大好きな「冒険者たち」のロベール・アンリコ監督とリノ・バンチュラのコンビ作というだけでワクワクだったこの作品、その期待を裏切らない「映画愛」に満ちた快作です。1920年代、カリブ海の密輸船のイカツイ船長が映画館で銀幕の中の女優に惚れて、彼女の出演作を求めてカリブ海の島々の映画館をハシゴ(?)し、ついには本物の彼女と偶然出会い恋をするというなんとも可愛らしいおとぎ話。そして無骨だけどやさしい船長にリノ・バンチュラ、女優にブリジット・バルドーというおとぎ話に説得力を持たせてしまう最高のキャスティング。監督がサイレント喜劇、西部劇、ギャング映画、メロドラマなど、古き良きハリウッド映画に捧げるオマージュもこの映画の見どころのひとつです。映画ってホントにいいものですね。
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