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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】銀輪次郎
ヴィム・ヴェンダースが、尊敬する小津安二郎の捉えた風景を探す私的ドキュメンタリー。ヴェンダース自身の東京への旅を通して、東京の映像を収めていく。小津映画に出演した俳優の笠智衆と撮影監督であった厚田雄春への撮影当時のインタビューは必見の内容。 ヘルツォークが、失われた東京の風景について、東京タワーで熱く語るシーンもあります。撮影された時期は、近いようで遠い1983年春。新幹線、地下鉄駅、パチンコ屋、ゴルフ練習場、どれも今もある東京の風景だが、今のそれとは違うような不思議な印象が残る作品。80年代の東京のアーカイブ映像作品としても観るのも一興です。 © 1985 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH, CHRIS SIEVERNICH
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】招きネコ
名作舞台『シカゴ』を手がけたブロードウェイの大物演出家、ボブ・フォッシーが監督した自伝的作品。ミュージカル製作への苦悩と狂乱の私生活の中で生きる猛烈中年男ジョーが過労で倒れ、死の淵をさまよううちに、あの世から、この世の自分の日常と人生を俯瞰するというファンタジーと、エネルギッシュなショウビズ界の活写がダブル構造で描かれます。 初めて見た時、このジョーを演じるロイ・シャイダーが、あの『JAWS』の田舎町の警察署長とは同一人物とは思えぬかっこよさにビックリしました。黒ずくめ、鋼のような細身でセクシーな体型、クールなまなざし、そしてダンス!見事な変身はプロですね。監督フォッシーは、自分をモデルとした役なので、キャスティングにはすごいこだわりがあったらしく、有力候補だったリチャード・ドレイファスには、「俺のイメージじゃない」と大反対。結局、ロイ・シャイダーに決まったことから見て、やっぱり「カッコイイ俺」にこだわったのかな?でもそれで正解だったと思いますよ!! Copyright © 1979 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】山田
映像化不可能といわれたベストセラー小説を、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のピーター・ジャクソン監督が映画化。14歳で殺された少女が、天国から現世の家族と交流を試みるという異色のファンタジー。サスペンス要素も十分に、人間ドラマありSFありで、ピージャクの圧倒的な映像美とあいまって、ファンタジーといえばファンタジーなのだが、色々な意味で“想像を裏切られる”はず。 主演はシアーシャ・ローナン。本作公開時まだ15歳だったが、デビュー作『つぐない』(当時13歳!)で既にアカデミー賞助演女優賞にノミネートされている実力派!11月のザ・シネマでは、「特集:ハリウッド21世紀ヤングスター」と題して、今旬のハリウッド若手スターから大ブレイク間違いなし!?のスター候補生まで、出演作を大特集! Copyright© 2012 DW STUDIOS L.L.C. All Rights Reserved
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COLUMN/コラム2012.09.21
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年10月】飯森盛良
今はIKEAがあるあたりだ。バブル崩壊から数年後、当時はバブルの徒花の巨大屋内スキー施設が建っていて、深夜にはそのシルエットが黒々と天高くそびえ、不気味だった。ふもとは港湾倉庫街。二浪が確定し、終夜バイトをしていたオレ。人生ドン詰まり感、世に出れない焦燥感を抱きながら、海からの寒風吹きすさぶスキー施設の足元を、M-65の襟を立て、バイト先の倉庫まで週6日通った。なんだか解らんが何かに凄まじくムカついてたオレは、トラヴィスにおのれを重ねながら、何十回もこの映画を観た。家ではパッチン腕立てと東京ガスで鉄拳焙りをしてたのは言うまでもない。厨二ではなく二十歳の頃の話だ。そのおかげか、今どうにかこんな仕事で喰えてる。M-65は黄緑に色褪せたが、20年来オレのバディであり続けてくれてる。で、だ若者よ!不景気と閉塞感に窒息しそうな今日の若者よ!とりあえず、M-65を着なさい。全てはそこからだ。そしてトラヴィスを胸に、とりあえずパッチンと東京ガスをしながら、雌伏の今日を生きるのだ!そのうちなんとかなるだろう。 Copyright © 1976, renewed 2004 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.09.21
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年10月】招きネコ
この平和ボケした日本で暮らしていると想像もつかないようなインドの貧困と階級社会の底辺で生きる少年の過酷な人生と、その中で夢に向かって生きるひたむきさ、ラストに訪れる「奇跡」に胸が熱くなる感動作。インド人しかでてこない、インドのスラムを舞台にしたこの作品が世界的に大ヒットし、アカデミー賞8部門に輝いたとき、不思議だったが公開後見て納得!観客は主人公の思いを共有し、最後に一緒に幸せになれる!人種や国なんて関係ない。こういう映画がお得意なのがイギリス映画。「リトル・ダンサー」や「フルモンティ」がすぐに思い浮かびました。イギリスの「トレイン・スポッティング」のダニー・ボイル監督、「フルモンティ」の脚本家サイモン・ビューフォイが生み出したインドを舞台にした「イギリス流登場人物を心から応援したくなる元気をもらえる映画」がこれ。その上、そこにインド映画が持つとてつもないパワーとエネルギー、色の洪水、音楽、踊りがミックスされて、見たことのない傑作映画が生まれました。この映画自体が「奇跡」だなあ。 ©2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporation
