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PROGRAM/放送作品
豹/ジャガー
『続・荒野の用心棒』のコルブッチ監督&フランコ・ネロ主演コンビが再び組んだ痛快マカロニアクション
監督コルブッチ×主演ネロと言えば『続・荒野の用心棒』の名コンビ。レオーネ×イーストウッドのコンビと並ぶ、マカロニ・ウエスタンのパイオニアだ。メキシコ革命を舞台にした男くさいドラマが本作では描かれる。
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COLUMN/コラム2018.10.11
舞台裏ではスターと監督の軋轢が?有象無象のならず者がメキシコ革命で暴れまわる痛快マカロニウエスタン!『ガンマン大連合』
マカロニウエスタンの巨匠と言えばセルジオ・レオーネだが、もう一人忘れてはならない同名の大御所がいる。それがセルジオ・コルブッチだ。スタイルとリアリズムを追求して独自のバイオレンス美学を打ち立てた芸術家肌のレオーネに対し、シリアスからコメディまでなんでもござれ、荒唐無稽もデタラメも上等!な根っからの娯楽職人だったコルブッチ。多作ゆえに映画の出来不出来もバラつきはあったが、しかし時として『続・荒野の用心棒』(’66)や『殺しが静かにやって来る』(’68)のような、とんでもない傑作・怪作を生み出すこともあった。そんなコルブッチには、メキシコ革命を舞台にした「メキシコ三部作」と一部のマカロニファンから呼ばれる作品群がある。それが『豹/ジャガー』(’68)と『進撃0号作戦』(’73)、そして『ガンマン大連合』(’70)だ。 主人公はスウェーデンからメキシコへ武器を売りにやって来たキザな武器商人ヨドラフ(フランコ・ネロ)と、靴みがきから革命軍のモンゴ将軍(ホセ・ボダーロ)の副官に抜擢されたポンコツのならず者バスコ(トーマス・ミリアン)。国境近くの町サン・ベルナルディーノでは、庶民を苦しめる独裁者ディアス大統領の政府軍と、実は革命に乗じて金儲けがしたいだけだったモンゴ将軍の一味、そして非暴力を掲げて合法的に革命を遂行しようとする理想主義者サントス教授(フェルナンド・レイ)に心酔する若者グループが、3つの勢力に分かれて攻防を繰り広げていた。 モンゴ将軍に呼ばれてサン・ベルナルディーノに到着したヨドラフ。その理由は、町の銀行から押収したスウェーデン製の金庫だった。鍵の暗証番号を知る銀行員を殺してしまったため、スウェーデン人のヨドラフなら開け方が分かるだろうとモンゴ将軍は考えたのだ。成功したら中身の大金は2人でこっそり山分けするという算段。ところが、頑丈な金庫はヨドラフでも手に負えない代物だった。唯一、暗証番号を知っているのはアメリカに身柄を拘束されたサントス教授だけ。そこでモンゴ将軍は、万が一の裏切りを用心してバスコを監視役に付け、アメリカの軍事要塞に捕らわれているサントス教授をメキシコへ連れ戻す使命をヨドラフに託すこととなる。 …ということで、道すがら女革命戦士ローラ(イリス・ベルベン)率いるサントス派の若者たちの妨害工作に遭ったり、ヨドラフに恨みを持つアメリカ人ジョン(ジャック・パランス)の一味に命を狙われつつ、過酷なミッションを遂行しようとするヨドラフとバスコの隠密道中が描かれることとなるわけだ。 ド派手なガンアクションをメインに据えた痛快&豪快なマカロニエンターテインメント。荒々しいリズムに乗ってゴスペル風のコーラスが「殺っちまおう、殺っちまおう、同志たちよ!」と高らかに歌い上げる、エンニオ・モリコーネ作曲の勇壮なテーマ曲がオープニングからテンションを高める。革命の動乱に揺れるメキシコで、有象無象の怪しげな連中が繰り広げる三つ巴、いや四つ巴の仁義なき壮絶バトル。コルブッチのスピード感あふれる演出はまさに絶好調だ。終盤の壮大なバトルシーンでは、『続・荒野の用心棒』を彷彿とさせる強烈なマシンガン乱射で血沸き肉踊り、フランコ・ネロの見事なガンプレイも冴えわたる。コルブッチのフィルモグラフィーの中でも、抜きんでて勢いのある作品だと言えよう。 