PROGRAM

放送作品情報

パリ、テキサス

PARIS, TEXAS 1984年 西ドイツ フランス / 146分 ドラマ

その男はなぜ荒野の放浪者になったのか? ヴィム・ヴェンダースの名を世界に知らしめた傑作ロードムービー
放送日時
2019年04月02日(火) 深夜 03:30 - 06:00
2019年04月12日(金) 06:00 - 08:30
2019年04月20日(土) 06:00 - 08:45
2019年04月25日(木) 深夜 01:30 - 04:00
解説

カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いたヴィム・ヴェンダースの代表作。雄大なテキサスの風景とライ・クーダーが奏でる哀愁のギター音楽をバックに、記憶喪失の放浪者となった男の孤独、失われた愛の行方を映し出す。

ストーリー

ひとりで荒野をさまよい続けていた男が荒野のガソリンスタンドで気絶した。男の持ち物の名刺を手がかりに連絡を受けたウォルトは、記憶を失っているその男が4年前に失踪した兄トラヴィスだと確認し、ロサンゼルスの自宅に連れ帰る。なぜかトラヴィスは、テキサス州の“パリ”という町を探して放浪していたのだ。やがて少しずつ記憶を取り戻したトラヴィスは、幼い息子ハンターを伴い、家出した妻ジェーンを捜す旅に出るのだが…。

出演

ハリー・ディーン・スタントン
ナスターシャ・キンスキー
ハンター・カーソン
ディーン・ストックウェル
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
なし
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日 1988/10/9

    諦念を伴った充足

    親子も兄弟も夫婦も家族も、そして自身の漂白された記憶や内面も、一度失ってしまったものは、どんなに強く願おうとも決して元の鞘には収まらないということを実感。 道行く父と子の希望と不安の狭間でたゆたう心情を、メランコリックに表出したW・ヴェンダースのこなれた語り口が光る陰影深い人間ドラマ。それはまた、主人公の訥々としたモノローグ後に、自ら下す悲痛な決断が諦念を伴った充足へと帰結する、とある家族の切ないホームドラマであり、時に温かく、時に寂しく鳴り響くR・クーダーの滋味深いギターの音色が、テキサスの乾いた空気と茫漠とした大地に染み入る秀逸のロードムービーでもあった。 あと、見事に役にはまったH・D・スタントン、N・キンスキーの巧まざる演技が心に残る。

  • 鑑賞日

    主人公の行動は理解できない

    最後、なぜ主人公は妻と子供と一緒にならなかったのか甚だ疑問である。それに、ホテルの部屋で妻が子供と会えて感動的な抱擁シーンで終わるが、考えてみれば、妻のほうは子供が弟夫婦に育てられているのを知っているし、住所も知っているので会おうと思えばいつでも会えるはずだったのではないか。それとも風俗店での鏡越しでの夫との会話で、自分の過ちに気づいたということだったのだろうか? あと、そもそも主人公と妻があんな可愛い子供を置き去りにして出て行った理由がわからない。8ミリビデオでは幸福の絶頂のように仲が良かったではないか。 ナスターシャキンスキーの美しさだけが非常に印象に残る映画であった。ただ、それだけでも見る価値はある。

  • 鑑賞日 2019/2/23

    35年振りの2度目、での巻

    冒頭の、憑かれたように何処かに向かってただ荒野を歩く。象徴のような。 30数年ぶりに、あの映画は何であったのか? ついレンタル。取捨が共感だとすれば、観るものの人生の多寡に係る。ジンワリと沁み入る作品だ。 ナターシャ キンスキーが、男の子が儚くも美しい。 画面に動く鮮烈な赤。帽子、ドレス、シャツ、車。 象徴的だ。

  • 鑑賞日 2018/9/18

    「ラッキー」つながり

    ナスターシャキンスキーこんなにうまかったっけ?10回以上見てるけど、新たな発見。

  • 鑑賞日 2019/1/1

    ザ・ロードムービー

    ヴィムヴェンダース監督です。大好きなロードムービー。覗き部屋での会話シーンが良いです。

  • 鑑賞日 2018/4/14

    放浪者

     「ベルリン・天使の詩」と比べると、わかりやすくいい映画という印象です。ただ、作中で謎のままの要素も結構あるんですよね。トラヴィスが登場時になぜ赤い帽子にスーツだったのか、なぜ記憶喪失のような状態になっていたのか、なぜ飛行機に乗りたがらなかったのか、なぜ靴を磨いていたのかなど。それに、話自体も最初はトラヴィスがテキサスにあるパリを目指すところから始まって、最後はヒューストンにいた妻と息子を合わせるところで終わります。意味ありげな伏線が回収されなかったり、当初と違う方向に話が進んでいくのは、少し行き当たりばったり感があります。代表的なイメージ写真である、ピンクのセーターを着たジェーンと、発見時の姿で荒野に佇むトラヴィスだけ見ても、いったいどんな映画なのか想像できません。それは、ヴェンダースの映画の撮り方が、事前にしっかりした脚本を作らず、撮影の中で話を作り上げていく作家だからなのでしょう。  それをまとめ上げるのが、ライ・クーダーのギターであると言えます。当てもなく彷徨っている時の停滞感や、家族が本来持つ安らぎの表現、旅の高揚感をすべてギターメインで奏でることによって作品に統一感をもたらしています。音楽の使い方の重要性が顕著に表れた作品だと思います。  キャラクターの魅力としては、ジェーンを演じたナスターシャ・キンスキーについては誰もが認めるところです。妖怪のような見た目の、あの父親の娘とは思えませんね。個人的には、息子ハンターを演じたハンター・カーソンも印象的でした。こちらの父親は、本作で脚本を担当した、L・M・キット・カーソンです。登場した瞬間に、叔父夫婦に大切に育てられていることが伝わってくる、品のある見た目が印象的です。だからこそ、別れることになった時の育ての両親の悲しみが際立つんですねよね。ハリー・ディーン・スタントンも良いですね。髭を剃った時にちゃんと日焼け跡ができてました。  本作の考察ブログをいくつか読んでみたのですが、興味深かったのが、アメリカに憧れたヴェンダースが、本作を西部劇として撮ったという見方。とても納得できます。ラストで黒いシャツに身を包んで電話越しに思いを吐露するトラヴィスには、狂犬的な一面を垣間見たように思いました。なんとなく「シェーン」でアラン・ラッドが演じた、主人公シェーンに重なる気がします。  余白の部分が多い本作ですが、ひとつ確信を持たせてくれるところがあります。それは、親子というよりは、年の離れた姉弟のように見え、生活力の無いはずのジョーイとハンターの未来が明るいものになること。西部劇的な演出をすることで、トラヴィスが去っていくことに必然性を感じさせ、ひいては二人の再開を祝福しているように思いました。

