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PROGRAM/放送作品
クリムゾン・ピーク
[R15+]デル・トロ監督の美的センスと文化的教養が詰め込まれた、美しく恐ろしい映画ゴシックロマンス
『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー監督・作品賞に輝くデル・トロが、18世紀に流行したゴシックロマンス文学の様式を再生。『シェイプ〜』に通じる色彩美、半魚人の“中の人”が演じている幽霊にも注目。
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COLUMN/コラム2018.05.24
『クリムゾン・ピーク』② 6/30(土)字幕、 7/1(日)吹き替え
~大脱線~ 宮崎駿『カリオストロの城』の話、他 以下しばらく余談が続く。デル・トロ監督のアトリエ「荒涼館」も、改築を繰り返し、古風なインテリアにしつらえられており、そこに、グロテスクなコレクションが所狭しと陳列されている(YouTube動画「ギレルモ・デル・トロ - 荒涼館へようこそ」参照)。自作に登場した小道具まで、制作費を監督自身が一部負担することで、撮影後に貰い受け、そこに飾っているのだ。元祖ウォルポールと同じ普請道楽と蒐集癖にデル・トロもまた血道を上げているのである。自作をそこで創造している点も同じ。趣味人の道楽が創作意欲へとつながり、偉大な仕事として結実している。 余談、其の二。『オトラント城奇譚』は、作者ウォルポールがくだんのレプリカ城にてある明け方に見た夢をもとに、寝食も忘れ一気呵成に書き上げた、シュールレアリスムの萌芽のようなお話。怪人めいた城主の息子に異国の姫が輿入れする当日、天から自動車ほどもある巨大な兜が落ちてきて(シュール!)、新郎が下敷きになり圧死するところから物語は始まる(忌まわしい婚礼)。怪人城主は、不肖の息子は死んでも惜しくないが跡取りが途絶えるのは御家の一大事と、自分が妻と離縁して義理の娘と再婚し子作りに励むと言い出す。城内に閉じ込められそうになった姫は、舅とのおぞましい近親婚を忌避して秘密の地下室から辛くも脱走し、その後の展開で、城主一族の呪われた秘密、超巨大ヘルメットの謎が明かされていく、という因縁譚である。 これを素材に、チェコの魔術的ストップモーションアニメの作り手ヤン・シュヴァンクマイエルが、1973~79年にかけて(制作が難航した)20分弱のショートフィルム『オトラントの城』を監督している。歴史家が『オトラント城奇譚』は実話に基づいているとのトンデモ学説を実写パートで解説するフェイクドキュメンタリーで、『オトラント城奇譚』のあらすじ紹介パートはアニメで描かれる。『オトラント城奇譚』の古書から切り抜かれコラージュされた銅版画挿絵がカクカク動くその映像は、悪夢じみていてトラウマ的だ(彼の作品は全てそうだが)。手っ取り早く『オトラント城奇譚』の梗概に触れたい向きにはうってつけの短編映画である。シュヴァンクマイエル監督は実際シュールレアリストなのだから、題材との相性は良い。 そもそも、大雑把に言うと「夢の中のヴィジョンの再現を試みた芸術運動」となるシュールレアリスムと、その具体的実践法として、心に浮かんだことを滅茶苦茶に一心不乱に書きつけて意識下を形にとどめようというオートマティスムは、1924年に詩人ブルトンが、夢から着想を得たウォルポールの『オトラント城奇譚』執筆という160年前の故事に倣って創始したものなのである。整理すると、作家ウォルポールによる1764年の文芸創作→詩人ブルトンによる1924年のシュールレアリスム宣言→シュールレアリスト監督シュヴァンクマイエルによる1973~79年のウォルポール作品映像化、の順で連関しているわけだ。ゴシックロマンスと『オトラント城奇譚』を知ると、シュールレアリスムの源流にたどり着く。 さらに余談。アニメつながりで言えば、ご存知『カリオストロの城』(1979年)もまた、宮崎駿が意図したものか偶然かは定かではないが、実はゴシックロマンスなのである。