『フェリスはある朝突然に』で観る人全てをフェリス・ビューラー気取りにさせたあのジョン・ヒューズ監督が贈る、「ここまでやりますか!」的大災難トホホのちじんわりあたたかムービーの傑作であります。『大災難P.T.A.』の「P.T.A」はあれです。「Parent Teacher Association」ではありません。原題は「PLANES, TRAINS & AUTOMOBILES」。主人公2人(主にスティーヴ・マーティン)が家までたどり着くまでに使う交通手段です。飛行機でも電車でも車でもたどり着けないほどの大災難!!その全てをあなたは目撃する!

感謝祭の2日前、エリート広告代理店マンのニールはクライアントへのプレゼン終わり、シカゴの家へと飛行機で帰ろうと必死。やっとの思いでタクシーを捕まえたと思ったら、巨漢の男にタクシーを横取りされてしまう。はらわたが煮えくり返る思いでなんとか飛行機に乗ったものの、ファースト・クラスの予約は感謝祭の混雑の為キャンセルされ、「席があるだけありがたく思え」とばかりにエコノミーに送られる。さらに追い打ちをかける様に、隣のシートにはタクシーを奪った憎き巨漢の男が!

この巨漢の男を演じるのが70年代から90年代までのアメリカン・コメディの象徴でもあったジョン・キャンディ。あのいかにも「気が良くて」「がさつで」「厚かましい」感じのルックス通りのキャラクター、デルをこの映画でも演じています。スティーヴ・マーチン演じるちょっと神経質なニールの神経を逆なでしまくりイラつかせまくりの90分強。そう、デルこそニールに起こった「大災難」なのです。

「アメリカのコメディって日本人にはちょっと大げさすぎるっていうか…」という方も食わず嫌いをせずにぜひご覧ください。今や当代一のコメディアン、スティーヴ・マーティンはいかにも日本人好みする「やりすぎない面白さ」の達人ですし、熊の様な体躯に愛くるしい目で申し訳なさそうにスティーヴ・マーティンをみるジョン・キャンディの姿はなんともほほえましい。

果たして2人は無事家にたどり着く事が出来るのか!?ちょっとした秘密と押し付けがましくない感動があなたを待っています!!

ジョン・キャンディは1994年に心臓発作で急逝してしまいましたが、ご存命だったらぜひまたこの2人の珍道中が観てみたかったなぁと強く思う次第です。

TM & Copyright © 2015 by PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. All rights reserved.