  • 鑑賞日 2017/10/7

    完璧なロードムービー

    ロードムービーの金字塔。 4年間失踪していた兄・トラヴィスがテキサス州で発見される。弟のウォルトが迎えに行くが、トラヴィスは何も語ろうとしない。トラヴィスは、ウォルト宅で養育されていた実子ハンター(7歳)と再会し、妻・ジェーン(ナスターシャ・キンスキー)を探す旅に出た。 説明しすぎず、画で魅せる。唸らされる。 なぜトラヴィスは前半、何も語らないのか、なぜ妻のジェーンと直に会えないのかといった突っ込みどころはあるものの、そこをほじくるのは野暮。 映画の醍醐味を感じられる記念碑的作品。

  • 鑑賞日 2018/4/18

    始まりの地、終わりの地

    「パリ、テキサス・・・パリ、テキサス・・・パリ、テキサス・・・」、呪文のように口の中で唱えると、目の前にテキサスの荒涼とした大地が見える。トラヴィスが求めて彷徨う「パリ、テキサス」。何故彼はこれほどまでその地に固執するのか?それはその地が、彼の始まりの地であり、終わりの地だからだ。 主人公のトラヴィスは、常に何かを求めて彷徨っている。その目的が序盤、中盤、終盤とでそれぞれ違ってくる変則的なロード・ムービーだ。冒頭、スーツにネクタイ、赤いキャップというちぐはぐな服装で、髭面の痩せた男がテキサスの砂漠を彷徨っている。演じるハリー・ディーン・スタントンの風貌とも相まって、十字架を背負いゴルゴダの丘を目指すキリストめいて見える。いや、実際彼は見えない十字架を背負っていたのかもしれない。彼は喋らない、食べない、眠らない。一時的な記憶喪失に陥っているようで、それはまるで記憶だけでなく、自分が人間であることすら忘れてしまったかのようだ。持っていた名刺から連絡を受けた彼の弟ウォルトは、4年間失踪していた兄をロサンジェルスに連れて帰る。そこには4年前に弟夫妻が引き取った7歳になるトラヴィスの一人息子ハンターがいた。 この4年の間にトラヴィスの身に何があったのかは最後まで分からない。しかし彼は、テキサスにあるパリという街を目指して、砂漠を彷徨っていたのだ。そこはトラヴィスの父が母と初めて愛を交わした地で、トラヴィスの生命が生まれた地だ。トラヴィスの父は、妻(トラヴィスの母)のことを「パリの女」と友人に紹介するジョークを繰り返しているうちに、いつしか妻を本当に「パリ、フランス」の女と思い込むようになったそうだ。アレクサンダル・ヘモンの短編小説『すべて』で、サラエヴォに住む少年が世界最大の都市はパリだと答える描写が出てくる。世界中の人々が憧れる花の都「パリ、フランス」。しかしトラヴィスが求めるのは「パリ、フランス」ではない。何もない「パリ、テキサス」だ。彼はそこに土地を買い、いつか妻子と住む家を建てる夢をみていた。トラヴィスが大切に持っているパリの写真に写っているのは、何もない砂漠に立つ小さな看板だけ。無味乾燥なその土地は、まるで月に買った土地のように現実味がない。 ハンターはこの4年間、ウォルトとその妻アンに、大切に育てられた。ウォルト夫妻は幼いハンターに、本当の両親のことを教えてある。幸福な時代に撮った8ミリのホーム・ムーヴィーをたびたび見せて、父トラヴィスと母ジェーンのことを忘れないようにさせてはいるが、ハンターに実の息子のように愛情を注いできた。アンは、ハンターが本当の両親のもとへ去ってしまうことを恐れている。それでもトラヴィスに優しく接し、彼にジェーンの消息を伝えるのだ。アンの複雑な心境を思うととても切ない。ジェーンは、ハンター宛てに送金してきていた。まとまった金額の時もあれば、わずかな金額の時もあるが、欠かさず毎月送金してくるそうだ。息子を捨てたかに見えたジェーンの深い愛情を感じさせる。このように本作には、家族間の様々な愛の形が描かれている。 当初はギクシャクしていたトラヴィスとハンターだが、徐々に心を通わせ、2人でジェーンを探す旅に出る。後にトラヴィスがハンターに告げるように、旅の始まりはトラヴィスにとって希望に満ちたものだった。しかし実際にジェーンと再会して、その希望は叶わないことをトラヴィスは悟る。何故か・・・。 ジェーンが働いていたのは「のぞき部屋」という風俗店の一種だ。男はマジックミラーごしの女を見ながら、スピーカーフォンで会話をする。ほとんどの男が性的な目的で彼女たちをのぞき見するのであろうが、中には自分の居場所を見つけられずに、誰かと繋がりたくて癒しを求めてやってくる者もいるであろう。ミラーごしのジェーンは、相手がトラヴィスと知らずに「私、聞くことは得意なの」と言う。やがてトラヴィスは語りはじめる、4年前、妻子を捨てて放浪の旅に出た理由を・・・。 彼は年の離れた美しい妻を愛しすぎのだ。愛しすぎるあまりに、彼女の心も体も縛り付けてしまった。妻はそれに耐えきれず、彼の元から逃げようとするが、彼はますます彼女を縛り付ける。互いに深く愛し合っていながら、傷つけあうことしかできなかったのだ・・・。ガラスごし、受話器ごしの再会。それでも、どんなにか2人が愛し合っているのかが解る。それなのに、2人は再び別れる、見つめあうことも触れ合うこともしないまま・・・。 トラヴィスが何故、再び妻と別れる決意をしたのか、本当の理由は私には解らない。だがおそらく2度と同じ過ちを繰り返さないための決断だったのであろう。トラヴィスはハンターをジェーンに託し、再び旅に出る。 ところで、7歳の愛らしいハンターが3人の中では一番大人なのかもしれない。ハンターにはトラヴィスの自分に対する愛情も、ジェーンの愛情も、そしてウォルトとアンの愛情も全て分かっている。トラヴィスとの楽しい旅が終わる時、彼は黙ってそれを受け入れた。秀逸なのが、4年ぶりの母との再会シーンだ。ハンターの元にやって来たジェーンだが、息子にどう接していいか解らず立ち尽くす。そんな母に、ハンターは自ら歩み寄る。子供らしく駆けていくのではなく、成熟した大人のようにゆっくりと・・・。そうして何も言わずに母の腰に手を回すのだ。これからこの母子はどうするだろう?地に足のつかない生活をしているジェーンと暮らして、本当にハンターは幸せになれるだろうか?理性的に考えると、ウォルト夫妻の元へ帰るのがハンターにとって一番いいことかもしれないが・・・。 トラヴィスはどこへ行くのだろう?再び「パリ、テキサス」を目指すのか?「パリ、テキサス」での夢の家は永遠に存在しない。彼にとって「パリ、テキサス」はまだ意味のある地なのだろうか・・・?

