今回からしばらくの間、このザ・シネマメンバーズのサイトに、配信映画をモチーフにしたイラストレーションを雑文とともに掲載していただくことになった。きっかけはエリック・ロメールで、お話をいただいた時の喜びと興奮はロメール好きとしてはこの上ないものであり、気が付くと盛大に鳥肌が立っていた。
ロメールとの出会いは映画「満月の夜」。私の家には親が昔テレビ放送から録画した古い映画のビデオテープがたくさんあり、学生時代終盤、急遽映画に目覚めた私はそれらを片っ端から観るということをしていたのだが、「満月の夜」もそんな中の1本だった。ちなみに、3倍モードで1本のVHSに2本の映画が録画されていた。もう1本はアントニオーニの「太陽はひとりぼっち」だった。
初めて「満月の夜」を観た時から、この映画の独特な魅力に心を掴まれた。淡々と冷たい空気。黒い服ばかり着ている主人公。それによっていっそう引き立つ色鮮やかなマフラー。パリの部屋のグレーの壁と、カラフルな小物。特別なことは起こらず、ぶっとんだ設定なども無く、登場人物たちの会話を軸に進んでいくストーリー。そしてかわいらしくて儚げで、しかし同時に男らしく竹を割ったような一面も持つ主人公ルイーズ。
ルイーズは自分の好きなものを集め、揃え、自分の好きな場所を作り、自分の理論で生きている。彼女のパリの部屋やファッションや持ち物がそれをしっかりと表している。この映画に惹かれたのは、そんなところに憧れや共感を抱いた部分もあったのかもしれない。
そして、ルイーズを演じてヴェネツィア映画祭主演女優賞に輝きながら、映画を撮影した年に25歳という若さで急逝したパスカル・オジェの輝きも、ずっと心に留めておきたい。
初めて「満月の夜」を観た時から、この映画の独特な魅力に心を掴まれた。淡々と冷たい空気。黒い服ばかり着ている主人公。それによっていっそう引き立つ色鮮やかなマフラー。パリの部屋のグレーの壁と、カラフルな小物。特別なことは起こらず、ぶっとんだ設定なども無く、登場人物たちの会話を軸に進んでいくストーリー。そしてかわいらしくて儚げで、しかし同時に男らしく竹を割ったような一面も持つ主人公ルイーズ。
ルイーズは自分の好きなものを集め、揃え、自分の好きな場所を作り、自分の理論で生きている。彼女のパリの部屋やファッションや持ち物がそれをしっかりと表している。この映画に惹かれたのは、そんなところに憧れや共感を抱いた部分もあったのかもしれない。
そして、ルイーズを演じてヴェネツィア映画祭主演女優賞に輝きながら、映画を撮影した年に25歳という若さで急逝したパスカル・オジェの輝きも、ずっと心に留めておきたい。
鳥肌もおさまり、連載タイトルをどうしようかとあれこれずっと考えていて、ある時ふと「マイルームシネマ」という言葉が浮かんだ。部屋で一人で、リラックスしながら、ことあるごとに観かえしたくなる好きな映画。自分にとって大事な映画。ザ・シネマメンバーズの配信するラインナップは、きっと多くがそんな映画になりうるのではないかと思う。