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PROGRAM/放送作品
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
ゴスかわいい世界観が何とも魅力的。悪役ジム・キャリーのコミカルな怪演が愉快なダーク・ファンタジー
ティム・バートン風のゴス調ダーク・ワールドを舞台に、いたいけな三姉弟妹の冒険を描くメルヘン・アドベンチャー。姉弟妹の遺産を狙う悪漢ジム・キャリーの怪演と七変化にも注目。
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COLUMN/コラム2019.12.26
なぜハル・ハートリーはクラウドファンディングをするのか? ~新作プロジェクト『WHERE TO LAND』に寄せて~
ハル・ハートリーが現在、2014年の『ネッド・ライフル』以来となる新作長編プロジェクト『WHERE TO LAND』を立ち上げて、クラウドファンディングを募っている。『ネッド・ライフル』もクラファンで製作費を集めた作品であり、つまりハートリーは2作続けて、映画ファン個人の出資によって新作を届けようとしているのだ。まさに“インディペンデントの権化”の通り名(勝手に付けた)に偽りなしである。 今年でデビュー30周年、還暦も迎えたハートリーだが、大手スタジオにファイナルカット(最終編集権)を明け渡す気がさらさらないのは1989年のデビュー作『アンビリーバブル・トゥルース』の時から変わっていない。『アンビリーバブル~』はミラマックス社が全米配給し、悪名高きハーヴェイ・ワインスタインから「お色気シーンを増やせ」と要求されたが、ハートリーは断って皿を投げつけられたらしい。 実は2000年頃、ハートリーが最も大手スタジオと接近したことがある。ユナイテッド・アーティスツの製作で『No Such Thing』(01、日本未公開)を監督したのだ。主演は当時注目の若手だったサラ・ポーリー。ジュリー・クリスティやヘレン・ミレンのような大女優も参加し、ハートリーにとって間違いなく大きな飛躍のチャンスだった。 しかしユナイテッド・アーティスツ側はもっとキャッチーな作品に手直しするようにと再編集を要求し、ハートリーはまたもはねつけた。結果、映画は一年間お蔵入りにされた後、ろくに宣伝もされず申し訳程度に限定上映されて、実質的に葬られた。ハートリー自身は「でも監督料はちゃんともらえたよ」と冗談めかして語っているが。 ハートリーが『No Such Thing』の顛末についてはらわたが煮えくり返るような怒りを表明したりはしていない。しかし以降のハートリーは、ファイナンスも含めて自分自身でコントロールできる範囲で活動するようになる(例外的に、旧知の仲であるグレゴリー・ジェイコブズがクリエイターを務めた青春ドラマ「レッド・オークス」ではエピソード監督は引き受けている)。 もちろん、自分が書きたいように脚本を書き、撮りたいように撮り、自分が望む形に仕上げるというフィルムメイカーにとっては夢のような状況は簡単に実現したりはしない。ハートリーはあくまでもそれが実現可能な規模で映画作りができればいいと腹をくくり、直接ひとりひとりの観客と繋がるクラウドファンディングを始めたのだ。 インディーズ映画というカテゴリーの中でも非常に小さな商いだが、少なくとも創作の自由は確保できる。今回『WHERE TO LAND』のために集めようとしている目標額3300万円についても、「予算は多いに超したことはないけれど、“いい映画”を作るには十分な額だよ」と語っている。いじらしい理想主義者と取るべきか、頑固な偏屈者と取るべきか。 “理想主義を掲げる偏屈者”は、ハートリーの映画にしばしば登場するおなじみの人物像でもある。ハートリーの作品も、どれも理想と現実との軋轢を描いていると言える。そしてハートリーは、年齢を重ねて現実と折り合いをつけながらも、決して理想を手放すまいとしているように見えるのだ。 前置きが長くなったが、新作プロジェクトの『WHERE TO LAND』は、理想と現実に間で揺れながら、魂は売り渡すまいと踏ん張ってきたハートリーのキャリアの総括のような作品になる。断言できるのは、いち早く脚本を読む機会を得たからなのだが、ハートリーがいかに成熟を遂げ、それでいて30年前と同じ純粋さを失っていないことを、軽やかなコメディとして伝えてくれる120%ハートリー印の作品ができるはずだ。 すでに出演を表明しているのは『シンプルメン』のビル・セイジ、ロバート・ジョン・バーク、エリナ・レーヴェンソン、《ヘンリー・フール・トリロジー》のパーカー・ポージーらで、ファンには旧知の顔ぶれが再結集することになる。ただし最大の難関は、低予算のインディーズ映画とはいえ一般人の有志だけで3300万円を集めるのは容易ではないこと。正直、この原稿を書いている時点で募集金額の達成にはまだ遠い。 しかし「ハル・ハートリーの新作」が実現することは、ただファンのためだけでなく、インディペンデントムービー全体にとっても大きな勝利であるはずだ。なにせハートリーは“インディペンデントの権化”なのだから。■ 主演のビル・セイジ 2019年11月撮影/Bill Sage at Possible Films, Nov. 2019 ©POSSIBLE FILMS, LLC
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PROGRAM/放送作品
ネッド・ライフル
[R15相当]波乱に満ちた家族の物語が完結―。孤高のインディーズ監督ハル・ハートリー幻の3部作最終章
ハル・ハートリー監督が17年にわたって描いた『ヘンリー・フール』3部作最終章。第1作に子役で出演したリーアム・エイケンが18歳の息子ネッド役で主役を務め、多感な少年の成長をナイーブな演技で体現する。
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COLUMN/コラム2017.10.20
『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』に出てくる「パスタ・プッタネスカ」こと「風俗嬢パスタ」のレシピに挑む!!!