  • 鑑賞日 2018/4/17

    二人の女優と子役が素晴らしい

    二人の女優と子役が素晴らしい。 消える事がかっこいいと思っている我が儘な大人になれない男が、母子を結びつけて、また消える話。前半を我慢してみると後半ぐいぐい引き込まれる。 どうやら同じ監督の「ベルリン天使の詩」と違い女性には余り人気がないらしい(笑)。

  • 鑑賞日 2018/4/14

    長過ぎましたが、期待以上に良かったです

    若い頃に話題の監督として覚えており、やっと観れたヴィム・ベンダースの作品ですが、ベルリン・天使の詩は寝てしまったので、この作品もかなぁ、と恐れていましたが、長過ぎる!とは思ったものの、わりと集中して観れました。話としては、あんな良い弟夫婦をないがしろにして終わるなんて!て感じでしたが、やり取りが丁寧に描かれる感じが長くもあったものの、リアルでもあり…父と息子が仲直りしていく様子や、彼と彼女のやり取りを、とても興味深く、共感しながら観ていることができました。

  • 鑑賞日 2018/4/12

    つまらない

    つまらなかった。退屈。 なんで別れた夫は妻に会えないのか? 子供残してどこ行くのか不明。

  • 鑑賞日 2018/4/9

    トラヴィスという男

    映画の登場シーンというのは、その人物の印象を決定づけるものであるが、このトラヴィスという男ほど風変わりなものもないだろう。テキサスの荒野をスーツに赤い野球帽といういでたちで横断しているのだ。誰に訊ねられても口を開こうとはせず、その硬い表情からは心の裡を読み取ることもできない。 しかしこの男、放っておけない「何か」をもっている。それは彼が前進に対して見せた確固たる、しかし周囲にはまったく理解できない執念であるかもしれないし、やせぎすで黒目勝ちという母性本能をくすぐる容姿のせいかもしれない。いずれにせよ、彼のちょっとお人好しで家族思いの弟夫婦がそうだったように、2時間半にわたる物語の間じゅう、観客の関心を惹きつけておくには十分だ。 ネタばれしない程度に控えめに言うならば、物語の肝は「家族」である。トラヴィスと弟の、息子の、そして妻の。そのどれもが彼なりの正直さに包まれている。たとえ身を引く、去るといった結末が用意されていようとも。 本筋から外れるが、この映画を初めて観たのはBSのテレビ放送であったが、そのさなかに熊本の大地震が発生し、当然ながら放送は震災関連のニュースに切り替わった。それがほかでもない、トラヴィスが息子を伴い妻探しの旅に出た瞬間であったことに、なにか因縁めいたものを感じずにいられない。

  • 鑑賞日 2018/4/8

    「ラッキー」に先立ち、「パリ、テキサス」鑑賞。人は自分しか、自分を通してしか愛せないのか。(テキサス男の)愛の孤独、愛の不可能性の物語。 でも、決して愛の不毛の物語ではないことが救い?

  • 鑑賞日 2018/4/8

    何故?と言う気持ちばかり

    ナスターシャ・キンスキーは「テス」が一番綺麗だと思っていたが、この映画の彼女も捨て難い💦自分が年を経たせいだろうか… それでもこの主人公の気持ち、行動を理解するには…自分はまだ若すぎるようだ(-.-;)y-~~~

  • 鑑賞日 2018/4/8

    ラッキーを見て、名作という本作に興味を持った。今回も演技ではなく本人としか思えない、ハリー・ディーン・スタントンの存在感に圧倒された。この映画はどこかへ行ってしまいたくなる人間の側から描かれている。そのようにしか生きられない人間がいるのは承知だが、真面目に日々を生きている善良な弟夫婦の心情はどうなるのか。善悪では測れないが自分の家族にもトラビスがいるので心が揺れた。

  • 鑑賞日 2017/1/13

    ライ・クーダー

    映像、俳優、音楽すべてが良いが、特にライ・クーダーのアコースティックギターの音色が心に残る。何十年も前だがサントラも買った。もちろんレコード。

  • 鑑賞日 2017/1/9

    ベルリン 天使の詩と2本立てで鑑賞。20代くらいに観ていたら多分ベルリンに軍配だったと思うけど、今の私にはパリ、テキサスの方が心に突き刺さった。(どちらも大変いい映画ですが。) こちらも風景の撮り方が素晴らしい。ラスト近くの夕景は涙が出るほど切なかった。ハンター役の男の子の可愛さも胸を締め付ける。

  • 鑑賞日 2017/1/8

    救いのない映画であるのだが、これが映画

    最初に観たのはジャブだろうか?大学の頃だと思う。 (ジャブ=JABB70ホール。札幌の伝説的な映画館) よく分からない映画だがカッコいいと思ってた。 今回、見直してみて、改めて救いのない映画と思った。しかし魅力的な映画だ。 主人公も、その妻にも、下手したら子供に対して、全く共感出来ない。一般常識人から見ると、何とも無責任で自分勝手な人間に対してはイラッとしてしまうのだ。 だけど、ナスターシャ・キンスキーの涙見てしまうと、何にも言えねえ。となってしまう。 この後も、彼らは、無責任に行動し、一般的には幸せな 方向には向かないだろう。ただ、その善悪を説くのが映画ではない。人間臭さ、人間の苦しみの部分に焦点を当てるのだ。 我ながら、意外な高評価であるが、ナスターシャ・キンスキーの美しさと、映像と音楽の良さ、そして自分の学生時代の趣味を加味すると、こうなるのが必然なのだな。 端役で、ストパラのジョン・ルーリーが出ていた。ここにも、あの時代を感じたのだった。

  • 鑑賞日 2017/1/2

    四年もの間失踪していた兄が見つかったと連絡があり迎えに行く弟。再開した兄を連れて自分の家に帰り、四年間自分の子供のように育てていた兄の息子と再開させる。最初はぎこちなかった2人だが兄と息子の壁は崩れていき、母親を探すため2人でヒューストンへ向かう。 とても、シンプルで分かりやすいストーリーだがそれぞれの一言では言えない微妙な感情や立場が見事に演出されている。 失踪する前に撮っていた8ミリフィムルを映写し兄と弟と弟の妻、兄の息子と鑑賞し翌日兄が父親らしい格好を試行錯誤して考えて、息子を学校へ迎えに行き別々の歩道を歩いて帰るシーンはセリフは一切ないが壁が少しずつ歩みを進めると共に崩れていく様をシンプルかつ映像的に見せていて、とても好きなシーンだった。 最後の父親があのような決断をして、また1人旅に出てしまったかは自分には100%理解は出来なかったが、四年間という空白の時間は彼にとっては簡単に埋められるものではないのかもしれない。

  • 鑑賞日 2016/12/25

    この監督にしては、ストーリーが明確ではあるが、それなりに面白かった

  • 鑑賞日

    われ、解放さるべし

    主人公トラヴィスと妻ジェーンの男と女の愛の物語であり、親子の愛の物語である。 旅とは一種の自己解放と思っている。日常生活と縁を切って、未知の世界へと身も心も遊ばす。彼は心を病んでテキサス州のパリへ行こうと荒野を歩いている。自分がかつて通信販売で買った地所ーそこはかつて母が父と初めて愛を交わした所ーそこは親子三人で住もうと思っていた所。 (この脚本、サム・シェパードはボブ・ディランの“アイ・シャル・ビー・リリースト(われ、解放さるべし)”から、イメージしたものではないだろうか?

