983 Universal Studios. All Rights Reserved. 12/27(土)『スカーフェイス』2025年12月27日(土) 09:25 - 12:25https://www.thecinema.jp/program/00243 ② アンジェリーナ・ジョリー 『ボーン・コレクター』© 1999 Universal City Studios, Inc. and Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved. 12/28(日)『ボーン・コレクター』2025年12月28日(日) 08:45 - 10:55https://www.thecinema.jp/program/02841 ③ チャーリー・シーン 『ウォール街』© 1987 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. 12/29(月)『ウォール街』2025年12月29日(月) 09:55 - 12:20https://www.thecinema.jp/program/04421 ④ マイケル・ダグラス 『ウォール街』© 1987 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. 12/29(月)『ウォール街』2025年12月29日(月) 09:55 - 12:20https://www.thecinema.jp/program/04421 ⑤ シルヴェスター・スタローン 『デモリションマン』© Warner Bros. Entertainment Inc. 12/29(月)『デモリションマン』2025年12月29日(月) 16:50 - 19:00https://www.thecinema.jp/program/00027 ⑥ メリル・ストリープ 『激流』© 1994 Universal Studios. All Rights Reserved. 12/30(火)『激流』2025年12月30日(火) 07:50 - 09:55https://www.thecinema.jp/program/07016 ⑦ ケヴィン・ベーコン 『激流』© 1994 Universal Studios. All Rights Reserved. 12/30(火)『激流』2025年12月30日(火) 07:50 - 09:55https://www.thecinema.jp/program/07016 ⑧ ロバート・デ・ニーロ 『レナードの朝』© 1990 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved. 12/30(火)『レナードの朝』2025年12月30日(火) 09:55 - 12:10https://www.thecinema.jp/program/02911 ⑨ ロビン・ウィリアムズ 『レナードの朝』© 1990 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved. 12/30(火)『レナードの朝』2025年12月30日(火) 09:55 - 12:10https://www.thecinema.jp/program/02911 ⑩ クリスチャン・ベイル 『太陽の帝国(1987)』© 1987 Warner Bros. Inc. 12/31(水)『太陽の帝国(1987)』2025年12月31日(水) 08:20 - 11:05 https://www.thecinema.jp/program/04942 ⑪ アーノルド・シュワルツェネッガー 『キンダガートン・コップ』© 1990 Universal Studios. All Rights Reserved. 12/31(水)『キンダガートン・コップ』2025年12月31日(水) 11:05 - 13:05https://www.thecinema.jp/program/04781 ⑫ レイフ・ファインズ 『ストレンジ・デイズ【HDリマスター版】』© 1994 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. 12/31(水)『ストレンジ・デイズ【HDリマスター版】』2025年12月31日(水) 22:45 - 深夜 01:25https://www.thecinema.jp/program/07133 ⑬ マコーレー・カルキン 『ホーム・アローン』© 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. 1/1(木)『ホーム・アローン』吹替:2026年01月01日(木) 07:55 - 09:50字幕:2026年01月01日(木) 21:00 - 23:00 https://www.thecinema.jp/program/03759 1/1(木)『ホーム・アローン2』吹替:2026年01月01日(木) 09:50 - 12:05字幕:2026年01月01日(木) 23:00 - 深夜 01:15https://www.thecinema.jp/program/03727 ⑭ マイケル・ビーン 『アビス』© 1989 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. 1/1(木)『アビス』2026年01月01日(木) 12:05 - 14:35https://www.thecinema.jp/program/07137 ⑮ ラッセル・クロウ 『グラディエーター』© 2000 DreamWorks LLC and Universal Studios. All Rights Reserved. 1/3(土)『グラディエーター』2026年01月03日(土) 08:45 - 11:35https://www.thecinema.jp/program/01482 ⑯ ジュリア・ロバーツ 『プリティ・ブライド』© 1999 Paramount and Touchstone Pictures. All Rights Reserved. 1/3(土)『プリティ・ブライド』2026年01月03日(土) 深夜 01:45 - 03:55 https://www.thecinema.jp/program/07156 ⑰ リチャード・ギア 『プリティ・ブライド』© 1999 Paramount and Touchstone Pictures. All Rights Reserved. 1/3(土)『プリティ・ブライド』2026年01月03日(土) 深夜 01:45 - 03:55 https://www.thecinema.jp/program/07156 ⑱ リバー・フェニックス 『旅立ちの時』© 1988 Warner Bros. All Rights Reserved. 