写真/studio louise 今回は『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』の中で印象的に登場する、「パスタ・プッタネスカ」の作り方をご紹介しましょう。 映画チャンネルなのでまずは映画紹介から。 ボードレール家の子供たちは火事で両親を失った。少女発明家の長女ヴァイオレットと、読書好きの弟クラウス、そして末っ子の赤ちゃんサニーは、オラフ伯爵という遠い親戚に引き取られる。だが遺産目当てのオラフは子供たちを殺して遺産を我が物にしようと画策。子供たちはオラフの元から逃げ、別の遠い親戚に預けられることに。しかし、三文役者のオラフは変装し、周囲の大人たちの目を誤摩化して子供たちに付きまとう。 一見して、超ティム・バートンっぽいダーク・ゴス・メルヘンチックな映像と世界観の映画なのですが、その見立てはハズレてはおりません。そもそも監督に当初ティム・バートンが打診されており、またそのためか、撮影監督に『スリーピー・ホロウ』でアカデミー撮影賞ノミネートの(てか当代最高のカメラマンの)エマニュエル・ルベツキ、美術には完全にバートン組の一員であるリック・ハインリクスといった面々が名を連ねていますからね。 あと、ジム・キャリー扮演の悪党の三文役者オラフ伯爵が変装して遺産狙いで子供たちを追い回すというお話なので、ジム・キャリーの『マスク』ばりの変キャラ七変化や過剰演技が楽しめるのですが、もう一点、これは人それぞれ趣味もあるとは思いますけど、エミリー・ブラウニング史上この時がいちばん可愛いですわ! エミリー・ブラウニング嬢、ロリ系女優としてその後もご活躍。日本風スク水ずん胴(いや、良い意味でね)姿を披露した『ゲスト』、日本風愛と正義のセーラー服美少女戦士役でアクションしまくった『エンジェル ウォーズ』、脱いだ『スリーピング ビューティー/禁断の悦び』、美声を聞かせたレトロキュートなミュージカル『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(写真)と、文化系男子好みな作品選定で全幅の信頼を置かれてますが、本作でのゴスロリ黒ドレス姿の可憐さたるや! このエミリー・ブラウニング嬢たち3姉弟が、悪党オラフ伯爵に引き取られてきた初日に即、ディナーを30分で作るよう命じられる。いきなりの家政婦扱い。姉「パスタにしましょう」弟「パスタ・プッタネスカなら、少ない材料で出来るからね」 ということで、ザルの代わりに網戸を、鍋の代わりに痰壷を使い、パスタ・プッタネスカを手早く作るのです。 Netflixオリジナルの連続ドラマ版には、姉弟が図書室に行ってレシピを調べるシーンがあります。[図書室にて]姉「これなら作れそう。パスタ・プッタネスカ!」弟「イタリア語でどんな意味だろう?」姉「(料理本を読み上げ)ニンニクとタマネギを炒めて、オリーヴとケイパー、アンチョビ、刻んだパセリとトマトを入れて煮る」[キッチンにて]ナレーション「パスタを茹でるまでの間、ヴァイオレットはニンニクを炒め、アンチョビを洗って切った。クラウスはトマトとオリーヴの準備。(中略)そして末っ子がパセリを歯で食いちぎる作業を終えると、初めて伯爵の家に来た時の気持ちは消えた。惨めな気持ちは薄れていたのだ」姉「このソース、パパも誉めてくれたはず!」 ええと、これからご紹介するワタクシのレシピでは、タマネギは使いません。甘味が出ちゃうのがイヤなのと、ワタクシが参考にした幾つかのレシピでは使ってませんでしたから。あと、「アンチョビを洗う」という行為は意味がわかりません!英語でもそう言ってるんだけど、ダメ!絶対!! この2点は原作に書かれてないので、文字通りのNetflixオリジナルのアレンジらしい。ダメ!絶対!! あと、弟君に「イタリア語でどんな意味だろう?」と言わせておいて答を劇中で教えないのが、実は、軽くイタズラ心に溢れていて面白い。これも原作に書かれていないNetflixオリジナル台詞みたいなんですが、実は「プッタネスカ」って、子供に意味を教える訳にはいかない、とんでもない意味なのです! 「プッタネスカ」とは「風俗嬢の」という意味で、「パスタ・プッタネスカ」でしたら「風俗嬢パスタ」ということ。これ、イタリアで風俗嬢が客を取る合間にチャチャっと作って手早く食事を済ませていたから、それくらい簡単に作れるお手軽レシピ、ということが語源との説があります。ま、お子様には秘密ということで。 では、前置きはこれくらいにして早速いってみましょう! 