  • 鑑賞日 2016/12/12

    弟夫婦が。

    突然消息がわかり、戻ってきた兄トラビスが勝手すぎる。行方不明になった兄に代わって弟夫婦が子どもを育てたのに、子どもの意思に任せた形にして子どもを取り上げるなんて。弟夫婦の立場になって考えるとひどいとしかいえない。ジェーンもかわいそうなことされていると思うよ。いくら妄想癖がらあってもどうにもならなかったとしても弟には相談しようよ。トラビスがカッコいいラストに納得できない。トラビスの行動以外はいい話だった。

  • 鑑賞日 2016/12/4

    待ちに待った出会い

    ◎ NHK-BSプレミアムで放映される映画の難点の一つは、大きな災害が起きたりすると途中で打ち切られてしまうことである。よくあるのは地震の発生だ。公共放送ゆえにやむを得ないことである。この『パリ、テキサス』も熊本で大地震が起きたために3分の1ほどを残して地震関連番組に切り替わってしまった。同じ枠で放映されたイーストウッドの『恐怖のメロディ』も別の地震のために打ち切られた映画であったが、NHKは1月ぐらい後に再放送してくれた。ところが、この『パリ、テキサス』なかなか取り上げてもらえず、8か月近くも過ぎてからようやく残りを観る機会を与えてもらえた。 ◎ そこで、トラヴィスが息子を連れて妻を捜しに出かけるまでをまず倍速再生して観た。近頃のDVDレコーダーは進化していて、2倍速ならばきちんと会話も聞こえるし、字幕も出る。トラヴィスはせかせかと歩くことになるが、もともお非常にゆったりとした映画なので、2倍速ぐらいのほうが、普通のテンポといった感じもする。そして、2人がヒューストンでいなくなった妻を待つシーンから通常再生にして楽しむ。何しろここまで肝心のナスターシャ・キンスキーは8ミリの画面の中にしか登場してきていないのである。ようやく彼女の美しさに巡り合うことができた。 自分もトラヴィスになった気分だ。それだけに、自ら一人で去るラストがつらい。

  • 鑑賞日 2016/12/5

    こんなに悲しいお話だったっけ?

    公開1984年。多分その後VHSをレンタルして見たんじゃないかな。 ライ・クーダーのギターは覚えてるのに、筋を全く覚えてなかった。 ナスターシャ・キンスキーは記憶の何倍もかわいくて美しい。なんてすごい美少女だったんでしょう。 こんな美少女と、やさぐれたおじさんが?と思うけど、似合わない二人の関係が、最後の会話で突然光を帯びてくる。 30年前の、まだ小娘だった私には浸透しなかった、静かな、かなしみだなぁ。今の私には、自分のことのように泣ける。 テキサスの砂漠のような荒涼とした感情じゃない。温もりや湿度のある、人の温かみのある感情だ。 愛と憎しみはよく似てる。その本質は執着だ。 それがなければ生きる力が湧いてこない。枯れかけた男が、その、愛のような憎しみのようなものをどんな風に忘れて、どんな風に思い出したんだろう。 ヴィム・ヴェンダースやっぱり凄いなぁ。これは中年になってから見るべき作品です。 しかし、なんとも、日本人情緒的なものが漂ってくる。真っ青な空と赤い砂漠なのに。もっと深くてもっと歯ぎしりするくらい切ないのが、韓国的な情緒で、静かな諦念と弱さが感じられると日本的、のように私は捉えてるわけですが。。 ハンター少年が、まだ7歳なのに大人のように喋るのがなんとも言えない魅力で、その一方で、弟の妻アンヌの舌ったらずの英語も印象的。なんなんだろう、この大人と子供の倒錯感。

  • 鑑賞日 2016/7/6

    綺麗な映像が見られるロードムービー

    この映画が公開されたのが1985年であることをハッキリと憶えている。 その理由は、自分が社会人1年目、鎌倉(大船撮影所の裏)の独身寮に住んでいた頃、同室の同期入社の男が「今日、東京まで出て、映画観て来た。『パリ、テキサス』という映画だったが面白かった」と言っていたので。 自分も、当時、行きたかったのだが、大船から渋谷などへチョット行くには遠すぎて、見損なっていたのがこの作品。 あれから30年以上経って、ようやくこの映画を観た。 ヴィム・ヴェンダース監督作品、ハリー・ディーン・スタントン主演。 ナスターシャ・キンスキーも主演だが、出演時間は短い。ただ、存在感は抜群。 ロードムービーとは知らなかったが、綺麗な映像が多く出てくる。 特に、マジックミラー越しに男女が会話するシーンは素晴らしい。 ただ、やや冗長なのが、やや惜しい。

  • 鑑賞日 2016/6/27

    あまりに美しい映像ではあるのだが

    前半、テキサスで行き倒れになった兄を弟がロスアンゼルスの自分の家に連れて帰るまでは、美しい場面の連続でやはり二人兄弟の弟の自分には胸を締め付けられるばかり。 ロスアンゼルスでトラヴィスは自らが捨てた8歳になる息子ハンターと再会する。この男の子が超絶可愛い。金髪白い肌、でスターウォーズの真似や相対論の話をする。母親代わりの叔母アンがフランス語なまりの英語を話すのもすごくいい。だがトラヴィスが失踪したジェーンをハンターと一緒に探しに行くあたりから、ちょっと雰囲気が変わってしまう。ジェーンはナスターシャ・キンスキー!風俗店で振り返った姿の美しさ。赤いセーターもいい。この晩トラヴィスは呑んだくれるのだが、この夜のシーン、点滅する赤いライト、青い光、黄色いネオンの画面からは小津の匂いがする。次の安宿のシーンでもトラヴィスの赤いジャケット、ハンターの赤いシャツ、そしてテーブルの上の赤いラジオ。これは「お茶漬けの味」「彼岸花」のあの赤いラジオとタイプが一緒。「浮草」のラストの電車の赤いライトと似たようなイメージのショットもあり。 ただ画は美しいがトラヴィスはジェーンにハンターを預けてまた何処かへ行ってしまうというラストには全く納得できない。ウォルターとアンの弟夫婦は?ジェーンとハンターは弟夫婦とどうするの?あやふやに始めてあやふやに終えてしまうって、ちょっとどうなのよ?!