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COLUMN/コラム2012.09.21
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年10月】銀輪次郎
ロバート・レッドフォード、グレン・クローズ、ロバート・デュヴァル、キム・ベイシンガーら豪華スターたちが贈る感動の野球映画。35歳にして新人メジャーリーガーになった男ロイの波乱万丈物語。不屈のチャレンジ精神と雷の落ちた木から削りだしたバット『ワンダー・ボーイ』で活躍する主人公のロイ。野球の物語ながらサスペンス的な要素もあって、程よい緊張感を持つ本作は、野球ファンはもちろんのこと、どなたでも楽しめる作品です。ところどころ出てくる“奇跡”については、鑑賞後に「こんなことは起こりえない」やら「あんな展開はない」と色々ツッコミを入れて頂くのも一興。35歳のロイ役を当時48歳のレッドフォードが演じたことにも驚かされる野球映画の秀作!レッドフォードかっこいいぞ! Copyright © 1984 TriStar Pictures, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.09.21
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年10月】山田
15歳で『ローリング・ストーン』誌のライターになった実体験を基に、キャメロン・クロウ監督が少年の切ない青春を綴る、自伝的物語。ちょっぴり寂しい、でもとても幸せな気持ちになれること間違いなし。当時の風俗、音楽やファッションに傾倒していた人ならなおのこと。「パイレーツ・ロック」では24時間ロックを流し続ける海賊ラジオ局の船長を演じていたフィリップ・シーモア・ホフマンは、本作では、1982年に弱冠33歳で亡くなった伝説のロック・ライターであるレスター・バングス役。なかなか本人に似ている。演技も板についている。そしてケイト・ハドソンが通常より数十倍可愛く見える。音楽監修はピーター・フランプトン御大。劇中流れる音楽も、ザ・フー、トッド・ラングレン、イエスから、オールマン、ツェッペリン、レーナード・スキナードなどなど。。胸が熱くなる。 Copyright © 2000 DreamWorks Films L.L.C. and Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.08.25
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年9月】大陸軍近衛軽槍騎兵第1連隊“ヴィスツラ・ウーラン”大尉 飯森盛良
イタリア・ソ連合作の歴史超大作。芝居がかったカリスマ性を持つ、スタミナみなぎるメタボ皇帝ナポレオン…ちょっと胡散臭い。権力の座から転落し、とにかく復権したくてアセりまくり、野望をギラつかせる。脂ぎったテカテカのロッド・スタイガー、いい! 一方、宿敵ウエリントンはお高くとまった嫌味な英国貴族の痩せ男。脂気が足らずパサパサした感じ。クリストファー・プラマーも上手い。2人ともデキる漢で2人ともイヤな野郎!でも対照的。この2人見ているだけで前半戦まったく飽きない。そして両雄が激突するワーテルロー、もう圧巻!ソ連映画らしい人海戦術で撮影された戦場の圧倒的規模感が凄すぎる!! 人間ドラマ、スケール、ニーノ・ロータの音楽(各国国家の「大序曲1812」的な使い方が巧み)、コスチューム、どれをとっても最高な、オールタイムmyベスト史劇。今じゃ絶対作れん。 (C) 1970 Dino De Laurentiis Cinematografica SpA, renewed 1998 International Picture Investments Limited. All Rights Reserved..
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COLUMN/コラム2012.08.25
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年9月】銀輪次郎
ソフィア・コッポラ監督第3作目。ポップな映像描写が素晴らしいのは言うまでもないのですが、その映像に負けず、使用楽曲が素晴らしい作品。冒頭オープニングで掛かるギャング・オブ・フォーの"NATURALS NOT IN IT"に度肝を抜かれ、舞踏会シーンで流れるスージー・アンド・ザ・バンシーズの"HONG KONG GARDEN"に心踊らされ、パーティーからの朝帰りシーンのバウ・ワウ・ワウの"FOOLS RUSH IN"はとても感傷的な気持ちにさせられます。その他にも、ザ・キュアー、ザ・レディオ・デプト、エイフェックス・ツイン、スクエアプッシャー、ニューオーダーなどなど、70年代以降のパンク、ポストパンク、ニューウェイブ、テクノ、アンビエント、エレクトロニカ楽曲の数々が登場。映画鑑賞後は、じっくりとサントラを聞き直したい作品です。 (C) 2005 I Want Candy LLC.
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COLUMN/コラム2012.08.25
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年9月】招きネコ
ベトナム戦争の闇についてアメリカ映画が描いた作品として、そのロシアン・ルーレットというショッキングなモティーフと共に公開当時衝撃を呼んだ作品でした。それから、何度となく見ていますが、見る度に新しい発見があります。それは、戦争の恐怖とか、政治・反戦とかいうメッセージが声高に出てくるのではなく、感情移入できる人間ドラマが幾重にも織りなされ、俳優たちの演技やマイケル・チミノ監督の演出で込められた思いを何気ない一言や場面に見る度に新たに気づくからです。デ・ニーロ、メリル・ストリープ、そしてなんと言ってもウォーケン!彼らの作り出すキャラクターのなんと繊細なこと!何度でも見たい素晴らしい映画とは、こうやって一緒に年月を重ねられる作品なのかもしれません。 (C) 1978 Universal Studios. All Rights Reserved.