【材料(4人分)】 ・唐辛子×2本・ドライオレガノ×2つまみ・ニンニク×1片・チェリートマト×1パック(有っても無くても)・生イタリアン・パセリ×売ってる1袋・トマトペースト(有っても無くても)・パスタ(ここではリングイネ。スパゲッティーでももちろん可。ただ麺が良い)・トマト缶×1缶・ケイパー・アンチョビいっぱい(5尾以上は!味の決め手なので!)・黒オリーヴ(種有りの方が断然味が良いのでオススメ) 【作り方】 ① フライパンにオリーヴオイルを注ぎ、唐辛子とニンニクのみじん切りとアンチョビいっぱいを入れ、超極弱火で熱を入れていく。トマトの食感がお好きならここで生チェリートマトを半分に切ったものも加熱する(別に無くてもいい)。 ② 5分も加熱するとアンチョビが熱で崩れる。この状態まで加熱したら、 ③ この時点でパスタ用の湯を大鍋で沸かし始めること。それと同時にフライパンの方は中火にヒートアップし、イタリアンパセリを除く全ての材料を一斉に投下!すなわち、トマト缶1缶、トマトペースト適量(無くても可)、ケイパーとブラックオリーヴお好みの量、乾燥オレガノを加え、材料外だが塩(適量)も加えて味を調える。 ④ 湯が沸いたらパスタを茹でる。湯が沸くまで15分ぐらいか?そしてパスタの茹で時間は普通7分?アルデンテ着地狙いで6分?超適当だが、トマトソースの方の煮込み時間もそれで十分。この時間を活用してイタリアン・パセリを適当に刻んでおこう。 ⑤ パスタ茹で上がり=ソース煮詰まり完了。パスタをソースに絡め、皿に盛り付け、最後に生イタリアン・パセリをたっぷりと散らす。 【実食】 うん!いつもながら、地味に美味いな!とにかく簡単、ってことが、この料理最大のメリットで、簡単すぎて失敗しようがないのですが、コツはアンチョビをケチらないことですな。肉を使ってないので、味のゴージャス感はアンチョビだけにかかってます。これケチると味気ない貧乏ったらしい味になってしまうので。 にしても、妻が実家出産でしばらく独り暮らししてた頃は、仕事終えて家に帰ったらいつもパパっと作って平日2回ぐらいはこれ食いながら安ワインで映画を見てましたね。やっぱ、映画ですから!自分で言うのもなんですが、映画見るなんて、そこそこオシャレで知的で洗練された趣味だとは思いませんか皆さん!エクスペンダブルズとか!! であるならば、コンビニエントでインスタントな夕食よりかは、手抜きとはいえ多少はこだわった、自分でチャチャっと作る簡単ディナー程度は、映画見る晩には格好つけたいじゃないですか、皆さん!■ COPYRIGHT © 2017 BY DREAMWORKS LLC AND PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
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PROGRAM/放送作品
フェイ・グリム
今度はスパイスリラーに急展開!孤高のインディーズ監督ハル・ハートリー、幻の3部作第2章
ハル・ハートリー監督が『ヘンリー・フール』から9年ぶりに描く続編。下町の人間ドラマだった前作からスパイスリラーへとジャンルの垣根を越え、さらに斜めのカメラワークを多用することで異質な印象を与える。
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COLUMN/コラム2012.03.01
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年3月】山田
いかにもティム・バートン風なゴスかわいい世界観が何とも魅力的。いたいけな三姉弟妹の遺産を狙う悪漢にジム・キャリーが扮し、コミカルな怪演と久方ぶりのエキセントリックな演技を見せる愉快なダーク・メルヘン。長女ヴァイオレット役にはエミリー・ブラウニング。『エンジェル ウォーズ』の制服美女姿が記憶に新しい。イケメンボイス×イギリス英語の、ジュード・ロウのナレーションも素晴らしい。あと久々にエンドクレジット(の影絵)で感動いたしました。本編に勝るとも劣らないクオリティです。
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PROGRAM/放送作品
(吹)レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
ゴスかわいい世界観が何とも魅力的。悪役ジム・キャリーのコミカルな怪演が愉快なダーク・メルヘン
ティム・バートン風のゴス調ダーク・ワールドを舞台に、いたいけな三姉弟妹の冒険を描くメルヘン・アドベンチャー。姉弟妹の遺産を狙う悪漢にジム・キャリーが扮し、久方ぶりのエキセントリックな怪演を見せる。