  • 鑑賞日 2016/5/29

    熊本大地震

    夢遊病者のような男が砂漠をさすらうオープニングから、4年間行方知れずであった兄との連絡を受けた弟がLAからテキサスに飛ぶ。兄が飛行機嫌いとの設定から、ロードムービーになるのかと思いきや、意外とあっさりLAにたどり着く。 4年前から弟夫婦に育てられてきた息子とのぎくしゃくした関係を元に戻そうと、別れた妻を探す旅に出るところで、今度こそロードムービーになるのかと思いきや、熊本での大地震発生。金曜夜中のNHK BSプレミアムは気に入った映画を録画しておいて、後で観ることが多いのだが、1ヶ月前の熊本地震に出くわすとは思わなかった。とても映画を続映させられる状況ではなく、ビデオはその後ニュース速報に切り替わった。次の機会にはちゃんと最後まで観られるように。

  • 鑑賞日 2015/5/25

    ライ・クーダーのギターは、パリよりもテキサスが似合う。

    脚本はサム・シェパード、凡庸な監督が撮れば、あっという間に 終わってしまうのではないか。美しい色彩感覚で画面をきっちり作りながら、 ヴェンダースのカメラは心理の奥のひだを描こうと、ねばりにねばる。 確固たる演出プランがなければ、スタッフ・キャストも安易なロード・ムービーに 流れてしまうのではないか。やはり演出家の力だろう。 画の強さが、ひしひしと伝わる。役者の息づかいまでもとらえる。 嘘くささが極力排除され、4年の歳月の重さと妻の失踪という重いテーマに迫る。 マジックミラーの部屋の長回しは感動的だが、仕込みの丁寧さが生んだということか。 ロード・ムービーは、どういう軌跡を描くかがポイントになるが、 本作の彫りの深い轍は強烈の一語。

  • 鑑賞日 2016/1/30

    約束の地へ、男は黙々と歩を進めるー。

    果てしなく続くテキサスの荒野を赤いキャップを被った髭面の男が何かに取り憑かれたように黙々と歩を進める。約束の地テキサス州のパリへ向かう為、男は一心不乱に歩を進めるー。 数多あるロードムービーの中でも傑作の呼び声高く、1984年のカンヌ映画祭でもパルムドールを受賞した巨匠ヴィム・ヴェンダース監督作品。 物語前半は弟ウォルトとの兄弟、中盤は息子ハンターとの親子、後半は妻ジェーンとの夫婦の、主人公トラヴィスを介した関係性を描いており、荒涼とした砂漠と真っ青な大空そして上記登場人物達の心の襞をライ・クーダーのスライドギターによって繊細かつ効果的に表現されていて映像美と共に心に沁み入る画作りとなっている。 中盤、幸せだった頃の8ミリ映像を観て以降、ぎこちない会話や下校時にお互い反対側の歩道を歩きながら徐々に距離を詰めていくシーン等、トラヴィスが息子ハンターとの溝を埋めようと悪戦苦闘する場面がとても印象的。 特筆すべき点として妻役のナスターシャ・キンスキーの浮世離れした美しさ。ジャケットアートにもなっている背中からの振り返るファーストシーンのその姿は正に「見返り美人」。息を呑む美しさとはこの事なのかと心奪われる瞬間でもあった。 終盤、トラヴィスがカセットテープで息子ハンターに贈るメッセージ、マジックミラー越しの妻ジェーンに語りかける独白は正に「愛」の真実。傲慢さ、未熟さ、嫉妬心、猜疑心そして喜びや未来への希望ー。4年間彷徨った挙句、トラヴィスが最後に導き出した答えは、親として夫として男として、そして一人の人間としての覚悟を垣間見せる凛とした姿なのだった…。

  • 鑑賞日 2010/11/26

    アメリカ臭さ

    はじめてこの映画を観た時の感動は、今でも覚えている。 こんなにかっこよくて、こんなに切ない、 理屈じゃないんだよって、この空気感なら、 なんでも受け入れられた。 なのに20年近くたった、今改めて観たら、 うーん、なんだか、すごくアメリカっぽくて、、、 そのアメリカ臭さがハナについてしまった。 そりゃ、テキサスが舞台なんだし、 アメリカの俳優が出てるんだから、当然で、 そんなこと思う方がどうかしてる。それはわかってる。 近年、ヴェンダースの映画をいくつか観たせいなのか、 より、ヴェンダースにはまっているのかも。 『パリ・テキサス』は他のヴェンダース映画より、 わかりやすいし、観やすい。 だから余計につまんないことが気になっちゃったのかも。。。 とはいえ、ギターの音色にしろ、 テキサスのランドスケープにしろ、 ヴェンダース色は炸裂してる。 この映画に不満なんて、ホントないんだけど。 なんだろうな。 まあ、次に観たら、また違ってるかも。 気まぐれなので、ね。 主人公はサム・シェパードじゃなくて、ホントよかったと思う。 ナスターシャ・キンスキーは雰囲気あるなぁ。 (2010.12.28)

  • 鑑賞日 2016/5/8

    ライ・クーダー!

    ラストシーンが美しい、そこにライ・クーダーの切ないメロディ。

  • 鑑賞日 2016/4/30

    探し出して、去っていく男の悲しみ

     静かで落ち着いたカメラワークと物憂げでどことなく物悲しいギターの爪弾き(音楽はライ・クーダー)が心に傷を抱えた冴えない中年男トラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)の孤独を描き出していく。生きる目的も失ったように荒野を彷徨う男の姿には記憶を失うほどの自暴自棄が秘められていた。それを映画はひとつひとつ剥がしていく。兄想いの弟(ディーン・ストックウェル)やその妻らの優しさに迎えられ一人息子のハンターと再会。傷ついた心が次第に癒されていく。はじめこそぎこちない関係だった息子との間も次第に親子としての絆を取り戻し、行方をくらました妻(ナターシャ・キンスキー)を二人で探しに出かけることになる。後半はこの二人のロードムービーとなる。  寡黙な男の過去は最初、謎として提示されるけど映画は急いてそれを説明しようとはしない。その謎解きはクライマックスのモノローグのようなトラヴィスの語りにすべて集約されている。このマジックミラー越しの妻との会話という演出が心憎いほど情感を高めてくれる。ただせっかく会えてわだかまりも氷解したかに見えたのになぜトラヴィスは去らなければならなかったのだろう。身を引くことでしか妻と息子の幸せを作り出すことができない男の有り様とはなんと悲しいことだろう。それでも最後ハンドルを握るトラヴィスの頬を伝う涙と笑みにはそれまで無表情だった男に人間らしさが戻ったような悲しいけれどもなんとも幸せな満足感のようなものを感じ取ることもできる。舞台はアメリカでもおよそアメリカらしさを感じさせない、ヨーロピアンテイストのあるいは日本的なといってもよい家族再生のドラマ。

  • 鑑賞日 2016/4/16

    その時、大地震が。

    眠い眼を擦りながら、本作の三度目のテレビで鑑賞。2016年4月16日午前1時25分、テレビの画面が地震予告の画面。父親と息子が母親を二人で探しに出かけた時の場面であった。不安な人々の画面が眼に飛び込む。熊本城の武者返しが無残にも崩落。5年前の東北大地震を思い出す。ただただ、お亡くなりになった人のご冥福を。合掌。

  • 鑑賞日 2016/4/16

    味があるねぇ 噛めば噛むほど味が出る感じ ちょっと古いから画質は良くないし、特徴的なシーンもないんだけど、全体的にものすごく画のバランスがいい

  • 鑑賞日 2016/3/21

    ロ-ド パリテキサツに.赤帽子が光る 

  • 鑑賞日 2015/7/29

    年とってから見るとまた違う味わい

    20代の時に見て以来、15年ぶりくらいに見た。 40代になってみると、子供を捨てていった両親の身勝手さが腹立たしい。子供の親代わりになった弟夫婦の存在も無視するってひどい。 でも、緩い時間が流れるいい映画。 ヴェンダース作品の中では一番好き。