もともとマカロニウエスタンはロケ地であるスペインの土地や文化が似ている(元宗主国だから文化が似ているのは当たり前だけど)ことから、メキシコを舞台にした映画はとても多いのだが、その中でもメキシコ革命を題材にした作品と言えば、左翼革命世代の申し子ダミアーノ・ダミアーニ監督による社会派西部劇『群盗荒野を裂く』(’66)を思い浮かべるマカロニファンも多いだろう。しかし、コルブッチはダミアーニではない。確かに『豹/ジャガー』は左翼的メッセージがかなり強く出た作品だったが、あれはもともと『アルジェの戦い』(’66)で有名な左翼系社会派の巨匠ジッロ・ポンテコルヴォが監督するはずだった企画で、コルブッチは降板したポンテコルヴォのピンチヒッターだった。政治色が濃くなるのも当然だ。その点、コルブッチ自身が原案を手掛けて脚本にも参加した本作は、基本的に荒唐無稽なエンタメ作品に徹している。世界史に精通していたと言われる博識なコルブッチが、あえてメキシコ革命の史実を無視するような描写を散りばめているのも、その決意表明みたいなものかもしれない。 ただ、脚本の中に政治的な要素が全くないかと言えばそうでもない。金儲けのためなら政府軍にも革命軍にも武器を売る現実主義者ヨドラフ、革命の理想など特に持たず軍隊で威張り散らしたいだけのお調子者バスコ。この火事場泥棒みたいな2人が隠密道中を通じて、市民革命の強い理念に従って行動するサントス教授と若者たちに、少しずつ感化されていく過程が見どころだ。特に、マカロニウエスタンで野卑なメキシコ人を演じさせたら右に出る者のない名優トーマス・ミリアンが演じるバスコのキャラは興味深い。 棚ぼた式にモンゴ将軍の副官となり、虎の威を借る狐のごとくヒーロー気取りで振る舞う、もともと革命の精神とは全く縁のなかった貧しく無教養な男バスコ。「メキシコ人をバカにするな」「外国人と通じている女は罰してやる」「インテリは本と一緒に焼かれろ」。こういう偏った主張をする人間が、政治的混乱に乗じてマウントを取っていい気になるのは、古今東西どこにでもある光景だろう。しかし、そもそもがコンプレックスをこじらせただけのバカであって、根っからの悪人というわけではない。そんな単細胞な男が教養豊かなサントス教授から、本来の革命精神とは相容れない国粋主義の矛盾と欺瞞を説かれ、あれ?俺って実は悪人の側だったわけ?と気づき始め、純粋に自由と正義を信じて革命に殉じていく若者たちに感情移入していく。この視点はなかなか鋭い。 なお、マカロニブームを牽引した2大スターのフランコ・ネロとトーマス・ミリアンだが、映画で共演したのはこれが初めて。ミリアンにとっては意外にも初のコルブッチ作品だった。一方のネロはコルブッチ映画の常連組。監督が彼のアップばかり撮ることに嫉妬したミリアンは、電話でコルブッチに泣きながら抗議したと伝えられている。ただし、イタリア映画の英語版吹替翻訳で有名なアメリカ人ミッキー・ノックスによると、逆にコルブッチがミリアンにばかり気を遣うもんだから、不満に思ったネロがへそを曲げてしまったそうだ。ん~、どっちが本当か分からないが、しかしどっちも本当だという可能性もある。ミリアンがごねる→コルブッチが気を遣う→ネロがへそを曲げる、という流れならあり得るかもしれない。いずれにせよ、コルブッチとネロのコラボレーションはこれが最後となり、当初コルブッチが手掛ける予定だった『新・脱獄の用心棒』(’71)の出演もネロは渋ったという。結局、ドゥッチオ・テッサリが監督に決まったことで引き受けたのだが。いやはや、スターって面倒くさいですね(笑)。 なお、本場ハリウッドの西部劇でもお馴染みのジャック・パランスは、コルブッチの『豹/ジャガー』に続いてマカロニへの出演はこれが2本目。フェルナンド・レイも『さすらいのガンマン』(’66)以来のコルブッチ作品だ。また、ローラ役のイリス・ベルベンはドイツのテレビ女優。『続・荒野の用心棒』以降のコルブッチ作品に欠かせないスペインの悪役俳優エドゥアルド・ファヤルドが冒頭で政府軍の司令官を、ドイツの有名なソフトポルノ女優カリン・シューベルト(後にハードコアへも進出した)がヨドラフと昔なじみの売春婦ザイラを演じている。◾️
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PROGRAM/放送作品
続・荒野の用心棒
原題『ジャンゴ』!マカロニ・ウエスタンの毒々しさと大げさ感ここに完成!伝説のマカロニ最高傑作!