何世代も増改築が繰り返され迷路と化した古城(ゴシック様式の特徴も部分的に見受けられる。モデルは1952年のフランスのアニメ『やぶにらみの暴君』だが)、秘密の地下室と屋根裏部屋、閉じ込められたお姫様、怪人めいた城主、一族の呪われた秘密、忌まわしい婚礼、おぞましい近親相姦(クラリスと伯爵は親戚)…全てゴシックロマンスの定石どおりだと分かるだろう。ただ、およそこのジャンルには似つかわしくないルパンが、アクションで軽口まじりの大立ち回りをコミカルに演じるせいと、決してダークすぎに描いてはいない絵づらの匙加減のせいと、TVシリーズからも盛大に流用された大野雄二のお馴染みの劇伴の印象のせいで(“っぽい”BGMは唯一、地下の華燭の典で流れるパイプオルガンの調べ、バッハのパストラーレ ヘ長調 BWV590だけだ)、まさかあれがゴシックロマンスだとは一見して気づきづらいのだが、完全にこのジャンルのフォーマットを換骨奪胎しているのである。そう考えると、「ゴート札」、「死滅したゴート文字」、「古いゴートの血が流れている」といったセリフも、実はヒントだったのかもしれない。中世の城に隠された宝は、蛮族ゴート人が滅ぼした古典古代のローマの美そのものだ(アルセーヌ・リュパン・シリーズ小説『緑の目の令嬢』からの引用でもあるが)。もう一つ、怪人めいた主人が城内の私設印刷所で大規模な凸版印刷事業を営んでいる点は、元祖ウォルポールへと繋がる別の手がかりだったのかもしれない。 ようやく閑話休題。嚆矢とされる1764年の『オトラント城奇譚』以降、ゴシックロマンスは半世紀にわたって流行し続け、あまたのエピゴーネンが現れ、ブームは英国から海を渡り欧州本土やアメリカにまで飛び火した。ブームの最後の頃に本家英国で発表された重要な2作品が、ジェーン・オースティンによる『ノーサンガー・アビー』(1817年)と、メアリー・シェリーのお馴染み『フランケンシュタイン』(1818年)である。(続く) <次ページ『クリムゾン・ピーク』③~ジェーン・オースティン作『ノーサンガー・アビー』(1817年)~> © 2015 Legendary Pictures and Gothic Manor US, LLC. All Rights Reserved. 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存
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PROGRAM/放送作品
(吹)クリムゾン・ピーク
[R15+]デル・トロ監督の美的センスと文化的教養が詰め込まれた、美しく恐ろしい映画ゴシックロマンス
『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー監督・作品賞に輝くデル・トロが、18世紀に流行したゴシックロマンス文学の様式を再生。『シェイプ〜』に通じる色彩美、半魚人の“中の人”が演じている幽霊にも注目。
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COLUMN/コラム2018.05.24
『クリムゾン・ピーク』① 6/30(土)字幕、 7/1(日)吹き替え
日本の漫画・アニメ・特撮をこよなく愛するヲタク監督ギレルモ・デル・トロ。サブカル愛あふれるジャンル映画しか作らない男の『シェイプ・オブ・ウォーター』が今年(2017年度)、アカデミー作品賞・監督賞ほかに見事輝いた。そんなデル・トロが、この『クリムゾン・ピーク』(2015年)では怪奇映画愛を炸裂させている。 「プラチナ・シネマ」は第1回がタランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』だったが、このギレルモ・デル・トロの『クリムゾン・ピーク』なら、最終回に相応しいだろう。 6月「プラチナ・シネマ」について何か書く、ということで他に4作について書いてきたが、最後となる本稿は、他の倍以上の長さとなってしまいそうだ。個人的に好きだからではなく、書くべきことが膨大にあるからだ。