  • 鑑賞日 2015/3/18

    ヴェンダースの限界

    30年ぶり、会社の同好会で会議室で観賞しました。客席はまばらで少ない。なかなかこういう映画を今見る人はいないでしょうね。ナスターシャ・キンスキーの魅力も薄れ、『テス』で放った衝撃も今や昔ですね。 この映画って『地獄の黙示録』なんですね。ウィラードがカーツを殺しにメコン川を遡る。この過程があの映画をモチーフにしてる印象が過ぎります。当のナスターシャ・キンスキーがなかなか出てこない。『地獄の黙示録』のマーロン・ブランド状態。実際のところ、『地獄の黙示録』で全財産を使い果たしたコッポラは、ゾーエトローフ・スタジオを設立し『ワン・フロム・ザ・ハート』を完成させますが、これが大失敗。この映画もナスターシャ・キンスキーが主役でした。 こうしてみると、ロマン・ポランスキーに見出され、コッポラ、ヴェンダースと続いて一躍スターになったキンスキーは、この時代に彼女の個性も存在感も全て置き去りにされてしまったのかもしれません。 そしてまた、ヴェンダースの能力のなさも感じました。この映画が彼の限界。『ベルリン、天使の詩』にしても、彼の限界。30年ぶりに見た映画は確かに美しいのですが、サム・シェパードの脚本に頼る面が多く今見ると内容は凡庸。でも、『普通の人々』とか『クレイマー、クレイマー』に代表されるように、家族の在り方が問われる時代。その中で、年の離れた男女の別れが狂気に変わる局面を言葉だけでつないでいるところが面白いといえば面白かったと思います。 映像も美しく、当時の印象としては空の青とか砂漠の黄色のイメージ、あるいは少年と母親のブロンドヘアーでしたが、年を重ねてあらためて見ると、赤が目立ちました。主人公のトラヴィスが着てるシャツとかモーテルのシーツとか、いたるところに赤が使われてます。青と黄色と赤。光の三原色を見事にフューチャーした印象映画でもありますね。 そして、弟の妻がフランス人だったのも当時気づかなかったこと。パリ、というタイトルから、このフランス人女性の存在感もこの映画の大きなポイントですね。

  • 鑑賞日 2015/2/15

    「デリンジャー」で真の男の死に様を最高に格好良く見せてくれた、ハリー・ディーン・スタントン主演の傑作。ヴェンダース監督の演出はシンプルで無駄がない。ナスターシャ・キンスキーの働く個室テレクラの支配人役で、ジョン・ルーリーが出ていたのは今回気がついた。

  • 鑑賞日

    ライ・クーダーのスライドギター!

    映画は3つのステージに分けられます。 ①テキサスの原野を一心不乱に歩く男トラヴィスが保護され、弟ウォルトが迎えに行き、ロスの自宅に連れて帰るまでのロード・ムービー。 ②ウォルトと妻のアンナが育てていたトラヴィスの息子ハンターと、トラヴィスとの交流(ウォルトの家に滞在) ③トラヴィスとハンターがジェーン(トラヴィスの元妻で、ハンターの母親)を探しにヒューストンに行くロード・ムービー。 本作もヴェンダースの映画を多く手がけたロビー・ミュラー(=映像のレンブラント)が撮影を担当している。テキサスからロスに向かうハイウェイの撮影はまさに「映像のレンブラント」の呼び名にふさわしい。夕暮れ時のハイウェイ、空に残る夕焼け、ドライブインの黄色い壁や赤い屋根…何気ないものを写しても一つ一つが鮮やかで美しく目に焼きつく。そして昼間のハイウェイ。ロングショットで真横から撮る映像は上3分の2ほどが空である。空と地面の間にまっすぐ伸びたハイウェイを進む小さな車…。あまりにも広大で美しく悲しい。私はこのテキサスからロスに向かう兄弟の旅の映像が、映画の中で1番好きなところです。そしてあまりにも、あまりにもこの映像にぴったり合うライ・クーダーのスライドギター!! ウォルトの家に滞在しながら、4年ぶりに会った父子の関係を取り戻す描写も素晴らしいです。息子役のハンター・カーソンがとても可愛いですし、ユーモアも感じさせながら、例えば道の両脇を相手のマネをしながら歩く2人が、やがて寄り添うシーンなど、心温まる上手いシーンだと思います。かわいがって育ててきた甥が自分たちから離れていく、ウォルトとアンナ夫婦のさびしさも丁寧に描かれています。 やがてトラヴィスとハンターはジェーンを探す旅に出ます。ここでもハンターの子供らしさ、男の子らしさ、可愛らしさが物語を大変魅力的なものにしています。ついに遭遇するジェーン(ナスターシャ・キンスキー)は息をのむほど美しいですね! ところが、この先がどうも私には消化不良なんですね。それは登場人物の行動や考え方に対する不満なので、映画に対する不満ではありません。「パリ、テキサス」は最高のスタッフ、キャストに恵まれた素晴らしい映画だと思います。 本作はサム・シェパードとL・M・キット・カーソンの共同脚本です。(ヴェンダースは、サム・シェパードを「ハメット」のハメット役に起用したかったが実現しなかったので、そのリベンジだそうです)。 1983年9月に撮影が開始され、途中資金がなくなってジョン・ヒューストンにお金を借りたり、最後はスタッフが報酬を断念せざるを得ないところまで追いつめられたこともあったとか。 そして1984年、「パリ、テキサス」は公開され、カンヌ映画祭グランプリを受賞しました。 カンヌ国際映画祭 1984年 パルム・ドール FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞 全キリスト教会審査員賞

  • 鑑賞日

    歩き続ける男。。

    何も語らずに歩き続ける男。。いったい彼は何処へ向かっているのだろうか・・140分を超える長~いロードムービーですけど悪くないです^^ナスターシャ・キンスキーはなかなか登場しないのですが(笑)凄く綺麗でした(^u^)

  • 鑑賞日

    忘れ難い場面満載☆

    巨匠ヴェンダース監督の手腕が存分に発揮されたロードムービーだと思います。 私の勝手な想像かもしれませんが、本作で感じたことを言わせて頂きます。 まず序盤ですが、主人公トラヴィスが荒野をさ迷うところから始まってます。ここでは荒野の静けさをしっかりと伝えてくれてます。観光地として名高い、グランドキャニオンやデスバレーなんかでも本当に音がありません。鳥や虫の鳴き声、水の音とあらゆる音がない場面は臨場感が抜群でした☆ その後、弟の世話になり息子ハンターと4年ぶりの再会を果たします。ハンターはトラヴィスに対して、恨みごとを全く言いません。ハンターは8歳児であり、親の存在はまだまだ大きいはずです。その子が実の父と育ての両親に遠慮をしている…。普通に考えたら凄く辛いことです。なんて優しい子供だと、ただ感動するのみでした。 中盤になると、別れた妻のジェーンにトラヴィスとハンターが会いにいきます。その時のボトルネックギターの奏でる音が実に良かったです。本来なら音のない荒野に合う音はこれしかないと確信するぐらいの思いで聞きました。 クライマックスはトラヴィスとジェーンの覗き部屋での鏡ごしの会話ですが、名シーンでしたね☆トラヴィスは父の資格がないと自分で分かってたし、今できるベストウェイをやったのだと思います。ジェーンの想いを汲む、罪滅ぼしだったのでしょうね。 本作は最高の映画ではないと思いますが、あらゆるシーンが生々しくて私の中では強烈なインパクトを残してくれた作品です。