陰鬱・大袈裟なストーリー、やたら耳に残るテーマ曲、イタリアお得意の残酷描写など、これぞマカロニ・ウエスタンの教科書的作品!『続』とは付くが続編でも何でもないので、前作未見の人でも楽しめる。
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PROGRAM/放送作品
ガンマン大連合
殺っちまおうぜ、同士たちよ!『続・荒野の用心棒』の黄金コンビが放つ痛快マカロニ・ウエスタン
傑作マカロニ・ウエスタン『続・荒野の用心棒』のセルジオ・コルブッチ監督とフランコ・ネロが3度目のタッグ。コルブッチ監督の“革命三部作”第2作にあたり、痛快アクションとユーモラスな珍道中を魅せる。
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ミネソタ無頼
暗闇で敵を撃つ──マカロニ・ウエスタンの鬼才セルジオ・コルブッチ監督が放つ西部劇版『座頭市』
マカロニ・ウエスタン界で“もう一人のセルジオ”の異名を持つセルジオ・コルブッチ監督の初期作で、後年の作品よりも爽やかな娯楽テイストが顕著。目の見えないハンデを埋めるため暗闇へ敵を誘う戦法が個性的。
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PROGRAM/放送作品
リンゴ・キッド
コルブッチ監督が描くマカロニ史上もっともキザなガンマン。その超絶戦法は痛快至極!
マカロニ・ウエスタンを築いた男セルジオ・コルブッチ監督による傑作。小汚い主人公が多いマカロニにあって、本作のキザな主人公は異色。爆薬を駆使したあっと驚くびっくり戦法が痛快至極!
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PROGRAM/放送作品
スペシャリスト(1969)
“殺しのスペシャリスト”が復讐の銃弾を浴びせる!セルジオ・コルブッチ監督作のマカロニ・ウエスタン
「もう一人のセルジオ」ことマカロニの巨匠セルジオ・コルブッチが、フランスを代表する人気歌手ジョニー・アリディを主演に迎えた西部劇。モダンなシャツに銃弾をも跳ね返す鎖かたびらを合わせたガンマン像が斬新。
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PROGRAM/放送作品
さすらいのガンマン
コルブッチ監督のセンスが光る、『キル・ビル』に影響を与えたスタイリッシュ・マカロニ・ウエスタン
マカロニ・ウエスタンを築いた男セルジオ・コルブッチ監督の、スタイリッシュの一語に尽きる傑作。あのクエンティン・タランティーノ監督にも多大な影響を与えた。一度聞いたら頭から離れない主題歌も印象的だ。
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PROGRAM/放送作品
黄金の棺
[PG-12相当]エンニオ・モリコーネの哀愁のメロディが絶品!巨匠セルジオ・コルブッチの隠れた傑作
マカロニウエスタンの巨匠セルジオ・コルブッチが名優ジョゼフ・コットンを主役に迎え、過激なバイオレンスなどマカロニ的な要素を抑えめにした人間模様を魅せる。エンニオ・モリコーネの哀愁漂う音楽が染みる。
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PROGRAM/放送作品
殺しが静かにやって来る
白銀の世界がバイオレンスで真っ赤な血に染まる!マカロニウエスタンの巨匠セルジオ・コルブッチの代表作
『続・荒野の用心棒』のセルジオ・コルブッチ監督が、雪に覆われた銀世界で凄惨なバイオレンスを繰り広げるマカロニウエスタン。非情なラストが語り草。エンニオ・モリコーネの哀愁満点な音楽も心に残る。