1/3(土)『旅立ちの時』2026年01月03日(土) 深夜 03:55 - 06:00 https://www.thecinema.jp/program/07063 ⑲ デンゼル・ワシントン 『遠い夜明け』©1987 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved. 12/28(日)『ボーン・コレクター』2025年12月28日(日) 08:45 - 10:55https://www.thecinema.jp/program/02841 1/4(日)『遠い夜明け』 2026年01月04日(日) 08:15 - 11:05https://www.thecinema.jp/program/00392 ⑳ ジョディ・フォスター 『コンタクト』© 1988 Warner Bros. All Rights Reserved. 1/4(日)『コンタクト』2026年01月04日(日) 11:05 - 13:45https://www.thecinema.jp/program/04307 【ザ・シネマ開局20周年】 ⇩特設ページはこちら⇩https://www.thecinema.jp/special/3920th/ 【年末年始】【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP:4つのテーマで選ぶ20人のスター 12/27(土)~1/4(日) 作品一覧:https://www.thecinema.jp/tag/727 ↓各特設ページはこちら↓ 《シリーズ一挙&人気作イッキ見SP20人のスター ~ ハリウッドからアジアまで》https://www.thecinema.jp/article/1451 《レトロ・ハリウッドSP若かった20人のスター》※本ページ 《『ワイルド・スピード』シリーズ一挙SPワイスピ20人のスター》https://www.thecinema.jp/article/1452 《西部劇SP 西部劇20人のスター ~ ヒーローから職人まで》https://www.thecinema.jp/article/1454 映画ファン必見の情報をお届け!ザ・シネマ公式メールマガジン、20周年を記念して12/1より配信開始! ⇩ご登録はこちら⇩https://www.thecinema.jp/mail/
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NEWS/ニュース2025.12.01
【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP《西部劇SP 西部劇20人のスター ~ ヒーローから職人まで》
【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP:4つのテーマで選ぶ20人のスター 2005年12月1日に誕生した洋画専門チャンネルザ・シネマは、洋画ファンの熱い思いに支えられ開局20周年を迎えました。日頃のご愛顧に感謝して、2025年11月から2026年3月まで、「20」をキーワードにしたスペシャル編成や感謝プレゼント企画など様々な“開局20周年企画”をお届けしてまいります! 12/27(土)~1/4(日)の年末年始SPでは、《シリーズ一挙&人気作イッキ見SP》《『ワイルド・スピード』シリーズ一挙SP》《レトロ・ハリウッドSP》《西部劇SP》の4つのテーマで、“20人のスター”を切り口にお届けします! 《西部劇SP 西部劇20人のスター ~ ヒーローから職人まで》 ① ケヴィン・コスナー 『ワイアット・アープ(1994)』© Warner Bros. Entertainment Inc. 12/27(土)『ワイアット・アープ(1994)』 字幕:2025年12月27日(土) 06:00 - 09:25https://www.thecinema.jp/program/05504 ② ブライアン・キース ※画像右『ビッグトレイル』© 1965 The Estate Of John E. Sturges. All Rights Reserved. 12/28(日)『ビッグトレイル』字幕:2025年12月28日(日) 06:00 - 08:45 https://www.thecinema.jp/program/00576 ③ クリント・イーストウッド 『荒野のストレンジャー』© 1973 Universal Studios City Studios, LLC. All Rights Reserved. 12/29(月)『荒野のストレンジャー』[R15+相当] 字幕:2025年12月29日(月) 06:00 - 08:00 https://www.thecinema.jp/program/00648 ④ ポール・ニューマン 『左きゝの拳銃』© 1958 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. 12/29(月)『左きゝの拳銃』 字幕:2025年12月29日(月) 08:00 - 09:55https://www.thecinema.jp/program/01924 ⑤ リチャード・ウィドマーク 『ガンファイターの最後』© 1970 Universal Pictures. All Rights Reserved. 12/30(火)『ガンファイターの最後』 字幕:2025年12月30日(火) 06:00 - 07:50https://www.thecinema.jp/program/06977 ⑥ クラーク・ゲイブル ※画像左『荒馬と女』© 1961 Seven Arts Productions, Inc. All Rights Reserved 12/31(水)『荒馬と女』 字幕:2025年12月31日(水) 06:00 - 08:20https://www.thecinema.jp/program/01099 ⑦ マリリン・モンロー 『荒馬と女』© 1961 Seven Arts Productions, Inc. All Rights Reserved 12/31(水)『荒馬と女』 字幕:2025年12月31日(水) 06:00 - 08:20https://www.thecinema.jp/program/01099 ⑧ モンゴメリー・クリフト 『荒馬と女』© 1961 Seven Arts Productions, Inc. All Rights Reserved 12/31(水)『荒馬と女』 字幕:2025年12月31日(水) 06:00 - 08:20https://www.thecinema.jp/program/01099 ⑨ バート・ランカスター 『追跡者(1971)』© 1971 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. 12/28(日)『ビッグトレイル』字幕:2025年12月28日(日) 06:00 - 08:45 https://www.thecinema.jp/program/00576 1/1(木)『追跡者(1971)』字幕:2026年01月01日(木) 06:00 - 07:55https://www.thecinema.jp/program/07049 ⑩ ロバート・ライアン 『追跡者(1971)』© 1971 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. 