  • 鑑賞日 2014/8/11

    ロードムービーの傑作

    もっと難解な映画かと思ったけれど、実にシンプルに作られた愛のロードムービー。 単なるメロドラマと見ることもできるかもしれないが、親子の愛を取り戻して自分の過ちを償おうとした男の美しいロードムービーだと思った。 特に、終盤の二人の別れの顛末を語る部分は、どんな恋人同士や夫婦も経験する普遍的な愛の難所を見事に説明していて素晴らしかった。これが、さらにその後に描かれる終局を美しく盛り立てていたね。 良質な物語と、美しい風景、音楽に彩られた傑作。

  • 鑑賞日 2014/7/31

    空白が空白のまま孤独に輪をかけ傷はいっそう治らない…

    離散した家族の距離が縮まっていく過程をロードムービーとして緩やかに淡々と描かれていて良かった。距離は縮まったが一度壊れてしまった以上、元の距離には戻れないのは切ない。親父の心象を表した冒頭のテキサスの美しさ、広大さが印象的。(キービジュアルはその画に元妻でいっぱいってのがまた意味深で泣かせる!)窮屈な家庭や社会に嫌気がさしたら、こんな、なーんもないところを歩いてみるのもいいかもね。嫌な事どころか記憶も言葉もきれいさっぱり吹っ飛ぶ!のは行き過ぎだけど。それにしても旅にギターの音色って本当に合いますね。

  • 鑑賞日 2014/6/23

    赤い色

    記憶を失っていた男・トラヴィスが行こうとしているのは、パリ。フランスではなく、テキサス州にあるパリスという土地だ。常に手離さない一枚の写真には、荒れた砂地が写っている。まるでトラヴィスの心象風景のようなこの場所に、何があるのか。家族を失った男が行きたがった所は、父と母が初めて愛をかわした場所。何もない不毛の土地には、その昔、愛が確実に存在していた。 息子のハンターは7歳。父親の記憶はどの程度あるのだろうか。4年振りの再会はぎこちないが、トラヴィスの静かな挨拶は感情がこもっている。ハンターの表情が大人っぽい。物心ついた頃はウォルトとアンヌに育てられたので、ハンターにとっての両親はこの二人だ。かわいい盛りを育ててきたアンヌはすっかり自分の息子のような愛情を抱いていて、トラヴィスの無事を喜ぶ半面、ハンターを奪われるのではないかと言う不安も隠せない。ウォルトはその辺りは十分にわきまえていて、息子同然のハンターを手放すことを、最初から覚悟していた節が窺える。 父親らしくありたいと願うトラヴィスの行動が、軽い笑いを誘う。父親らしさを雑誌で探しているのが、何とも不器用だ。見兼ねた家政婦のアドバイスは、威厳のある歩き方。しゃれた服をウォルトから借用して、ハンターを迎えに行くシークエンスが味わい深い。 8㎜カメラの映像には、仲睦まじい頃のトラヴィスと妻ジェーンの姿が映し出されている。水槽の後ろから覗いているハンターは、一見興味無さそうな振りをしているが、気持ちはかなり傾き出しているのが見て取れる。映像の中の一家は、実に楽しくて幸せそうだ。宇宙が好きなハンターは、幸せを感じられる8㎜の映像を、「スターウォーズ」のオープニングになぞらえる。実に達観した子供だ。 父と息子は赤い服を着ている。ようやく見つけ出したジェーンの車は赤いシボレー。家族はまだ、赤い色で繋がっている。鏡を上で重なる、ジェーンとトラヴィスの顔のショットは、過去の愛情の亡霊のよう。マジックミラーという映像的な一方通行の小道具が、二人の現在の関係性の象徴でもある。 本作はロードムービーの傑作と言われている。愛と家族を失くした男が、長い放浪の末に再び手にしたものと出来なかったもの。完全とは呼べない旅の終わりに、様々な想いを過らせる作品であった。

  • 鑑賞日 2012/1/28

    [2012.01.28]★★★☆☆

    おれは責任を果たさなくてはいけないから一緒にはいられない、と言っていたけれど、一緒にいて償っていくことが責任を果たすことなのでは、と若いわたしはおもうのでした。

  • 鑑賞日 2013/12/18

    90

    綺麗な映像と音楽が好きだった。 トラヴィスと彼を取り巻くすべての人たちとの心の距離感が絶妙に表れていた。彼は空白の4年の間に深いところまで落ちてもう誰かと生きていくのがしんどくなってしまっていた。誰が彼を救えるんだろう。彼の今後の人生を考えて悲しくなった。

  • 鑑賞日 2013/9/5

    男と女の一風変わった愛の形

     舞台はアメリカのテキサスとロスアンジェルスとヒューストン。4年前に行方をくらましたトラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)という男がテキサスの砂漠のレストランで行き倒れているのが見つかる。その連絡がトラヴィスの弟でロスに住んでいるウォルト(ディーン・ストックウェル)のもとに入り、ウォルトは現地に兄を引き取りに行く。ウォルトは、トラヴィスが飛行機に乗りたがらないためレンタカーを運転して自分の家まで連れてくる。これまでウォルトと妻のアン(オーロレ・クレメント)は、トラヴィスとその妻で今は行方が分からないジェーン(ナスターシャ・キンスキー)との間に生まれたもうすぐ8歳になる息子ハンター(ハンター・カーソン)をわが子同然に養ってきて愛着もひとしおである。そこにもう死んだかもしれないと思っていたハンターの実の父親が、記憶を失ったような状態で突然現れたわけなので、アンは大いに動揺する。4人でしばらく暮らすうちに、アンはトラヴィスに、ジェーンが毎月5日にヒューストンの銀行からハンターのためにお金を振り込んでくるという話を打ち明ける。トラヴィスは離別したジェーンにもう一度会いたいと思い、中古の車を購入しボクも行くと言うハンターと一緒にヒューストン目がけ出発する。  一風変わった夫婦(男女)・親子を描いた愛情物語だ。トラヴィスとジェーンは決してお互いが嫌いになって別れたのではなくて、逆に当時17歳の若く魅力的なアンを、中年で年が離れすぎているトラヴィスが何事がなくても嫉妬心を起こしてしまうほどに愛しすぎ、自分のそんな状態に耐え切れず精神に変調をきたして失踪したということのようだ。しかも我々の理解を超えるのは、最後にアンがハンターと再会を果たしたのを見届け、トラヴィスはまた一人去って行ってしまうところだ。(テキサスにあるという、昔、トラヴィスの両親が出会い愛を育んだ「パリ、テキサス」という名の土地・・・これが映画のタイトルの由来であり、映画の中でこの土地の写真をトラヴィスは片時も離さず持っている。・・・にでも向かうのだろうか?)従って我々の日常的でリアルな感覚からはかけ離れた映画である。これはむしろ、現実を超越し時空を超えて貫かれている「ある愛」の形を提示して見せたことに意味があり、そこにヴィム・ヴェンダース監督の現実から距離をとった映画的メッセージが込められていると思う。  この映画は、・・・製作はドイツなのだが・・・アメリカの大平原を背景とした車によるロードムービーでもあり、目の前を過ぎ行く道路、空、街並み、建物など、アメリカ南西部独特の景観や色彩も大いに楽しめた。