つまりこの映画、奥が深い! だがその前に、まずはあらすじから。 20世紀元年の米国。ゼネコン成金の令嬢で、怪奇小説家志望のうら若き女性イーディス・カッシング(ミア・ワシコウスカ)は、作家としての芽が出ず行き詰まっていた。そんな彼女の前に、英国貴族シャープ姉弟が現れる。シャープ家領地で採土される深紅(クリムゾン)色の赤粘土は王室御用達の上質な赤レンガの材料であり、姉弟は掘削設備の新規導入に投資してくれる出資者を募るためにはるばる渡米してきたのだった。弟のトーマス・シャープ準男爵(トム・ヒドルストン)はイーディスの父に出資を打診するが色よい返事は得られない。しかしイーディスと準男爵が恋に落ち、やがて結婚の運びとなる。シャープ夫人の座に収まったイーディスは渡英し、赤土の丘に建つ古い屋敷で共に暮らし始めるが、そこで、恐ろしい義姉ルシール・シャープ(ジェシカ・チャステイン)と同居することに。吹雪が吹きすさび、積もる雪に溶け出た赤土が血のように滲んで、辺り一面が「クリムゾン・ピーク(深紅の丘)」と化す時、イーディスの恐怖と危機もピークに達するのだった。 デル・トロ監督は言う。 「ハロウィンの時期に公開されたからホラーとして宣伝されたが、実際は違う。ホラー映画の様式とはかけ離れていて、おとぎ話の空気が漂うゴシックロマンスだ」 監督は本作で、「ゴシックロマンス」という18世紀後半~19世紀初めにかけて流行った文芸ジャンルの再生と進化を図ろうとしているのである。 ゴシックロマンスとは何か あるブームがピークに達した後、次にその反動が来るのは世の常。中世の迷妄を恥じギリシア・ローマの古典古代を鑑とした17~18世紀の古典主義、啓蒙思想、近代合理精神や理性崇拝。それらが広まりきったなら、次の時代には必ずその揺り戻しが来る。人間本来の激情や恋愛を賛美し、滅び去った神秘や迷信に代わるオカルト趣味を偏愛し、中世を再評価し懐かしむようなカウンタームーブメントが現れたことは、歴史の必然だった。それが大きくは「ロマン主義」であり(古典主義⇔ロマン主義は対概念)、その中の下位分類として、特にオカルト趣味に偏った文芸運動がゴシックロマンスだ。 「ゴシック」+「ロマンス」、2つの語を足して、ゴシックロマンス。「古城や貴族のお屋敷に閉じ込められた純真無垢なお嬢様が、夜ごとの心霊現象、秘密の地下室と屋根裏部屋、怪人めいた当主、恐ろしい狂人、忌まわしい婚礼、一族の呪われた秘密、おぞましい近親相姦といった、建物に染み付いた深い闇に怯える」という怪奇ジャンルである。はたして本作『クリムゾン・ピーク』には、このうち幾つが当てはまるのか、または当てはまらないのか、ぜひカウントしてみていただきたい。 ゴシックロマンスの「ロマンス」は、現代語のロマンスというニュアンスではなく、「物語」とか「お話」といった広義の意味であって、狭義の恋愛モノには必ずしも限定されない(それも一要素だが)。おとぎ話的な性格の強い娯楽読み物を指す。それに対し、キャラクターの内奥を掘り下げて人物描写するリアリズムのフィクションが、次の時代にさらなるカウンターとして登場し流行った「ノベル」なのだと、近代文学史では区別されている。ロマンス⇔ノベルも対立概念であり、「通俗小説」⇔「純文学」の違いに近い(「通俗小説」が悪いと言っているわけではない)。 『イギリスの老男爵』(1777年)という初期のゴシックロマンスで知られる女流作家クララ・リーヴは、「ロマンスは、伝説上の人物や出来事を扱うヒロイックな寓話。ノベルは、現実の生活と習慣、そして執筆時点の同時代を写実的に描くもの。またロマンスは、高尚で格調高い文体で、かつて起こったこともなく、今後も起こりそうにないことを描く。対してノベルは、我々の目の前で我々自身や我々の友の身に日々起きている出来事を描く」と定義している。 さて、ゴシックロマンスのもう一方「ゴシック」は、高校世界史の文化史ページで習う建築・美術用語であり、中世ヨーロッパで流行した。ゴシックロマンスの読み物が英国で流行したのは18世紀後半なので、ゴシックはその時点から500年も昔の建築様式であり、当時は即「廃墟」、「荒城」、「遺棄された僧院」といったイメージと結びついた。 