1/1(木)『追跡者(1971)』字幕:2026年01月01日(木) 06:00 - 07:55https://www.thecinema.jp/program/07049 ⑪ ジョン・ウェイン 『西部開拓史』© Turner Entertainment Co. and Cinerama, Inc. 1/2(金)『西部開拓史』字幕:2026年01月02日(金) 06:00 - 09:05https://www.thecinema.jp/program/05527 ⑫ ジェームズ・スチュワート ※画像中央『西部開拓史』© Turner Entertainment Co. and Cinerama, Inc. 1/2(金)『西部開拓史』字幕:2026年01月02日(金) 06:00 - 09:05https://www.thecinema.jp/program/05527 ⑬ グレゴリー・ペック 『西部開拓史』© Turner Entertainment Co. and Cinerama, Inc. 1/2(金)『西部開拓史』字幕:2026年01月02日(金) 06:00 - 09:05https://www.thecinema.jp/program/05527 ⑭ ヘンリー・フォンダ 『西部開拓史』© Turner Entertainment Co. and Cinerama, Inc. 1/2(金)『西部開拓史』字幕:2026年01月02日(金) 06:00 - 09:05https://www.thecinema.jp/program/05527 ⑮ ウィリアム・ホールデン 『ワイルドバンチ【ディレクターズカット版】』© 1969 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. 1/3(土)『ワイルドバンチ【ディレクターズカット版】』字幕:2026年01月03日(土) 06:00 - 08:45https://www.thecinema.jp/program/05119 ⑯ アーネスト・ボーグナイン 『ワイルドバンチ【ディレクターズカット版】』© 1969 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. 1/3(土)『ワイルドバンチ【ディレクターズカット版】』字幕:2026年01月03日(土) 06:00 - 08:45https://www.thecinema.jp/program/05119 ⑰ エドモンド・オブライエン 『ワイルドバンチ【ディレクターズカット版】』© 1969 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. 1/3(土)『ワイルドバンチ【ディレクターズカット版】』字幕:2026年01月03日(土) 06:00 - 08:45https://www.thecinema.jp/program/05119 ⑱ ウォーレン・オーツ 『ワイルドバンチ【ディレクターズカット版】』© 1969 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. 1/3(土)『ワイルドバンチ【ディレクターズカット版】』字幕:2026年01月03日(土) 06:00 - 08:45https://www.thecinema.jp/program/05119 ⑲ ベン・ジョンソン 『ワイルドバンチ【ディレクターズカット版】』© 1969 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. 1/3(土)『ワイルドバンチ【ディレクターズカット版】』字幕:2026年01月03日(土) 06:00 - 08:45https://www.thecinema.jp/program/05119 ⑳ ホアキン・フェニックス 『ゴールデン・リバー』© 2018 - WHY NOT PRODUCTIONS 1/4(日)『ゴールデン・リバー』字幕:2026年01月04日(日) 06:00 - 08:15 https://www.thecinema.jp/program/05089 【ザ・シネマ開局20周年】 ⇩特設ページはこちら⇩https://www.thecinema.jp/special/3920th/ 【年末年始】【開局20周年】ザ・シネマ年末年始SP:4つのテーマで選ぶ20人のスター 12/27(土)~1/4(日) 作品一覧:https://www.thecinema.jp/tag/727 ↓各特設ページはこちら↓ 《シリーズ一挙&人気作イッキ見SP20人のスター ~ ハリウッドからアジアまで》https://www.thecinema.jp/article/1451 《レトロ・ハリウッドSP若かった20人のスター》https://www.thecinema.jp/article/1453 《『ワイルド・スピード』シリーズ一挙SPワイスピ20人のスター》https://www.thecinema.jp/article/1452 《西部劇SP 西部劇20人のスター ~ ヒーローから職人まで》※本ページ 映画ファン必見の情報をお届け!ザ・シネマ公式メールマガジン、20周年を記念して12/1より配信開始! ⇩ご登録はこちら⇩https://www.thecinema.jp/mail/
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COLUMN/コラム2025.11.21
まさかのトランプ2期目を予見!?『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
“シビル・ウォー=Civil War”という言葉は、アメリカでは、奴隷制度廃止などを巡って、1861年から65年に掛けて行われた内戦“南北戦争”を指す。近未来のアメリカが再び、血みどろの“内戦”に突入したという設定の本作『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024)の、脚本・監督を担当したのは、イギリス人のアレックス・ガーランド。 彼にとっては、4本目の長編監督作品に当たる本作は、2016年にその発想のオリジンがある。この年アメリカでは、ドナルド・トランプが大統領に当選。イギリスでは、ボリス・ジョンソンらの扇動で、ブレグジット=EU離脱が、国民投票で可決されてしまった。 ジョンソンは後年、イギリス首相の座に就く。それ以外にも、イスラエルのネタニヤフやブラジルのボルソナーロなど、世界各国で強権的なポピュリスト政治家が台頭するようになっていった。 こうした世界の変化に思いを巡らせたガーランドは、2020年頃に本作の脚本を執筆。製作・配給会社のA24に諮ると、すぐに映画化が決まったという。 ***** 強権的な大統領の下で分断が進んだ、アメリカ合衆国。連邦政府から19の州が離脱し、テキサス州とカリフォルニア州の同盟からなる“西部勢力”と、“政府軍”の間で、“内戦”が勃発した。 戦闘は長期化したが、やがて西部勢力がワシントンD.C.への侵攻を窺う情勢となり、大統領が率いる政府軍の敗色は、日に日に濃くなっていく。 戦場カメラマンのリーと相棒の記者ジョエルは、もう14ヶ月間もマスコミの前に姿を現してない大統領への単独取材の計画を立てる。ニューヨークからD.Cまで1,379㌔。リーの恩師である黒人ジャーナリストのサミーと、リーに憧れる若手カメラマンのジェシーを乗せて、車の旅が始まった。 戦火が渦巻くアメリカで、過酷な“内戦”の実相を目撃していく一行。折々危険に曝され、遂には仲間の1人を失ってしまう。 