  • 鑑賞日 2013/8/10

    アメリカの人間砂漠

    テキサス州の砂漠をただひたすら歩く主人公トラヴィスをカメラが追うシーンから映画は始まる。彼は何も語らない。そしてその弟ヴォルト、その妻ヤンヌ、そしてトラヴィスの実子のハンターとの出会い。最終章でトラヴィスが心から愛したにも関わらず結婚に破綻したジェーンとの劇的な出会い、テキサス、サンフランシスコ、再びテキサスへと場面は変わって行く。鏡を隔てられたトラヴィスとジェーンの会話でこの悲劇の本質が語られる。そして結末は?バックで流れるライ・クーダーのギターサウンドが見終わっても余韻を残す。監督ウィム・ヴェンターズの世界が成就した名作である。

  • 鑑賞日 1985/10/10

    大傑作

    1985年10月10日に鑑賞。大阪・梅田三番街シネマ3にて。前売1100円。 ヴィム・ヴェンダースの最高傑作である。ナスターシャ・キンスキーが美しい。 [1985年・私のベスト10] ・[洋画]①アナザー・カントリー ②プレイス・イン・ザ・ハート ③パリ、テキサス ④私生活のない女 ⑤ル・バル ⑥三人の女 ⑦ヴィデオ・ドローム ⑧エメラルド・フォレスト ⑨刑事ジョン・ブック目撃者 ⑩殺意の夏 ・[邦画]①ラブホテル ②それから ③さびしんぼう ④台風クラブ ⑤ひとひらの雪 ⑥カポネ大いに泣く ⑦生きているうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言 ⑧タンポポ ⑨火まつり ⑩みんなあげちゃう♡

  • 鑑賞日 1988/4/30

    孤独感をロードムービーでとことん描く。

    トラヴィスがナスターシャ・キンスキーと マジックミラー越しに話す場面がいい。

  • 鑑賞日

    対面シーンには涙。色調もメリハリが素晴らしい

    青と黄色、そして静かに流れる風景と濃い顔のナスターシャ。まあ見事な映像芸術ということで。

  • 鑑賞日 2013/4/8

    タイトルがかっこいい

    荒野を彷徨う疲弊しきった男が、再び妻子との絆に向き合う物語。後半が少々冗長に感じてしまいました。

  • 鑑賞日 2007/6/1

    20年たってから見ても最高ってすごい

    学生の時分に観た映画を20年も経ってから見ると感じることが全然違う。それなりに社会経験もして、知っていることが多くなってきたからか、ことごとく違っている。未熟だったからとか、成長したということだろう。成長していることの確認としては嬉しいが、当時の未熟さを知ってこれしか成長していないのかと思うと悲しいやら。 とはいえ、パリ、テキサス。やっぱり良かった。最高。よかったイメージだけは残っていたけれど何が?というと具体的に言えないくらい遠い彼方にいってしまっていた。ライ・クーダーの音楽もサントラ買っていたくらいだが、映像と一緒になるとやっぱり格段によい。ナスターシャ・キンスキーもやっぱりよいし。これで、あらためてMYお気に入りリストに復活できたのは、旧友に会えたみたいですごく嬉しい発見。 どうでもよいことだけど、ジョン・ルーリーがちょい役で出てたのね。当時は彼のこと知らなかったけど。

  • 鑑賞日 2013/1/20

    愛し合いながらも、人の心は永遠にすれちがう

    心に残る映画。ナスターシャ・キンスキーの美しさ。あの頃夢中になっていたS・シェパードの脚本。 言葉の響きがここまで美しい映画を知らない。ライ・クーダの音楽は圧巻。このダイアローグは今でも諳んじることができる。 ときどき、疲れた時に無性に観たくなって、「愛」について考える。 結末のなんとビターなことだろうか。

  • 鑑賞日 2010/1/6

    失ったものの代償は大きかった...

    自分のBLOGより: 不思議で哀愁漂う音楽と壮大な風景をバックに描く ロード・ムービーの金字塔。 荒野を赤い帽子をかぶった男がさまよう。 その男はとある店で倒れてしまう...。 医者は困っていた。その男が何も話してくれないからだ。 しかたがなく彼の弟を連れてこさせるが、 その男は逃走してしまう。 なんとか弟はその男を発見しロスへ帰る途中、 その男がやっと口にした言葉は“パリ”だった。 ロスでは弟の妻と彼女が預かっている成長した息子 ハンターがいた。男は息子との壁、消えた妻、 妻から息子へのわずかな送金を知る。 ある日、男は息子と一緒に妻捜しの旅にでかける...。 悲しい現実を突きつけられた男の話を風景、音楽、 家族構成すべてにおいて完璧に描いた傑作。 あんまり“パリ”は関係ない(?)が“パリ”の写真が 主人公そのものを表現しているとこが良かった。

  • 鑑賞日 2012/8/26

    これは評価が分かれる作品だと思った。 少なくとも前半の主人公の状態(無言、記憶喪失)には引き込まれたし、数々の名シーンもあった。 しかし、これがラストへ有機的に結びついていったかというと、期待したほどではなかった。 つまりどちらかといえば、ワンシーン、ワンシーンを見る映画だったかなと思う。 全編を通した静かな空気は魅力。

  • 鑑賞日 2010/11/22

    ディス・コミュニケーション

    本作のテーマは“ディスコミュニケーション”だろう。 記憶喪失になり、ずっと黙り込む1人の男。 その男を取り巻く家族は、そんな彼を愛してはいるが、上手く触れ合えない。 寄り添いたいのに寄り添えない。 その空を掴むようなコミュニケーションによる空虚さ。 それが乾いたテキサスの荒地と一体となって押し寄せる。 トランシーバーや電話といった小道具も、間接的な意思伝達の手段として象徴的な役割を果たしている。 そんな互いの距離感を、ヴェンダースは映像の構図で巧みに描き出している。 車内の座席によって兄と弟、学校から家までの帰り道によって父親と息子、そしてマジックミラーによって夫と妻の、それぞれの微妙な心理的な揺れ動きを見事に視覚化することに成功している。 また、主演のハリー・ディーン・スタントンが良い。 枯れ果てた荒々しさとでも言うべきか。 ミステリアスな雰囲気の中にも人間的な温かみが確かに宿っている。 そして、土着の匂いを放っている。 大地を踏みしめ、どこまでも歩いていく。 その不器用な生き方がまたよく似合う。