ゲルマン民族大移動により西ローマ帝国が滅亡。古代が終わり中世が始まるが、そのゲルマン民族の有力な一派に「ゴート族」があり、現スペインに西ゴート王国、現イタリアに東ゴート王国を建国するなど一時は強勢を誇った。「ゴシック」とは「ゴートチック」、すなわち本来は「ゴート的な」という語義であり、ただちに中世を連想させる形容詞だった。 日本の民放の旅番組などではよく「中世ヨーロッパの息吹きを今に伝える古都ホニャララ」のようにポジティブなイメージで使われるが、当のヨーロッパの歴史観においては「中世」とは本来、ダークでネガティブなイメージが基礎となる。ローマが確立した古典古代の美と知性と秩序が、蛮族の侵冦によって崩壊。光は失われ、続く混乱と殺戮、その後の教会支配による狂信によって覆われた、永き闇の時代。それが中世だと認識されているのだ。ゆえに別名「暗黒時代」。その記憶はまさに怪奇モノのモチーフに相応しい。ローマ=古典古代⇔ゴート=中世もまた対概念だ。 そこから発して「ゴシック」の語は今日では「ゴス」と略され、ほぼ「ダークテイストな貴族風の」といった程度の気軽なニュアンスで日常的に用いられ、80年代にはロックのいちジャンルとなり、さらにティーンファッションの一派を形成。それが我が国にも輸入されてアニメ文化と混淆し日本語の「ゴスロリ」となって、今度はそれが欧米にクールジャパンなkawaiiカルチャーとして逆輸入され、新たな興隆を見せているのである(ゴスの歴史をたったの5分でサクッと学べるTED動画もあるので、そちらもご参照いただきたい)。 さて、ゴシックロマンスの舞台は、建て増しに建て増しを繰り返し迷宮化した先祖伝来の城館、と相場が決まっている。中世の冷気がまだ暗がりに残留していそうな古い建物。ゴシックロマンスの元祖『オトラント城奇譚』(1764年)の作者で、大英帝国初代首相の息子であるホレス・ウォルポール自身が、中世のダークな浪漫と大昔のゴシック建築に惹かれ、憑かれたように別荘をゴシック風に何十年もかけ改装した。このレプリカ建築が最初の「ゴシック・リヴァイヴァル様式」となった。 ウォルポールによるゴシック風レプリカ城 本作『クリムゾン・ピーク』の幽霊屋敷もこの様式だ。かの有名なロンドン観光2大名所、ロンドン橋と勘違いされがちなタワーブリッジの二つの塔と、時計塔ビッグベンまで含むウエストミンスター宮殿(=英国国会議事堂)もまたこの様式なのだから(お隣のウエストミンスター寺院は本物の中世ゴシック建築だが)、日本人が英国建築と聞いてまず真っ先にイメージするのがこのゴシック・リヴァイヴァル様式ではないだろうか。 本作『クリムゾン・ピーク』の幽霊屋敷 タワーブリッジの二つの塔 時計塔ビッグベンまで含むウエストミンスター宮殿 貴族作家ウォルポールは、そのこだわりの元祖ゴシック・リヴァイヴァル建築の館内に、珍奇な文物や浩瀚な稀覯本を蒐集し陳列してアトラクション化したのだが、それだけでは飽き足らず、夢想してやまない中世の古城を舞台にした怪奇物語『オトラント城奇譚』を執筆し、このジャンルの祖となったのである。さらには城内に印刷所も併設して、そこで自著の印刷出版まで行った。(続く) <『クリムゾン・ピーク』②~大脱線~ 宮崎駿『カリオストロの城』の話、他> © 2015 Legendary Pictures and Gothic Manor US, LLC. All Rights Reserved. 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存
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PROGRAM/放送作品
ブレイド2
ヴァンパイアの血を引くダーク・ヒーローが再登場!! 超絶VFXアクション第2弾
ウェズリー・スナイプス主演のヴァンパイアVFXアクション第2弾。キャラクターの造形や、香港とハリウッドのアクションの妙を合わせた格闘シーンは、前作を凌ぐ特殊効果で大迫力!
