1954年の名匠、アルフレッド・ヒッチコックによる傑作サスペンス『ダイヤルMを廻せ!』を現代のニューヨークを舞台にリメイクした本作。と、いってもプロットを拝借して、別のサスペンスを作ってみました、という印象を受けるのは、トリックや小道具を現代風に置き換えたり、ニューヨークでのロケーションや、大富豪の豪華な生活を品よく描いていたり、オリジナルとは異なる点が多々あるからでしょうか。

実業家のスティーブンは強引な経営で多額の負債を抱えていた。妻のエミリーは紳士だが、冷酷さを感じる夫への愛情を失い、画家のデビッドと秘密の逢瀬を重ねていた。エミリーの浮気を知ったスティーブンは、大資産家の令嬢である彼女が相続する予定の莫大な遺産を目当てに完全犯罪を計画。なんとエミリーの愛人デビッドに、50万ドルで殺人を引き受けさせる。計画実行の夜、完全に思えた殺人計画は、エミリーが襲ってきた男を逆に刺し殺すという予想もつかなかった出来事で、綻びが生まれていく…

オリジナルでは、脛に傷を持つ夫の同級生が、殺人を持ちかけられますが、本作は、妻の愛人に直接殺人を頼むという斬新さ!また、舞台劇の様に、ほぼ1室の中で物語が展開するオリジナル版とは違い、この映画の主人公と言っても良いのは、ニューヨークの街と大富豪の豪華なペントハウスであるほど、素敵に撮影されています。

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