そうした中で、大統領が立て籠もるホワイトハウスに、西部勢力の攻勢と共に、足を踏み入れる瞬間がやってくるが…。 ***** ガーランドは政治漫画家の息子で、子どもの頃は、父の友人のジャーナリストに囲まれて育った。彼の名付け親も、その内のひとり。 少年時代の経験から、当初はジャーナリストになることを夢見たガーランドは、20歳の頃、世界各地を旅して特派員の真似事をした。彼はそこで見聞きしたことを、ルポルタージュにまとめることを試みたが、失敗。ジャーナリストになることをあきらめた経緯がある。 方向性を変えたガーランドは、小説を執筆。その小説がダニー・ボイルによって、『ザ・ビーチ』(2000)として映画化されたことが縁となって、映画界に身を投じた。ボイル監督の『28日後…』(02)で脚本家デビューを果し、2015年には『エクス・マキナ』で、監督としてもスタートを切った。 そんなガーランドが、日頃強く感じていたのが、「政府とジャーナリズムは本来、両方ともバランスをとる役割があるけれど、共に今は正常に機能していない」ということ。 自由な国には自由な報道が絶対的に必要なのに、今やジャーナリズムには、昔のような力はなくなった。ジャーナリストたちも、必要な存在と見なされなくなってきている。 1970年代には、「ワシントン・ポスト」紙の2人の記者が、“ウォーターゲート事件”の真相を暴いたことによって、ニクソン大統領を、任期途中での辞任に追い込んだ。しかし今や、ニクソンなどより遥かに多くの悪事を為しているであろうトランプに、報道がトドメを刺すことなど、極めて困難な事態となっている…。 本作では、テキサス州とカリフォルニア州が組んで、大統領の圧政=ファシズムに対抗するという構図になっている。アメリカ政治の知識がある方には自明だが、テキサスはいわゆる“赤い州”。現在トランプが支配している共和党が、圧倒的に強い地域。一報カリフォルニアは“青い州”で、トランプと敵対する、野党民主党の金城湯池である。 というわけで現状に鑑みれば、テキサスとカリフォルニアが組んで、ファシズムに対抗するなどという事態は、非常に想像しにくい。ガーランドが敢えてこうした設定にしたのは、観客に特定のイデオロギーを感じさせないためだたったと思われる。 とはいえ強権的な大統領の振舞いは、イヤでもアメリカの現状を想起させる。本作では“内戦”が起こった原因は、直接的には描かれていないが、大統領が何をやったかは、端的に語られる。 まず注目すべきは、この大統領は、現在“3期目”を迎えているということ。アメリカの憲法では、大統領の任期は“2期=8年”までと、明確に定められている。ということは、何らかの手段を以て、憲法を無視する挙に出て、大統領の椅子に居座り続けているということである。 またこの大統領は、FBI=アメリカ連邦捜査局の解体に踏み切っている。即ち政府の暴走や大統領の犯罪的行為を取り締まる機関が、存在しなくなったというわけだ。また連邦国家であったアメリカに於いて、州を跨いでの犯罪捜査が不可能になってしまい、治安の悪化にも繋がっている。 そしてこの大統領は、アメリカ市民への空爆を実施したことが、語られる。アメリカの三権分立は空文化し、大統領が己の保身と抵抗勢力を踏み躙るためには、「何でもあり」の状態になってしまっているのだ。 この作品がアメリカで公開されたのは、昨年=2024年4月。トランプが大統領選2度目の勝利を収める、7ヶ月も前のこと。元々トランプは、“3期目”を目指すことを、折りに触れては滲み出していたが、今年1月に正式に大統領の座に返り咲くと、FBI長官に己の意のままになる者を就け、大幅な人員削減に着手。トランプ関連の捜査を行っていた、スタッフの首切りを実施している。 そしてトランプは、“治安維持”をお題目に、ロサンゼルスやメンフィス、首都ワシントンなど、野党民主党の勢力が強い都市に、次々と州兵を送り込んでいる…。 恐ろしいほどに、トランプ2期目の今のアメリカと、情勢が重なってくるのだ! 本作の主役と言えるのは、戦場カメラマンの2人の女性。ベテランのリー・スミスと、新人のジェシー・カラン。この2人の名は、ガーランドが尊敬する2人の戦場カメラマン、リー・ミランとドン・マッカランに因んでいる。 キルスティン・ダンストは「(本作の)脚本を読んでドキドキ」し、翌日には監督とミーティングを行っている。そしてリーの役を、「絶対に演じたい」、リスペクトするガーランドと「仕事をしたい」と、強く思ったという。 ジェシー役に抜擢されたのは、ガーランド監督のTVシリーズ「DEVS/デヴス」などに出演していた、若手女優のゲイリー・スピーニー。 ガーランド監督は、ジャーナリストを目指していた頃の若き日の自分を、ジェシーのキャラクターに反映。リーのモデルとなったのは、その当時にガーランドが親しくしていた、経験豊富なジャーナリストだという。 撮影現場では、ダンストとスピーニーは、本作に於けるリーとジェシーのように、日々を絆を深めていった。過酷な撮影の中で、スピーニーはダンストの家に行っては、その家族との交流の中で、癒されていたという。 ダンストにとってスピーニーは、「妹のような存在」となり、ある時に友人であるソフィア・コッポラ監督に紹介。それがきっかけとなって、スピーニーはコッポラの『プリシラ』(23)で、プリシラ・プレスリーを演じることとなった。 リーの相棒ジョエル役には、TVシリーズ「ナルコス」で、実在の麻薬王パブロ・エスコバルを演じた、ワグネル・モウラ。黒人の老ジャーナリスト、サミー役は、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソンが演じた。 さて1シーンだけの出演だが、強烈な印象を残すのは、“虐殺”を主導する正体不明の民兵を演じるジェシー・プレモンス。 彼が放つ一言「What kind of American are you?(お前はどういう種類のアメリカ人だ?)」は、本作を象徴する強烈な名台詞となっているが、一体どんなシチュエーションで吐かれるかは、観てのお楽しみとしておきたい。 実はプレモンスの役は、当初別の俳優が演じることになっていたが、直前に降板。代役に思い悩むガーランド監督に、ダンストが、自分の夫であるプレモンスを、推挙したという流れだった。 撮影5日前に急遽出演が決まったプレモンスは、限りある時間で徹底的にリサーチ。兵士の話を聞きまくったという。因みに彼が掛けている赤いサングラスは、自ら用意した10種類ぐらいのメガネから、現場でピタッとハマったものを選んだという。 ガーランドは、絵コンテなどは用意せず、現場で起こることに即応して、撮影を進めていくタイプの監督。本作では小さな手持ち撮影のカメラを多用したという。 本作の軍事顧問を務めたのは、アメリカ海軍の特殊部隊ネイビー・シールズ出身のレイ・メンドーサ。彼の指導の下、画面に登場する兵士たちは、実際に従軍経験のある者ばかりだった。 クライマックスのホワイトハウス突入のシーンで、監督として兵士役の者たちに伝えたのは、カメラのことは気にしないで「普段通りに行動して」ということだけだったと。セリフも、兵士同士の普段の会話のため、ガーランドは、ドキュメンタリーを撮っているような感覚に陥ったという。 サウンド・デザインで銃器の怖ろしさを表現する工夫を施した本作は、アメリカでは163年前に“南北戦争”が勃発した、2024年の4月12日を選んで、公開。製作・配給のA24作品史上、最高のオープニング興収を樹立し、2週連続で興行ランキング1位を獲得する大ヒットとなった。 日本では大統領選直前の10月に公開となったが、それから1年余。現実を鑑みると、いま観た方が、更にゾッとする展開になっている。■ 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』© 2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2025.11.14