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COLUMN/コラム2014.01.26
2014年2月のシネマ・ソムリエ
■2月1日『チェイシング・エイミー』 B・アフレックが恋にオクテな漫画家を演じたラブ・コメディ。レズビアンの女性にひと目惚れし、親友を巻き込んで奇妙な三角関係に陥っていく主人公の奮闘を綴る。 恋愛、友情、セックスというテーマを、赤裸々なストーリー展開と実感のこもったセリフで描出。米国インディーズの人気監督K・スミスの脚本が冴え渡っている。 開放的にセックスを語るエイミー役のJ・L・アダムスが魅力的。ヒロインと親友の板挟みになって苦悶する主人公が、最後に提案するまさかの解決策には誰もが仰天! ■2月8日『ゴーン・ベイビー・ゴーン』 『アルゴ』でアカデミー作品賞に輝いたB・アフレックの監督デビュー作。『ミスティック・リバー』などで知られるデニス・ルヘインの探偵小説に基づくミステリー劇だ。ボストンの住宅街で4歳の少女が失踪し、若き私立探偵とその恋人が捜索を開始。貧困や育児放棄などの社会問題を絡め、主人公が突きとめる意外な真相を描き出す。 渋い実力派キャストのアンサンブル、善と悪の境界が曖昧なテーマを観る者に問う骨太なドラマは見応え十分。日本で劇場未公開に終わったのが不思議なほどの秀作だ。 ■2月15日『パンズ・ラビリンス』 パシフィック・リム』も記憶に新しいG・デル・トロ監督によるダーク・ファンタジー。スペイン内戦後の1944年を背景に、空想力豊かな少女がたどる過酷な運命を描く。 残忍な将軍の養父に脅えるオフェリアが、迷宮の守り神パンと出会う。パンから3つの試練を課された彼女は、魔法の国に旅立つためにありったけの勇気を奮い起こす。 ギリシャ神話に登場する牧羊神パンの悪魔のごとき不気味さなど、クリーチャーの造形が圧巻。戦争の悲劇と少女の空想力の純真さを対比させたドラマも見事である。 ■2月22日『クラッシュ』 第78回アカデミー賞で下馬評を覆し、作品賞に輝いた社会派サスペンス。『ミリオンダラー・ベイビー』などの脚本家ポール・ハギスの鮮烈な監督デビュー作でもある。 白人の警官、黒人の強盗犯、ヒスパニック系の鍵屋など、さまざまな人種の人々の人生が交錯する2日間の物語。緻密で劇的なストーリー構成にぐいぐい引き込まれる。 ロサンゼルスを舞台にした群像劇に9.11以降の世相を反映させ、現代人の人間不信を鋭く描出。そこからあぶり出される“衝突”と“繋がり”というテーマが胸に響く。 『チェイシング・エイミー』©1996 Too Askew Productions, Inc. and Miramax 『ゴーン・ベイビー・ゴーン』©Miramax 『パンズ・ラビリンス』©2006 ESTUDIOS PICASSO,TEQUILA GANG Y ESPERANTO FILMOJ 『クラッシュ』©2004 ApolloProScreen GmbH & Co. Filmproduktion KG. All rights reserved.
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PROGRAM/放送作品
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー
地獄生まれのヒーローVS魔界の王子、原作ファンの監督が愛を込めて放つアメコミ・アクション第2弾
アメコミの大ファンというギレルモ・デル・トロ監督が、原作者と組んで並々ならぬ努力とこだわりで映画化にこぎつけた『ヘルボーイ』の第2弾。次々に登場する様々なクリーチャーたちが見どころだ。
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NEWS/ニュース2012.07.10
アクションスター列伝【ヴァンパイア対決】結果発表!