嵐の海を進む豪華客船に仕掛けられた“恐怖”——『ジャガーノート』の航跡
◆豪華客船を爆破の危機から救え! 1974年、イギリス映画『ジャガーノート』は、荒れ狂う北大西洋を舞台にしたサスペンス大作として製作・公開された。舞台となるのは総トン数約2万5千トンの豪華客船ブリタニック号。本船が大西洋横断の最中、何者かによって7つの爆弾を仕掛けられ、“ジャガーノート”を名乗る犯人が身代金として50万ポンドを要求する。荒天のため乗客の避難も不可能ななか、約1200人の乗客を救うべく爆薬処理班が派遣され、このシンプルかつ極限的な設定が、2時間近くにわたって観る者の緊張を持続させていく。 監督は、『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』(1964年)や『ナック』(1965年)で知られる俊英リチャード・レスター。彼はこの作品で、前半に軽快なテンポを与えつつ、後半に向けて緻密なサスペンスへと収束させていく。冒頭、軍の爆薬処理班が悪天候の中、輸送機からパラシュートで降下し、激しく揺れる船に乗り移るまでの一連の場面は、まさしくスペクタクルの粋を感じさせる。だが物語が進むにつれてカメラは次第に静まりを見せ、船室にこもる静寂とともに緊張を描き出していく。わずか小指の先ほどの回路を前に、爆弾処理班の手元が震える。恐怖とは爆音ではなく沈黙の中にこそ潜むものだと、レスターは見事に示してみせたのだ。 主演のリチャード・ハリスが演じるフォーリング中佐は、爆弾処理のプロフェッショナルとして航行中の豪華客船に降下し、乗客の命を預かる立場に立たされる。彼の飄々とした佇まいながらも冷静な判断が、観客の恐怖と緊張をいっそう際立たせている。対してオマー・シャリフが演じる船長アレックス・ブルヌエルは、航海の責任に苛まれながらも、激動の海上で毅然と行動する男だ。二人の関係の緊張が映画の中心に静かな熱を生み出している。さらに デヴィッド・ヘミングス、 シャーリー・ナイト、イアン・ホルム、アンソニー・ホプキンスら名優が脇を固め、群像劇としての厚みを加えている。 撮影は実際の豪華客船を用い、北海や北大西洋の実際の海上で行われた。荒れた天候を利用してカメラを回し、スタジオでは再現できない海の重量感がスクリーンにあらわれている。音楽を担当したケン・ソーンのスコアも見事で、管弦の旋律が波と風の轟音に交錯し、緊迫感をさらに高めている。 『ジャガーノート』は、パニック映画の系譜に属しながらも、派手な群衆劇とは一線を画している。爆発の恐怖を描きながら、決して観客を必要以上にあおらない。映画は人間の理性と狂気のせめぎ合いを冷徹に観察し、恐怖を構造として見せていく。救命艇も出せぬ嵐の中、孤独な技術者が見えない敵と闘う。この孤独の構図こそが、本作を70年代サスペンスの中でも異彩を放っているのだ。 荒れ狂う波間を漂う〈ブリタニック〉は、単なる舞台装置ではなく、人間の理性と偶然、秩序と混沌の象徴そのものである。 ◆リチャード・レスター 才気と放浪の映像作家 そう、こうして『ジャガーノート』を語るうえで、監督リチャード・レスターを抜きにすることはできない。彼は生粋のイギリス映画人に見えるが、その出発点はアメリカ・フィラデルフィアにある。ペンシルベニア大学で心理学を学んだのち、テレビ業界に進み、20代にしてイギリスのテレビ界でディレクターとして頭角を現す。風刺とテンポ感に満ちた演出で注目を集めた彼は、やがて映画界へと進出し、『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』で世界的な名声を確立する。CM演出なども手がけ、テンポの速い編集と軽妙なユーモアを武器に新しい映像感覚を確立していく。そして続く『ヘルプ! 4人はアイドル』(1965年)ではポップカルチャーの映像化に挑み、音楽映画というジャンルを根底から変えてみせた。 しかしレスターの野心は「ビートルズ映画の監督」という枠には収まらない。『ナック』ではカンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、社会風刺と実験的映像を華麗に融合させた。その後、『ローマで起こった奇妙な出来事』(1966)や『ことづけられた情事(ペチュリア)』(1968)など、コメディからシリアスまで自在に行き来しながら、イギリス映画界に新風を吹き込んでいく。彼の作品には、常に登場人物を突き放して観察する冷静な視線と、どこか人間を愉快に眺めるようなバランス感覚が絶妙に機能し、それが後年の『三銃士』(1973年)や『四銃士』(1974年)の痛快さへと結実していく。 レスターにとって映画は、ジャンルやスタイルに縛られない実験の場だった。彼はしばしば「自分には固有のスタイルなどない。素材に導かれて動くだけだ」と語っている。その柔軟な姿勢こそが、まさに『ジャガーノート』への発火点となった。もともと他の監督による企画であり、前任の降板を受けて引き継ぐ形で参加したレスターは、自らの制約や演出スタイルを持ち込むことを避けた。だがそれでも結果的に、彼の作品群に通底する人間の滑稽さと理性への信頼が、思いがけず鮮明に浮かび上がることとなる。 ◆混沌の中の秩序──制作の舞台裏 『ジャガーノート』の誕生は、偶然の連鎖の産物だった。『三銃士』の撮影を終えたばかりのリチャード・レスターがスペインで休息を取っていた頃、プロデューサーのデニス・オデルから一本の電話が入る。新作サスペンスの監督ブライアン・フォーブスが降板し、代役を探しているというのだ。撮影開始までわずか4週間。多くの監督が尻込みする中で、レスターは即座に引き受けた。報酬は安く、準備期間もほとんどなかったが、彼にとって重要だったのは「作品そのものを愉しめるかどうか」という直感だけだった。 脚本はリチャード・アラン・シモンズによるものだったが、レスターは「全体を書き直すべきだ」と主張し、アラン・プラターとともに短期間で改稿を重ねた。結果、犯人像の曖昧さが残る代わりに、群像劇としての人間的リアリティが際立った。恐怖の根源は爆弾ではなく、人間の判断の誤差や偶然にあるという、レスターらしい視点である。完成版の脚本に不満を漏らしたシモンズは、“リチャード・デコッカー”の名でクレジットされた。 撮影は北海で行われ、使用されたのはのちに〈マキシム・ゴーリキー〉と改名されるドイツ客船〈ハンブルク号〉。嵐に見舞われながらの撮影は過酷を極め、多くの機材が損傷したという。レスターは即興の連続の中でも冷静さを失わず、リチャード・ハリスのカツラ問題を小道具の帽子で解決するなど臨機応変の才を発揮。撮影は予定より短期間で完了し、彼はすぐに『四銃士』の現場へ戻っていった。 公開後、『ジャガーノート』は興行的には中程度の成績にとどまったが、批評家たちはその緊張感とウィットを高く評価した。米『TIME』誌はレスターの演出を「冷静かつ風刺的」と評し、『Newsweek』も「同時期のパニック映画よりも爆弾処理の描写が現実的だ」と称賛。ポーリン・ケールは「冷たい人間描写」としながらも、その技巧を認めている。アメリカでは控えめな成績だったが、ヨーロッパでは一定の成功を収め、BBC放映時には1900万人が視聴した。 この作品でレスターは、ハリウッド的な誇張を避け、人間の知性と偶然のはざまにある静かなパニックを描いた。豪華客船ブリタニックが進むその姿は、社会という巨大な機構の象徴のようでもある。制御不能な力に翻弄されながらも、誰かが理性の火を絶やさずにいる──それがレスター流の英雄譚だったのだ。■ 『ジャガーノート』© 1974 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.. All Rights Reserved
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NEWS/ニュース2025.11.10
【開局20周年】新録!厳選!ザ・シネマ吹き替え感謝祭
【開局20周年】新録!厳選!ザ・シネマ吹き替え感謝祭 12/3(火)~12/6(土)、12/10(水)~12/12(金)、12/15(月)、12/18(木)、12/25(木) 2005年12月1日に誕生した洋画専門チャンネルザ・シネマは、洋画ファンの熱い思いに支えられ開局20周年を迎えました。日頃のご愛顧に感謝して様々な“開局20周年企画”をお届けしてまいります!ザ・シネマと言えば吹き替え映画!ザ・シネマが新たな吹き替えキャストで制作した、ここでしか見られない″新録版“や、ソフトにも収録されていない、懐かしの地上波テレビ放送版″厳選吹き替え“を20周年に合わせ一挙にお届けします。 ★12/3(水) (吹)ワイルド・スピード【ザ・シネマ新録版】【4Kレストア版】 (C) 2001 Universal Studios. All Rights Reserved. 放送日時2025年12月03日(水) 13:00 - 14:552025年12月29日(月) 19:00 - 21:00 ヴィン・ディーゼル (楠大典)ポール・ウォーカー (高橋広樹)ミシェル・ロドリゲス (甲斐田裕子)ジョーダナ・ブリュースター (園崎未恵)ほかhttps://www.thecinema.jp/special/shin-roku/wildspeed/ ★12/4(木) (吹)ワイルド・スピードX2【ザ・シネマ新録版】【4Kレストア版】 (C) 2003 Universal Studios. All Rights Reserved. 放送日時2025年12月04日(木) 13:00 - 15:00 2025年12月30日(火) 19:00 - 21:00 ポール・ウォーカー (高橋広樹)タイリース・ギブソン (松田健一郎)エヴァ・メンデス (日野由利加)コール・ハウザー (子安武人)クリス・"リュダクリス"・ブリッジス (渡辺穣)デヴォン青木 (伊瀬茉莉也)ほかhttps://www.thecinema.jp/special/shin-roku/ ★12/5(金) (吹)ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT【ザ・シネマ新録版】【4Kレストア版】 (C) 2006 Universal Pictures. All Rights Reserved. 放送日時2025年12月05日(金) 13:00 - 14:55 2025年12月31日(水) 19:00 - 21:00 ルーカス・ブラック (浪川大輔)バウ・ワウ (木村昴)ナタリー・ケリー (上坂すみれ)サン・カン (川島得愛)ブライアン・ティー (石川界人)レオナルド・ナム (畠中祐)ブライアン・グッドマン (三木眞一郎)千葉真一 (井上和彦)ヴィン・ディーゼル (楠大典)ほかhttps://www.thecinema.jp/special/shin-roku/ ★12/6(土) (吹)LIFE!/ライフ【ザ・シネマ新録版】 (C) 2013 Twentieth Century Fox Film Corporation and TSG Entertainment Finance LLC. All rights reserved. 放送日時2025年12月06日(土) 12:00 - 14:05 ベン・スティラー (堀内賢雄)クリステン・ウィグ (安藤麻吹)アダム・スコット (小原雅人)ショーン・ペン (山路和弘)シャーリー・マクレーン (谷育子)ほかhttps://www.thecinema.jp/program/07129 ★12/10(水) (吹)オーシャンズ11【フジテレビプレミアムステージ版】 (C) 2001 Warner Bros. 放送日時2025年12月10日(水) 13:00 - 15:00 ジョージ・クルーニー (磯部勉)ブラッド・ピット (堀内賢雄)マット・デイモン (桐本拓哉)アンディ・ガルシア (大塚芳忠)ジュリア・ロバーツ (勝生真沙子)ほかhttps://www.thecinema.jp/program/07136 ★12/11(木) (吹)ディープ・ブルー(1999)【日本テレビ版】 (C) 1999 Village Roadshow Films (BVI) Limited 放送日時 2025年12月11日(木) 11:00 - 13:00 サフロン・バロウズ (田中敦子)トーマス・ジェーン (小杉十郎太)LL・クール・J (塩屋浩三)サミュエル・L・ジャクソン (池田勝)ほかhttps://www.thecinema.jp/program/07114 ★12/11(木) (吹)オーシャンズ12【金曜ロードショー版】 (C) 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. and Village Roadshow Films (BVI) Limited. All Rights Reserved. 放送日時2025年12月11日(木) 13:00 - 14:55 ジョージ・クルーニー (磯部勉)ブラッド・ピット (堀内賢雄)マット・デイモン (桐本拓哉)キャサリン・ゼタ=ジョーンズ (山像かおり)ヴァンサン・カッセル (森田順平)ほかhttps://www.thecinema.jp/program/07138 ★12/12(金) (吹)オーシャンズ13【フジテレビ土曜プレミアム版】 (C) 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. and Village Roadshow Films (BVI) Limited. All Rights Reserved. 放送日時2025年12月12日(金) 13:00 - 14:55 ジョージ・クルーニー (磯部勉)ブラッド・ピット (堀内賢雄)マット・デイモン (桐本拓哉)アル・パチーノ (羽佐間道夫)ほかhttps://www.thecinema.jp/program/07140 ★12/15(月) (吹)天国の門【TBS版】 (C) 1981 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. 