『ブレイド2』&『ブレイド3』(ウェズリー・スナイプス)人間とヴァンパイアの混血 ブレイドに扮するウェズリー・スナイプス。人間に害するヴァンパイアを抹殺するため戦い続けるヴァンパイアハンター。 VS 『ニア・ダーク/月夜の出来事』(ジェニー・ライト)吸血鬼の少女メイに扮するジェニー・ライト。セクシーな振る舞いで今夜も生き血を求め、男を誘う。 最強のヴァンパイアはどっちだ!?いざ、対決! 『トワイライト』シリーズや『アンダーワールド』シリーズの最新作、リメイク版『フライトナイト』にジョニー・デップ主演の『ダークシャドウ』、岩井俊二監督の新作『ヴァンパイア』など、今年は吸血鬼映画が花盛り。ここでも、やはり吸血鬼を戦わせないといけない! というワケで、吸血鬼なのにヴァンパイアを憎む異能のヒーローの活躍を描いた『ブレイド』シリーズPart2&3のウェズリー・スナイプスと、美少女ヴァンパイアと青年の危険な恋を描く『ニア・ダーク/月夜の出来事』のヒロイン、ジェニー・ライトの対決である。 マーベル・コミック原作の『ブレイド』シリーズでスナイプスがふんする主人公ブレイドは、ヴァンパイアと人間の混血で、吸血鬼を撲滅することに命を懸けている戦士。2作目では同族の血をも求める凶悪な新種スーパー・ヴァンパイア、3作目ではヴァンパイア族の無敵の始祖を相手に、それぞれ壮絶な死闘を繰り広げる。その戦いぶりは、もう豪快そのもので、刀を振るい、ブーメラン型のナイフを放っては、ヴァンパイアをシュワッと粒子化して消滅させる気持ち良さ。カラテの有段者であるスナイプスらしく、肉弾戦の見せ場もふんだんで、頭部よりも上に決まるスピード感たっぷりのハイキックだけでなく、滞空式ブレーンバスターまで見せつけるのだから、これはもう超・総合格闘技と呼びたい。トレードマークのサングラスもクールで、オレ様指数の高い活躍にエキサイトさせられる。■一方の『ニア・ダーク/月夜の出来事』は『ハート・ロッカー』でアカデミー賞を射止めた女流監督キャスリーン・ビグローのデビュー作として知られている。 ビグロー監督といえば同作はもちろん、『ハート・ブルー』や『K-19』などの女性らしからぬ超・硬派な作品で知られているが、描かれる女性キャラも精神的にタフだ。本作でジェニー・ライトが演じるヒロイン、メイは一見、ショートカットのキュートなヴァンパイア。荒くれ者ぞろいの吸血鬼集団の中ではか弱くも見えるが、愛する男を守るためには仲間を敵に回す覚悟がある。それだけでなく、彼のためなら命を懸けて、日光の下にも飛び出す一途さ。こんなにも想われる男は幸せ者だ。さて勝敗だが、ガチでぶつかったら、そりゃあもうスナイプスの圧勝だろう。しかし牙を剥いてくる敵には容赦しない男の中の男ブレイドにも人間味があって、ワケありの可憐な女子を、たとえ彼女がヴァンバイアであってもボッコボコにするはずがない。それはどう考えても、“俺様”の美学に反するじゃないか。とういうわけで、ジェニー嬢がスナイプスに勝ちを譲られる、という結末で締めたい。 以上のように、【ヴァンパイア対決】を制したのは、「ニア・ダーク/月夜の出来事」のジェニー・ライト! 明日7/11(水)のアクションスター列伝は【アジア人対決】!こちらもお見逃しなく!■ ©2002 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.「ブレイド3」 ©MMIV NEW LINE PRODUCTIONS,INC. (c)MMV NEW LINE HOME ENTERTAINMENT,INC.ALL RIGHTS RESERVED.
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PROGRAM/放送作品
パンズ・ラビリンス
少女が迷い込んだ幻想の世界とは…。鬼才ギレルモ・デル・トロが描き出す美しきダーク・ファンタジー
『ヘルボーイ』などの鬼才ギレルモ・デル・トロ監督が、スペイン内戦を背景に描く衝撃と感動のダーク・ファンタジー。少女が体験する美しくも恐ろしい迷宮世界を幻想的に映し出し、アカデミー撮影賞など3部門受賞。
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PROGRAM/放送作品
(吹)ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー
地獄生まれのヒーローVS魔界の王子、原作ファンの監督が愛を込めて放つアメコミ・アクション第2弾
アメコミの大ファンというギレルモ・デル・トロ監督が、原作者と組んで並々ならぬ努力とこだわりで映画化にこぎつけた『ヘルボーイ』の第2弾。次々に登場する様々なクリーチャーたちが見どころだ。