放送日時2025年12月15日(月) 13:00 - 15:45 クリス・クリストファーソン (堀勝之祐)ジョン・ハート (池水通洋)イザベル・ユペール (榊原良子)クリストファー・ウォーケン (谷口節)ほかhttps://www.thecinema.jp/program/07143 ★12/18(木) (吹)黄金の指【TBS月曜ロードショー版】 (C) 1973 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. 放送日時2025年12月18日(木) 08:25 - 10:10 ジェームズ・コバーン (小林清志)マイケル・サラザン (安原義人)ウォルター・ピジョン (高城淳一)トリッシュ・ヴァン・ディーヴァー (北島マヤ)ほかhttps://www.thecinema.jp/program/07119 ★12/25(木) (吹)カサブランカ【カラー版】【テレビ東京版】 (C) 1973 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. 放送日時2025年12月25日(木) 11:00 - 13:00 ハンフリー・ボガート (津嘉山正種)イングリッド・バーグマン (塩田朋子)ポール・ヘンリード (土師孝也)クロード・レインズ (青野武)ほかhttps://www.thecinema.jp/program/07148 ★12/25(木) (吹)コンタクト【木曜洋画劇場版】 (C) 1997 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. 放送日時2025年12月25日(木) 13:00 - 15:30 ジョディ・フォスター (戸田恵子)マシュー・マコノヒー (てらそままさき)ジョン・ハート (大塚周夫)ジェームズ・ウッズ (大塚明夫)ほかhttps://www.thecinema.jp/program/07149 【ザ・シネマ開局20周年】 ⇩特設ページはこちら⇩https://www.thecinema.jp/special/3920th/ 映画ファン必見の情報をお届け!ザ・シネマ公式メールマガジン、20周年を記念して12/1より配信開始! ⇩ご登録はこちら⇩https://www.thecinema.jp/mail/
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COLUMN/コラム2025.11.05
混沌とする中東情勢の最前線をありのままに描く骨太な大人向けスパイ・アクション『カンダハル 突破せよ』
ハリウッド・アクションを牽引する新たな名コンビ ジョン・フォード監督&ジョン・ウェインの例を出すまでもなく、古今東西の映画界において何本もの作品で繰り返しタッグを組む、いわゆる名コンビと呼ばれる監督と主演俳優の顔合わせは枚挙に暇ない。それはアクション映画のジャンルでも同様のこと。古くはドン・シーゲル監督&クリント・イーストウッドにハル・ニーダム監督&バート・レイノルズ、もっと近いところだとガイ・リッチー監督&ジェイソン・ステイサムやアントワーン・フークア監督&デンゼル・ワシントンあたりか。B級アクション・マニアにはマイケル・ウィナー監督&チャールズ・ブロンソンとか、アーロン・ノリス監督&チャック・ノリスなんかも捨て難かろう。最近のハリウッドであればピーター・バーグ監督&マーク・ウォールバーグ、そして今回のテーマであるリック・ローマン・ウォー監督&ジェラルド・バトラーのコンビも外せまい。 スタントマンとして『リーサル・ウェポン2』(’89)から『デイズ・オブ・サンダー』(’90)、『ラスト・アクション・ヒーロー』(’93)から『60セカンズ』(’00)まで数多くのアクション映画に携わり、監督としてもヴァル・キルマー主演の『プリズン・サバイブ』(’08)やドウェイン・ジョンソン主演の『オーバードライヴ』(’13)などを手掛けたリック・ローマン・ウォー監督。一方のジェラルド・バトラーは『オペラ座の怪人』(’04)のファントム役でスターダムを駆け上がるも、以降は筋骨隆々の肉体美で古代スパルタ王レオニダスを演じた『300(スリーハンドレッド)』(’06)などのアクション映画を中心に活躍する。 そんな2人が初めて出会ったのは、『エンド・オブ・ホワイトハウス』(’13)と『エンド・オブ・キングダム』(’16)に続いて、ジェラルド・バトラーが無敵の米大統領シークレット・サービス、マイク・バニングを演じる大人気アクション映画『エンド・オブ~』シリーズの第3弾『エンド・オブ・ステイツ』(’19)だった。実は、シリーズのテコ入れとして新規路線を打ち出すべく起用されたというウォー監督。アクション映画の主人公は現実離れした無敵のヒーローである必要などない。いや、むしろ欠点や弱点があればこそ観客は主人公に我が身を重ねて共感し、決して完璧ではないヒーローが困難を乗り越えていく姿に勇気と希望をもらえる。常日頃からそう考えていた監督は主人公マイク・バニングを寄る年波や職業病で密かに苦しむ不完全で人間的なヒーローとして描き、アクション・シーンにもリアリズムを持ち込むよう努めたという。 この新たな方向性に共鳴したのが、他でもない主演俳優のジェラルド・バトラー。「一度に50人を殺しても無傷でいられるようなヒーローを演じるのにウンザリしていた」というバトラーは、たとえ悪役であろうと登場人物の人間性を大事にする、物語を安易な勧善懲悪に落とし込まない、アクションをただの見世物にしないというウォー監督の信条に強く感銘を受けたらしい。この『エンド・オブ・ステイツ』ですっかり意気投合した2人は、翌年の『グリーンランド-地球最後の2日間-』(’20)でも再びタッグを組むことに。ここでも「非日常的な状況下でリアルな人間像を描く」ことを目指したウォー監督は、巨大隕石の衝突という地球滅亡の危機から家族を救わんとする主人公を「異常な状況に直面したごく普通の父親」として描き、演じるバトラーもその期待に応えるよう努めたという。そんな名コンビが三度顔を合わせ、今度は緊迫する中東情勢をテーマにしたスパイ・アクション映画が『カンダハル 突破せよ』(’23)である。 身元の割れたスパイ、最悪の危険地帯から脱出なるか!? 主人公はMI6(英国秘密諜報部)の工作員トム・ハリス(ジェラルド・バトラー)。優秀な潜入工作のプロとして信頼されるエリートだが、しかし常に家庭よりも任務を優先させてきたため夫婦関係は破綻し、年頃の娘ともすっかり疎遠になってしまっている。おかげで妻とは離婚することに。せめて娘との関係だけでも修復したいと考えた彼は、CIAに要請されたイランの地下核施設を破壊するための極秘任務を無事に終えると、娘の卒業式に参列するためドバイ経由でロンドンへと向かう。ところが、ドバイ在住のCIA仲介役ローマン(トラヴィス・フィメル)から呼び出され、次なるミッションを依頼される。CIAはイランの核開発を阻止するため、ダイバードの秘密滑走路を奪う計画だった。そこで、まずはアフガニスタンのヘラートへ向かい、そこから再びイランへ潜入して任務を遂行しろというのだ。いや、娘の卒業式があるから…と断ろうとしたトムだったが、しかし断り切れずに引き受けてしまう。やはりこの仕事が好きなのだ。 かくしてアフガニスタン入りしたトム。2021年にアメリカと多国籍軍が完全撤退した同国だが。しかしその後もタリバンやパキスタン、インド、ロシア、中国、さらにはISIS(イスラム国)までもが入り乱れて勢力争いを繰り広げ、もはや冷戦時代のベルリンのような様相を呈していた。工作員にとってはまさに最悪の危険地帯。地元の各言語に精通して土地勘のある優秀なサポート役が必要だ。そこでローマンが白羽の矢を立てたのが、家族と共にアメリカへ移住したアフガニスタン系移民の中年男性モハマド・ダウド(ナヴィド・ネガーバン)である。偽造パスポートで身分を偽って入国したモハマド(通称モー)。バレたら逮捕・拷問は免れない。一般人の彼がなぜそんな危険を冒してまで祖国へ戻り、CIA工作員の通訳を引き受けたのか。実は、ヘラートで学校教師をしている妻の妹が消息を絶ってしまい、その行方を探そうと考えたのである。女性の教育に否定的なタリバンに拘束された可能性があった。 先に現地入りしていたモーと合流したトムは、イランへ潜入する準備を着々と進めていたところ、そこで予期せぬ事態が起きてしまう。国防総省の関係者からリークされた情報をもとに、中東におけるアメリカの秘密工作を取材していた女性記者ルナ・クジャイ(ニーナ・トゥーサント=ホワイト)がイラン革命防衛軍の特殊部隊、通称コッズ部隊によって逮捕され、そこからイラン地下核施設の破壊工作に関与したトムと同僚工作員オリヴァー(トム・リース・ハリーズ)の偽名と顔写真がマスコミに公開されてしまったのだ。イラン国内に留まっていたオリヴァーは殺され、ファルザド・アサディ(バハドール・ファラディ)率いるコッズ部隊はトムを捕らえるべく国境を越えてヘラートへと向かう。そればかりか、地元を支配するタリバンやその支援をするパキスタン軍統合情報部(ISI)工作員カヒル(アリ・ファザル)など各勢力が、トムを捕らえてイランへ高値で売り飛ばすために動き始めるのだった。 すぐに任務中止を指示してトムとモーの脱出を計画するローマン。30時間後にカンダハルのCIA基地から英国機が飛び立つ。それが残された唯一のチャンスだ。かくしてヘラートから640キロ離れたカンダハルへ向かうトムとモー。ローマンもアフガニスタン国陸軍特殊部隊の協力を得て、彼らの脱出を支援するべく現地へ向かう。果たして、トムとモーは無事に生きて家族のもとへ戻れるのか…? 中東情勢の今をリアルに投影したストーリー 脚本を書いたミッチェル・ラフォーチュンは元DIA(アメリカ国防情報局)エージェント。本作は長いことアフガニスタンで諜報活動に携わっていた彼の、実体験をベースにしたフィクションである。最初に脚本を読んでドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ボーダーライン』(’15)を連想したというウォー監督。同作が麻薬戦争の最前線を内側からリアルに描いたように、本作も中東における「影の戦争」の最前線を内側からリアルに描いているのだ。ただし、脚本のオリジナル版が執筆されたのは’16年のこと。その後、アフガンからアメリカが完全撤退するなど中東情勢が大きく変化したため、ウォー監督の指導のもとで脚本も書き直されている。 ウォー監督が本作で強くこだわったのは、特定の勢力を悪魔化も英雄化もすることなく、我々と同じ長所も短所もある人間として描くこと。そして、中東情勢における過酷な現実をありのままに描きつつ、決して監督自身の意見を押し付けたりはしないこと。自らの役割は問題を提起して論議のきっかけを作ることであり、その答えは観客自身が導き出すべきだと考えたのである。なので、中東諸国の政情不安を招く原因を作ったアメリカおよび西欧諸国の罪にハッキリと言及しつつも、しかしそれを一方的に断罪したりはしない。我々は「どの陣営にも悪質な個人は存在するが、しかし全員がそうではない」という当たり前の事実を忘れ、集団全体を悪魔化してしまう傾向にあるというウォー監督。本作でも例えば、コッズ部隊のリーダーであるファルザドは一般人を拉致して拷問したり、主人公トムを抹殺するべく執拗に追いかけてきたりするが、しかしプライベートでは妻子を心から愛する良き家庭人であり、なおかつ決して仕事を楽しんでいるわけではない。あくまでも上からの指示に従っているだけ。むしろ、彼自身はできればこんなことしたくないと考えているように見受けられる。 それは主人公トムとて同じこと。彼も基本的には家族や友人を愛する善良な人物だが、しかしイランの地下核施設の破壊工作では、たまたまそこで働いていただけに過ぎない大勢の職員たちを死に至らしめている。確かに彼自身がボタンを押したわけではないが、殺戮に加担してしまったことは間違いないだろう。とはいえ、トムにとってみればそれもまたただの仕事。上から指示された任務を遂行したまでに過ぎない。彼らに共通するのは、幸か不幸かその分野で他者よりも優れた才能を持っていること、なおかつその仕事に生きがいを感じてしまっていること。そのうえ、暴力が暴力を呼ぶ弱肉強食の残酷な「影の戦争」の世界に慣れて感覚が麻痺してしまい、もはや抜け出したくても抜け出せなくなっている。それゆえトムは家族から見放されてしまった。この戦場=職場が自分の居場所、自分のアイデンティティとなってしまった仕事人間たちの戦いに、「影の戦争」に終わりが見えない理由の一端が垣間見えると言えよう。 そうした中で異彩を放つのが、パキスタン軍統合情報部(ISI)の若きエリート工作員カヒルの存在だ。現地で支配を広げるタリバンと祖国のパイプ役を務め、与えられた職務は完璧に遂行するカヒルだが、しかしプライベートでは高級ブランドのファッション・アイテムを好んで電子タバコをたしなみ、最先端のヒップホップを聴いて出会い系アプリを利用してレンジローバーを乗り回す今どきの若者であり、旧態依然とした中東から自由な西欧社会へ脱出する道を模索している。この人物像には、ウォー監督自身がサウジアラビアで体感した中東社会の「今」が投影されているという。 イランやアフガニスタンでの撮影が現実的に不可能であるため、ムハマンド・ビン・サルマン皇太子の主導によって’18年より多方面での自由化が進むサウジアラビアでロケされた本作。脚本家ラフォーチュンと共に一足早く現地入りして製作準備を進めていたウォー監督は、超保守派の旧世代と進歩派の新世代が衝突するさまを目の当たりにしたという。仕事と祈りと睡眠以外の変化を一切望まず伝統的な生活様式を頑なに守らんとする旧世代に対して、自由で近代的で文化的な西洋的価値観を望む新世代。その対立構造がカヒルを通して本作のストーリーにも反映され、観客が中東の在り方を考えるうえで重要な材料の一つとなっている。 すっかりファミリー向けアニメとブロックバスター映画に市場を占拠されてしまった昨今、かつて毎週末映画館で楽しむことの出来た「大人向けアクション映画」の復権を望むリック・ローマン・ウォー監督と、志を同じにするというジェラルド・バトラー。この『カンダハル 突破せよ』は、そんな2人がタッグを組んだ現時点で最良のお手本と言えよう。’26年の年明けには『グリーンランド-地球最後の2日間-』の続編『Greenland 2: Migration』(‘26・日本公開未定)が公開される予定で、今後は『エンド・オブ~』シリーズの第4弾『Night Has Fallen』(スケジュール未定)の企画も控えている。ウォー監督&バトラーの名コンビからますます目が離せなくなりそうだ。■ 『カンダハル 突破せよ』© 2022 COLLEAH PRODUCTIONS LIMITED. 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